戦ってイイノ?16話 乗り換え
乗り換え
私は航空母艦が着いたら、005号に起こしに来るよう命令しておいた。しかし、
「おはようございます。神奈様少し遅れて申し訳ございません」
と慌てて入ってきた。私も、自分の中の接近警告装置を使い、起きていたが、少し気になり、005号を待っていた。
「……どうして遅くなった?」
「皐文様と珠樹様にミサイルの破壊を依頼していました」
「……どういう事だ? 詳しく教えてくれ」
「ではこちらを……」
と言うと005号は背を向け、首を見せる。私は立ち上がり、髪の毛に見せたコードを伸ばし、005号の首の接続口に繋ぐ、そして理解した。
「……成程、なら私達は、航空母艦に移動することを優先しよう」
「はい」
私は代美を起こしに代美の部屋に向かう。その途中、
「あぁ、神奈ちゃん、どったのぉ?」
食堂の部屋の近くから、焔が現れた。
「……ああ、だれかと思ったら、焔か、どうする? 君も来るか?」
と代美の部屋に向かいながら焔に問うと、
「えぇ、話がわかんない? どういう事?」
そう言えば、どこに行くのかいうのを忘れていたことに気付かされた。なので、
「……言葉が足りなくて悪かった。今から航空母艦に乗り換えるのだが、ここから先は戦闘が激化する可能性がある。だからどうする? 私達の住んでいる町に帰るか?」
すると、焔は少し悩んで、その後こちらを見て、
「あのさぁ、私またさらわれるのは御免なんだよぉ、だから付いて行くよぉ」
「……分かった」
そんな会話をしながら歩いていると、代美の部屋に着き、
「……悪い代美、起きてくれ、航空母艦に移るぞ」
「う~ん、珠樹ちゃ~ん、そんなの触っちゃ~駄目だよ~」
「どんな夢見てるんだろうねぇ」
と焔がニヤニヤして言う。
「珠樹ちゃんが~、起爆ボタン触ってる夢だよ~」
「……起きてるだろ」
「うん~」
そう言いながら寝息を立てている。
「……いや、起きろよ」
「だめ~?」
「……駄目だ」
「は~い」
そう言って、代美はごそごそと起き上がった。
「で、どういう事なの~」
「……航空母艦に移るんだ」
「じゃあ準備するから待っててね~」
「……わかった」
と私は動かないでいると、
「外で待ってて~!」
「? 何故だ?」
「い~い~か~ら!」
と追い出されてしまった。何故だ? と首を傾げていると、
「いやぁ、友達にも見られたくないものもあるでしょぉ」
「……む、そうか」
と焔と会話していると、部屋の中から、代美が出てきた。しかし、
「荷物はぁ?」
と焔が聞くと、代美は、
「転移魔法で神奈ちゃんの基地に一旦入れて行くよ~」
「……なるほど」
と私達は歩きだした。
「そういえば、珠樹ちゃん達はどこ行ったの~?」
「……先に向こうに向かってるはずだ、用事も頼んでおいたしな」
「神奈様、珠樹様と皐文様の荷物が……」
と005号の声、そして私は気づいた。皐文達は荷物持って行ってないという事に。
「神奈ちゃ~ん?」
「……今から準備する。すまないが代美も手伝ってくれ」
すると代美は大きくため息をついて、
「いいよ~」
と言ってくれたので、二人で荷物を取りに行った。
「……珠樹は荷物が少ないな、こっちはまとめた。そちらはどうだ? 代美」
と代美に念話で会話する。
『皐文ちゃんも荷物少ないけど~、ぬいぐるみさんがいっぱいだよ~。基地に入れとくね~』
「……ああ、わかった。じゃあ代美も航空母艦の方に向かってくれ」
『は~い、そういえば前の戦いはしょうがないけど~、今度は戦いに姿を見せない戦いをしようね~』
「ああ、その件はすまなかった」
私達は今度こそ航空母艦に向かった。
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