第35話 小説書きの専門用語(4)

 で、やっとゲラの方に取り掛かるわけですが……あれ? 鉛筆書き? 赤ペンじゃないの?

 はい、実は校閲さん、黒い鉛筆で書いてくれます。あ、知ってた? 知らぬは如月のみって感じでしょうか。いいんだよ、私は知らなかったんだよ(開き直り)。


『明らかに間違いで修正の必要がある』ものに赤ペンが入ってます。それ以外は『提案』という感じで黒い鉛筆書きです。わかりやすいところで『掴む』は『摑む』に赤字で直されていました。


「Aさんの年齢ならわかりますが、Bさんの年齢で昭和ネタ通じますか?」とか、そんなのは黒鉛筆で書いてくれます。

 単語を前後入れ替えた方が通りがいいときなんかは、入れ替えを提案してくれます。必ず「or ママ」とつけて、「そのままでもいいですけど、こうするともっといいんじゃないかなーと思います」という意思表示をしてくれます。

 めっちゃ気を遣ってくれてるのが伝わって来て、もう何か書いてあるのを見る度に「あ、そーですよね、ご尤もです」「おお~なるほど、ありがとうございます」とボッチの部屋でブツブツ言うわけです。変な中年です。知ってるよね。


 校閲さん、マジでリスペクトです。(大変お世話になりました)

 担当さん、いい人です。大好きです。(見てないと思ってここでコクるな)


 あ、そうそう、説明書に書いてなかったのが一つあって。四角に斜め線が入ったマークが偶にあるんです。何これ?

 何度かそのマークが出てくるうちに判明しました。これ、ブランクマークなんだ。数こなしていくうちにだんだん見えてきますね。助かった……。



 なんやかんやでなんとか本になって、発売日のちょっと前に唐突にガバッと本が送られてきたんですね。え、何これ、どうしろと?


 『ケンポン』というヤツらしいです。何かよくわかんなくてツイッターで呟きました。「編集部からたくさん本が送られてきてパニクってる」……アホ丸出しです。

 献本というのは1冊だけ送られてくるのだと勝手に思い込んでいたんですね。契約書読めよって? いやいや、契約書は本が店頭に並んでからなんですよ。そんなことも知らずに呟いたところ「それは著者献本ってヤツで、うんぬんかんぬん」と教えていただいたわけです。皆さんよくご存じですね。あ、私が知らないだけね。


 如月の無知自慢がこれから本を出そうという方のお役に立てればと思いますが、本を出そうと思ってる人ならこれくらい知っててとーぜんレベルの事らしいので、今回も何の役にも立ちませんでした。

 そう言えばこのシロート発言って、何かの役に立つようなこと一つでも書いてたかなぁ? 


 ……今回もまた、全く役に立たないシロート発言をしてしまったようだな。

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