失恋砂漠

砂漠の砂たちは人類の先住民族の亡骸らしい

君の体もやがて砂になる

僕は君の体だったものを砂漠に撒こうと思う

そしたら君はいいよと笑った

世界で最後の恋ような感覚だった

離れたくないけれど君を砂漠の一部にして

世界のものにしたいと思った

この悲しみを自分で背負うには辛いから

世界にも僕の悲しみを共に背負ってもらうことにした

砂漠というのはそういうものだと思う

悲しみの共同体なのだ

誰かがそういった気がする、君だったのかもしれない

世界の一部になってしまった君を取り戻すことはかなわない

君を連れていくこともできない

僕がもし人類で最初の恋をした人間だったのならば

こんな悲しみむことはなかったのだろうか

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