第13話 チョイエロ

 ラノベなどの表紙を見ていると、露出度の高い服を着用した若い女性の絵に遭遇します。

 フツーの制服であっても、超ミニスカートでわざわざ体育座りをしておパンツが見えるようにしてあったり、不自然に胸が大きかったり。

 異世界ものなどで鎧を着ているのに何故か胸元がガバッと開いていたり、ヘソを出していたり。いやあんた、胸元とか腹に剣を一突きされたら死ぬってば(そういうツッコミをしてはいけないという暗黙の掟があるっぽいんだけど)。



 そして『乳袋』と呼ばれる謎の立体裁断を施した服ですね。

 私の知る限り立体裁断の最初のものと言えば、ルパン三世の峰不二子女史が着ているライダースーツです。ハイネックでね、首からへその下まで一直線のファスナーがついててね、不二子ちゃんがツツーっと下ろすのがね。しかも不二子ちゃんたら、下なーんにも着てないのね。「おぅ、ファンタスティック!」鼻血ブシャァアアーなんですよ。

 いえ、ファスナー下ろさなくても十分ファンタスティックですよ。スリーサイズがB99.9-W55.5-H88.8なんですから。そのボディに張り付いてる服なんですから。鼻血ブシャァアアー!


 不二子ちゃんはセックスシンボルとしての役割も担っているようなので、それはOKなのです。

 逆に興醒めしてしまうのは『清純派美少女のきちんとした白ブラウス』のアンダーバストにぴったりと張り付いている部分なのです。清純派美少女には『清純派っぽいブラウスの着方』して欲しい、その方が萌える……と思うのは如月だけ? いや勿論、清純派美少女のエロいの大歓迎という方もいらっしゃると思いますし、そちらの意見を否定するものではありませんが。

 

 ここで個人的な話をしてしまいますと、私は洋裁をします。スーツだのコートだの自分で縫います。型紙も自分で取ります。だからかもしれません、あの立体裁断すぎる伸縮率500%の清純派白ブラウスに違和感満載なのです。

 何故この水着素材ブラウスが存在するのか、というのはこの後の話につながるわけですが……。


 もう一つ謎だったのが『B~Dカップの女性がいないこと』です。

 何故か巨乳と絶壁しかいない。フツーの乳ギブミー! VIVA、B~Dカップ!

 キャラ作りとしてはわかりやすいですよね、巨乳お姉さんと絶壁ロリ。中には巨乳ロリもいますが。ブシャァアアー(もうええて)。


 で、そんなことをツイッターでチョイと呟いたら、まーえらい騒ぎになりました。その時にとある作家さんに面白いことを教えていただいたのです。

 フツーのバストで設定していても、編集さんからダメ出しが出てしまって、やむなく巨乳に変更することがある、と。

 出版社にしてみたら『売れてナンボ』なのです。需要に合わせて供給する、至極真っ当な理論です。つまり巨乳と絶壁に需要がある、そういう事なのです。

 いくら作者が「この子はCカップなんです!」と訴えても、読者がFカップとAAカップを望んだら、その作品のキャラはFカップとAAカップになるのです。読者が望むなら清純派美少女の木綿100%白ブラウスも、ぴったりとバストラインに沿って張り付くのです!


 さらに、バストの話から離れてカクヨムトップページを見渡します。

『ちょっとH』『エロ』『同棲』そう言ったキーワードのあるものがトップページに載ることがよくあります。『トップページに載る=よく読まれる』そうです、みんなチョイエロが好きなのです! 一億総チョイエロ!(絶対違う)


 かく言う私もちょっとばかり前に、とある罰ゲームでGL小説『nose kiss』を書かされてしまいました(新たなる世界が拓けることになって結果的には良かった)。その時に付けたタグは『微エロ』。

 これね、ホント不思議。他の作品は連載が終わって2週間もすると、あまりPV回らなくなるんですよね。ところがこれだけはずーっと回ってる。アカウントを持たない外部の人も読みに来てくださってるんじゃないかなと思うわけです。

 しかも『エロ』じゃなくて『微エロ』です。女の子同士キスしかしません(きっぱり)。なのにずっと読まれてる。やはりチョイエロはパワーワードなのでしょう。


 ボディラインに沿って張り付く服、巨乳と絶壁、おパンツの見えるポーズ、GLとBL、チョイエロ……謎は全て解けた!



 ……フッ、またシロート発言をしてしまったようだな。

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