第6話 やっぱり女友達
失恋直後、私は仲のいい女友達にその事を報告していた。
「振られちゃった。」
その一言でも彼女たちは、たくさん心配してくれた。
大丈夫じゃないだろうけど、頑張れ。
辛い時はいつでも頼って。
話したい時は聞くからね。
私とおんなじように泣いてくれた子もいた。
大学で一緒の子にも、ぽろっと、振られたことを話した。
知ってほしかった。慰めてほしかった。ただ、言いたいだけだった。
どれだけ言ってもこれは私のわがままだったけど、みんな、優しく声をかけてくれた。
「いっぱいお酒飲みな!」
「今度ご飯行こう。」
「そりゃ辛いよね。」
いろんな言葉があったけど、私を責めるものはなかった。
小学校からの親友は、
「そいつセンスないね!」
なんて。
そんな言葉も私を崖っぷちから救ってくれた。
振られた当日に、友達にお酒の誘いをもちかけた。
「明日とかどう?」
即答してくれた優しさが心に染みた。
急な誘いだったのに、すぐに応えてくれる。
「しっかり食って寝て、時間が過ぎていくのが一番効くから。鍋でもしよう。」
どれだけ彼女たちに救われたのか、わからない。
彼氏と付き合っている時には気づけていなかった、大切な存在。
私は今まで彼女たちを大事にしていたのだろうか。
きっと、今だから気づけた。
これからは、もっと大事にしていこう。後悔しないように、大切に育てていこう。
恋愛で頭がいっぱいだった私に、最後の最後で恋愛が教えてくれたのかもしれない。
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