海が光るのは君が光っているから

海が太陽の光に照らされて水面が光り輝いているときがあるでしょう?

それは、私たちがいるからなの

君は言った

私たちは二十歳を過ぎると皮膚が鱗に変わるのよ

人間として生まれて、人間として暮らして

時が経てば海に行く

そうして、肉体が滅んであとは鱗だけが残るの

それらは海の上に浮かび沈んで海の一部になる

海の水面が光るのはそのせいよ

だから、私たちは二回滅ぶの

一回目は、人間をやめて

二回目は、生き物であることをやめる

悲しいけれど、淋しいけれど

君が死んで鱗だけになって、太陽の光に照らされる姿を見てみたい

彼女は笑って

いいよと答えるのだろうか?

海を見るたび、あの光に照らされる海面が君の鱗ではないかと思って

心配になる

海なんて、光らなくても十分美しいから

光る必要なんてないというべきだった

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