……またシロート発言をしてしまったようだな。

第9話 キャッチコピー

　カクヨムを徘徊していて、驚くようなキャッチコピーに出くわすことがある。

　なにそれ、私に読めと？

　人によってツボは違うと思うけどね、こんなの読みたくなるじゃんってのをいくつか紹介しちゃおう。作品名は敢えて明かさないけれども、まあ、見りゃわかるってくらい有名だから……バレバレ？

「砲撃ではないよワトソン君。これは素手の一撃だ。」

　は？　砲撃に見間違えるような素手の一撃ですと？　なんだよそれ！

「パンツはいて帰れ」

　待てい！　穿いてねーのか、パンツ！　どんな話だよオイ！

「戦争は終わるよ。もし、君が望むなら。」

　何これ、如何にも如月好みの重厚なヤツ来そうじゃん！

「ブラック企業を叩きのめす正義の味方、弁護士白山白狼とは俺のことだ！ 」

　もう、大好物の予感。コメディ寄りの真面目な現代ドラマ感満載！

「33才、弱気でぐうたら。どこにも勝てる要素がない 」

　ってことは何かで勝つのか。どうやってそこに持ってくんだ？

「シンデレラが強い女の子で、王子がイケメン・ブタ・格闘バカ、そして… 」

　は？　は？　は？　王子がイケメンはわかる。ブタと格闘バカって何？

　上のは一例なんですが、私がキャッチコピーだけで「読みたい」と思ったもの。

　１つめと２つめは意外性。その疑問を解決しないと気が気ではないというヤツ。

　３つめと４つめは期待感。アバウトに内容の方向性が想像できて期待に変わる。

　５つめと６つめはダメ感。この『まるでダメ感満載』なのをどう料理すんの？

　皆さん上手です。ほんと上手。読みたくなるもん。他にも読みたくなっちゃうコピーがたっくさんあるんですよね。

＊

　では、一般の世界ではどんなキャッチコピーがあったっけ？

　というわけで、如月好みのキャッチを集めてみた。

うなぎパイ：夜のお菓子（いろいろ想像が膨らみます）

ブラックサンダー：一目で義理とわかるチョコ（清々しいまでの自虐感）

中央酪農会議：胴上げして全員骨折。（「牛乳に相談だ。」の台詞と対で完璧）

キューサイの青汁： ん～っ不味い！もう一杯！（正直すぎて好感が持てる）

カルビーかっぱえびせん：やめられないとまらない（事実をリズミカルに）

インテル：インテル入ってる（韻を踏んでる辺りが心憎いぜベイベー）

シャープ： 目のつけどころがシャープでしょ（見事なダブルミーニング）

JR東海：そうだ、京都行こう。（思わず立ち上がってしまうストレートさ）

もののけ姫：生きろ。（端的）

サントリー：すこし愛して、ながーく愛して。（なんでもそうよね）

JAL：のぞみへ。先に、行ってるね。（うわー陸上輸送にガチで喧嘩売ってる！）

カゴメ：よけいな味がしない。（トマトだけです！ってのをシンプルに）

サントリー：何も足さない、何も引かない。（上のカゴメと同じだね）

特にね、うなぎパイとブラックサンダーは秀逸だなと。

＊

　因みに、拙作『いちいち癇に障るんですけどっ！』につけたキャッチコピー、

「完璧すぎる男。アバウトすぎる女。世界遺産級恋愛音痴同士の恋の行方は？」

　……白状します。思い付きです。

　この『世界遺産級恋愛音痴』という言葉を担当さんがすこぶる気に入ってくれまして、「これ、あちこちで使わせて貰います♪」とニッコニコだったのが印象的でした。私も嬉しい。（ホントあちこちに使ってたな……）

　そこでだ。フツーならここで『カッコいいキャッチコピーの書き方』とか『読みたくなるキャッチコピーの書き方』ってのを書くんだろうけど、毎回キャッチコピーとタイトルで悩んでいる如月にそんなものが書けるわけが無いんだな。寧ろ教えて欲しいぜベイベー♪（そそくさと他の人のを読みに行く如月）

　……と、またシロート発言をしてしまったようだな。