第5話 逃げ道

 本来これはもっと後の話だったのですが、第4話が別の意味に捉えられてしまう危険性があるので、順番を入れ替えてここで整理します。


 お豆腐メンタルという言葉があります。それは一部の人に限ったことではなくて、みんな多かれ少なかれそういう部分(属性?)は持っていて、ひょんなことで顔を出す、そんなものなんだと思います。

 「強い人に弱い人の気持ちなんかわからない」という人がいますが、強い人は「弱かった時期を経て強くなった」人がほとんどです。弱かった時の記憶、ちゃんと持ってます。そのうえで、過去の自分に提案するように、他の人に提案することが多いような気がします。

 それでも「あなたに私の気持ちはわからない」という人は「認めたくない」にも見えます。「認めない」のは一種の逃げ道であって、それを「認める」ことで自分が更に深みにはまるのであれば、そうやって逃げることもある意味正解でしょう。

 私もその時期を通過して来ているのでそれが言えるわけで、かといって万人が当てはまるかと言えばその限りでもないことではありますが。


 ワタクシ如月も、蚤の心臓に剛毛が密林の如く生え、最早ハリネズミかヤマアラシのようになっておりますが、自他共に認める『クレーム・ド・ブリュレ・メンタル』でございます。溶け具合と逃げ足の速さでは、はぐれメタルに引けを取らないと自負しております。キラッ!


 最初から強いヤツなんてどこにもいなくて、最初はみんな弱かったと思うのです。誰もが強くなるための努力をしたんだと思うわけです。

 その努力は、自分が強くなることだったり、上手に躱すことだったり、素早く逃げることだったりいろいろあるでしょう。

 


 私は小さい頃、秋になると引っ越しを強いられました。

 春から半年かけて親友関係を築いたところで、秋に引っ越しです。言葉の全く通じない地域に放り込まれます。そこで一から友達作りをします。

 そしてまた春になるとクラス替えです。仲良しさんとはクラスが離れます。他の子たちはみんな幼稚園から一緒なので春にクラス替えがあってもみんなお友達で、私だけが知らない子なのです。そこでまた一から友達作りです。

 そして秋。半年かけてやっと築いた親友関係と土地の言葉をチャラにして、全く言葉の通じない別の土地に引っ越します。これを延々繰り返します。親の仕事の都合です。

 それぞれの土地で待っているのは『新参者』いじめです。言葉が通じないので何を言われているかわかりませんが、とにかく嫌がらせは毎日続きます。

 その中で必死に友達を作り、自分の身を守る。小さな子供には勉強どころではありません。半年ごとにそれが来るので気の休まる暇が無いのです。

 両親は共働きで私は鍵っ子、その上自分は長子だったので、相談する相手もおらず、兄弟の面倒を見ながらも自分で消化することを覚えました。


 そんなこんなで心臓に剛毛がアマゾンの如く密集するようになったわけですが、

そこに至るまでに私が覚えたことは、逃げること、躱すこと、テキトーに合わせること、危険に近寄らないことでした。



 話を戻しましょう。お豆腐メンタルさんです。

 大人になってもお豆腐さんなのは、いくつかの原因があります。


・子供の頃に十分叩かれてこなかったために、今頃になって叩かれても対応がわからない。

・強くなるための努力はしたけど方向性が間違っている(逃げればいいのに立ち向かう、など)。

・自分の弱さに気づいていない。

・自分の弱さに気づいていてもプライドが許さなくて認めたくない。


 他にもいろいろあるでしょうね。だけど自分の弱さを認識していないとそれは唐突に襲ってくるのです。

 

 自分の弱さを把握しておくこと、苦手なものに近づかないこと、、これしかない。いや、他にあるかもしれないけど、私はそれしか思いつかない。



『大好きなものの中にその苦手なものがあってどうしても近づきたいなら、そのリスクを理解して上手く付き合い、いざとなったらすぐ逃げる事』


 これ、実は4話目の話です。(やっと戻って来たよ!)

 上の文面に4話の内容を代入するとこうなります。

『大好きな執筆活動の中に「増えないPV」という現実がある、でも執筆を続けたい。それならPVが回らないという現実とうまく折り合いをつけるしかないし、折り合いがつけられないなら逃げる(PVを見ない)事』これが弱くても続けるための『一つの方法』じゃないかな、と提案しているのです。

 勿論「それでも見たいんだよ」というなら止めません。ただの『提案』であって個人の価値観を否定するものではありません。ただ、豆腐メンタルを自認しているなら、逃げ道を考えてPVと付き合えばもっとカクヨムでの執筆を楽しめるんじゃないかなと思います。



 ってゆーかさ、今回ちょっとエッセイっぽくね? エッセイの定義、よくわかんないけど。


 ……最後の最後でまたシロート発言をしてしまったようだな。

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