戦ってイイノ?15話 魔力型ミサイル
魔力型ミサイル
私が船に戻ると、メイドロボさんが、ヘッドホンを付けて、一生懸命に何かを聞いていた。そしていきなりこちらを向き、
「大変です、神奈様! って珠樹様、神奈様はどちらに?」
と私に聞いてきたので、
「今さっき、寝るって言ってたよ」
と言うと首をかしげ、
「再起動中ですかね……、あ、そうでした。あなたにお伝えして、あなたが対処できるならやっていただきたいのですが」
「うん、いいよ」
私は頷く。そこに皐文ちゃんも来て、
「どういう話かな? 僕にも聞かせて」
「では……、先ほど沈んだ都から、魔力型ミサイルが発射されたそうです。狙いは私たちの住んでる国だそうです」
「何それ……魔力型ってことは魔法による爆発ってこと?」
「そうですね。そしてその被害範囲ですが、400kmですかね。まあ被害範囲と言っても、窓が割れるもいれてですが。それが1発、都心に向かって撃たれたそうです」
「そんな……早く何とかしないと!」
私は、自分ではどうしようもないと思い、神奈ちゃんを起こしに行こうとドアに向かうしかし、皐文ちゃんが、
「それなら、僕が何とかできるかも……」
「え?」
と思わず振り返る。
「珠樹に連れて行ってもらって、そこから魔力吸収すればいいと思うんだ。どう?」
「なるほど、それならいけそうだね」
けど、危なくないのかな? と繋げようとしていたが、
「だよね! じゃあやってみよ!」
と勢いよく甲板に出たので、私達も甲板に出る。
「で、どの辺飛んでるの?」
と皐文ちゃんが空を見上げ、姿形が見えないから聞いてきた。
「そうですね、前方から海上飛んできてます。目視、レーダーに引っかからない距離です。ですのでそろそろ合流するであろう、空母に乗せてある、ジェット機でお送りしましょう。降りる際には永魔のリングに搭載されています、バリアをコックピットを開ける前にお使いください」
その言葉を聞いて、左側を見ると、航空母艦が来ていた。
「皐文ちゃんはこの距離跳べる?」
「跳ばないよ。これなら海を歩いた方がいいからそっちで行くよ」
そう言うとジャンプで下に降りて行き、海の上をすいすいと滑り出した。私は空を飛び航空母艦に向かう。そちらには誰も居らず、しかし機械は忙しく動いていた。
「これ、どうなっているんだろう」
すると拡声器から、
『この船は私に一任されています。あなた達が005号から連絡があった、珠樹と皐文ですね?」
という声が聞こえてきた。私はそれにこたえようと口を開くとそれより早く、
「へ~、こんな感じなんだ。僕も空母に乗ったのは初めてだからびっくりだよ」
と皐文ちゃんが言った。それに続いて私は、
「そうだよ、私が珠樹だよ、そしてさっきビックリしていたのが皐文ちゃんだよ」
『わかりました。今からジェット機を出しますので少々お待ちを』
私はその言葉を聞いて、メイドロボさんみたいなロボットが出てくると思っていたのだが、下から、ジェット機がエレベーターに乗って現れ、コックピットがひとりでに開いた。
「これどうなっているの?」
『私が操作しています。艦載機やこの船の航路や改造は私に任されています。ちなみに動力は海水です。そして自動修復機能、自己判断をゆだねられています。どうですか? すごいでしょう』
「へー」
私はどう凄いのか解らないので、乗り込みながら、適当な反応をしたが、皐文ちゃんが、
「それってロボット工学三原則的にはどうなんだろう?」
すると、船の主は、
『そうですね、私達は神奈の許可なしには人に攻撃できませんし、それもよほどの緊急でないとその命令も受け付けれないように、しかし、私達が壊されそうならばその限りでないという風に設定されてはいます』
「なるほど? って守れていないような……」
皐文ちゃんがそう言うと船の主は笑ってから、
『そうですね、神奈はできれば機械達も人のようであってほしい、機械に人権があってもいい、でも機械が人を傷つけるのもよくない、そのジレンマの中で悩んだ結果だそうです。まあ神奈様も機械のようなものですから』
「……よくわからないよ」
「なるほどね」
「え、皐文ちゃん納得なの?」
「うーん、そうだね、神奈は少し自分の機械の体にコンプレックスがあるようなんだ。それで機械寄りの思考もあったりでね」
「私は神奈ちゃんが機械の体だって言われても、ピンと来ないよ。だって神奈ちゃんは神奈ちゃんだもん」
「そうだね、っとジェット機が出るみたいだよ口を閉めて」
「うん」
いきなり、その機体はスピードを出して、水平線に向かって飛び出した。そして高度を上げ、ぐんぐん進んでいく。すると、
「あれかな? どう思う、珠樹」
と念話が送られてくる。私は頷いた。どうやら魔力吸収は切ってあるようだった。前方からすごい勢いでこちらより上を飛んでいる、物体をレーダーで感知した。私達はまず、変身して、ついでに変装もして、私の永魔のリングで、バリアを作ってから、二人を包み、コックピットを開ける。そして、私は皐文ちゃんを抱え飛び出し、
「行動可能時間を読み上げるよ3分! 3分はバリアがもつよ!」
と私はリングに書いてある数値を読み上げた。
「ありがとう」
と皐文ちゃん、私は出来るだけ接近する。すると皐文ちゃんが忍び刀を出して、
「縮小吸収モード!」
そして、バリアの中にミサイルを入れた瞬間皐文ちゃんは忍び刀でミサイルを斬りつけ、それは粉々になった。
「な、これ自体が魔力で作られた物なんだ!」
と皐文ちゃん、粉々になったすべてが吸収されているのがわかる。
「とりあえずジェット機に戻るよ」
と私が声をかけると、
「うん、わかった。けど魔力を開放しないといけないから、僕は自力で飛んで帰るよ」
「へ? 代美ちゃんが皐文ちゃん飛べないって言ってたんだけど、違うの?」
「基本飛べないんだけど、魔力開放すると、飛べるんだ。けど魔力がなくなると、落ちるから、基本飛びたくないんだよ」
「なるほど」
私は下の方で旋回している、ジェット機に乗り込み、帰還した。
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