第43話 縦書き(1)

 突然ですが、カクヨムには縦書きの機能がありません。縦書きにできるサイトもあるのに、何故カクヨムは横書きにこだわっているのでしょう? 謎です。

(※現在は縦書きできるようになっています)


 まー、それは置いといて。横書きならではの表記というものがあります。英語や数式などがその最たる例でしょう。


 拙作『GIFT』第23話の山科君の台詞にこんなものがあります。


「なんかおかしくないですか? 数学も負の記号の付く計算はとてもバカバカしいことをやってました。1-3=-2でいいのに、1-3=1+(-3)=-2と書かないと間違いにされてしまう、間違ってないのに、ですよ?」


 これ、縦書きにするとどうなると思います? 想像したことありますか?

 正解は『数式の部分だけ横に倒す』です。

「1-3=-2」「1-3=1+(-3)=-2」の二つだけが横倒しになります。


 では、もう一つ『GIFT』より第15話、同じく山科君の台詞。


「3×(0/0)とすれば、0/0は約分されて1になるから3×1で答えは3になる。だけど0/(3×0)なら、3×0=0で分子は0、分母も0で、約分して答えは1。0×(0/3)なら0分の3に0をかけるわけだから答えは0。ゼロ割を不可能とする答えを許可するなら、解答は4通りになる」


 これを縦書きにするとどうなるか。数式を横倒しにすると……

「3×(0/0)」「0/(3×0)」「0×(0/3)」などが横に倒れるわけですね。

 では、単体の数字はどうなるの?

「答えは3になる」の「3」は横に倒すのか? そのまま縦書きなのか?

 もしも縦書きのままなら、数字なのに縦書きと横書きが混在することになります。かといって、単体の数字も全部横に倒してしまうと、一文字だけの数字も横に倒れるので、読みにくいことこの上ない。


 てーか、それ以前に、山科君面倒な事ばっかり言ってますね……。



 さて、話は変わってこちら。拙作『P-WORLD』第153話の抜粋です。これは一体何の暗号でしょうか。パッと見てわかる方はそっち系のお仕事なさってる方ですね。


 P-world virtual reality system connected to Arizona machine center.


 Data recovery started : P-world virtual reality system

 Artificial Intelligance section

 *** 12%


 読んで理解する必要なんか全くありません。これはVR中央管理室の監視用モニターに出たメッセージです。主に開発メンテナンス担当者が見る画面なので、それ以外の方が理解する必要はない呪文だと思っていただいて結構です。


 が! ストーリー上は必要不可欠なメッセージです。

 もしもこれを縦書きにするとどうなるか!


 はい、かなり間抜けっぽいんですが、横倒しにして印刷されるのでしょう。読者の皆さんは本を横に持つか、自分が首だけ直角に倒して読むかどちらかなのです。

 あっ、言っておきますが『P-WORLD』は書籍化の予定なんか全くないので、ご心配には及びません!(ちょっと心配してみたいという願望はあるけどね)



 現代日本では横書きの方が書きやすいことはたくさんあるようです。だから何も考えずにスイスイと横書きで書いてしまっていますが、まあ、普通はそれでいいのでしょうが……。

 全くの想定外によって書籍化が決まってしまった場合に大変なことになってしまうのです!(後半へ続く)



 ……シロート発言の分際で『続く』を書いてみたかったんだな。




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