戦ってイイノ?7話 住民

住民


「ヤッホぉ、やっと来たんだぁ。待ってたよぉ」

とあくびをしながら、小部屋ちゃんは食堂の近くの一室から現れた。

 「おはよ~、小部屋ちゃん。気分はどう? 占いは~?」

と代美ちゃんがあいさつする。

「えっとねぇ、最近の物だとぉ、あなた達と成水さん達がねぇ、この戦いにかかわると無事世界は救われるってのだねぇ」

「お父さんが言ってたのと一緒だ~」

と喜んで、代美ちゃんはご飯を作りに向かった。

「それにしても、なんで私達が係わると、救われるんだろう? 何か分かる?」

「うん? それはねぇ……、まず、敵にあなた達は狙われているのとぉ、魔法の技術を確立させるにはあなた達の活躍が必要ってことかなぁ? 後は魔法を使う戦いが必要なのかもぉ。ごめんわからないやぁ」

「確かに因縁はあるけど、そこまで狙われることはしてないんじゃないのかな?」

「いやぁ、あの三人が、ピコのやってる事すごく邪魔したからなぁ。めっちゃ怒っててもおかしくないかもぉ」

「へぇー、何したんだろう」

「私の口から言うのもなんだから、本人たちに聞いてみてねぇ」

「うん」

そんな会話をしていると、船は出航したようで、揺れているのが分かった。少しの間、海を見てボーっとしていると、神奈ちゃんが来て、

「……退屈は人を殺すという。珠樹、ゲームしようゲーム」

「いいよ。けど皐文ちゃんと代美ちゃんは?」

そういうわけで厨房に行くと、

「ごめんね~今料理作ってるから、また後で~」

と残念そうな声を出しながら、代美ちゃんが言う。

「……ちなみに、皐文は見張りをしているから無理だ。私の機械達もやっているのだが、自分の目の方が安心できるらしいからな」

「なるほど、じゃあ何する?」

「……私の作ったゲームのテストプレイをしてもらいたい。いいか?」

「うん、いいよ。けど、神奈ちゃんは楽しいの?」

「……ああ、これは一人プレイものでは無くて、対人ゲームだからな」

「わかったよ。じゃあどこでやる? ここのモニターに繋げるのかな?」

「……いや、珠樹の部屋に機械と説明書を置いてきた。それを使ってプレイできる」

「わかったよ。あ、そう言えば、なんでピコに狙われてるの?」

「……ああ、簡単に言うと、私たちは彼女の望んだ沈んだ都の王復活の阻止をしていたからだな」

「じゃあ神奈ちゃんたちは失敗しちゃったんだね?」

「……そうだな。隙を見られて、復活させられたんだ」

「成程……話してくれてありがとう」

そう言うと、前に言われていた私の部屋に入った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る