戦ってイイノ?8話 ゲーム開始
ゲーム開始
「なにこれ、皐文ちゃんの家にある機械に似てる。確かゲームダイブだったかな?」
顔にフルフェイスヘルメットみたいなものをつけ、ダイブを開始、インストールされている、ゲームを開始した。
「いらっしゃいませ、珠樹様。電脳対戦にようこそ。ここではあなたに合ったキャラクターをこちらで選ばしてもらい、相手と戦ってもらいます」
「はい、って、勝手にキャラ決められるの?」
「いえ、最初だけですので安心してください。ですが、とても気に入ると思いますよ。と言ってもアバターはあなたのままで性能を変えるだけですから、見た目は変えれませんが」
「うん分かったよ、じゃあ、お願い」
「かしこまりました」
そう言うと、声の主はアバターづくりを開始した、そしてそこに私の操作するキャラの性能を書き入れ、
「はい、出来上がりました。これがあなたの性能です」
私は装備を確認、12個の召喚石と呼ばれるアイテム、飛行可能(重力操作による飛行)、肉体強化、変身能力……ってこれ、
「私の能力じゃ……」
「その通りです。あなた達の能力を基に作られています。ですから、戦闘訓練がこの機械だけでできるのです。神奈様が皆の能力を聞いたのは、このためなのです」
「また凄い物作ったね、神奈ちゃん……」
するといきなり周りの風景が空色に変わり、足元には雲があった。
「……どうだ珠樹、すごいだろう? 皆の能力もすべて入力済みだ。ライル姉妹には手間取ったが……、まあ今は戦闘だ。行くぞ!」
そう言うとチャクラムのような歯車のような武器を投げてきた。しかし、回避するまでもなく、私の後ろに飛んで、
「あれ? 対戦ゲームだよね? これ。なんで私の後ろを狙うの?」
「……そうだ。だがただのゲームではない。何故なら、痛覚はあるレベルでセーブされているが、普通に感じるからな」
「え? マジんこ?」
その答えなのか、いきなり後ろから爆発音。振り返ると、私に何かがぶつかり、吹き飛ばされた。体に激痛が走る。
「……珠樹、これが君の永魔のリングがなくなった場合の痛みだ。これが君の今までの無茶だ。これが君の無知だ。そしてこれが君の通してきた無謀だ。だから珠樹に生き残る戦い方を教える。だから、もう罪の意識にとらわれるな」
痛くて声が出ない。痛くて苦しい、少し目を開くと、神奈ちゃんが何か操作しており、その後すぐ痛みは引き、
「あ、あれ? 痛かったのに……」
「……今戦闘を終了させた。珠樹の自己犠牲戦法はよくない。心的にな。だから頼む、戦術を変えてくれ」
「うん……」
立ち上がりつつ私は答える。
「……今から教える」
そう言うと袖に付いているキーボードを叩き始め、
「……先ずは生き残ることだな。こいつらからノーダメージで戦ってくれ、私は珠樹と一緒に戦うが、まあ期待しないでくれ」
「え、期待しちゃうんだけど」
「……そうか、それはそれでいいか。では出すぞ」
そう言うと神奈ちゃんはキーを叩き、それと同時に周りの世界が変わっていった。周りを見渡すと、木が大量に逆向きに刺さっている。火が出てる場所もある、滝もある。
「……さあ始まるぞ。敵の設定は……忍びと巫女だ」
私は木の根っこに木の召喚石をぶつけ、盾を召喚。すると何か上の方から光るものが見えそちらに盾を構える。ストッという音が数回鳴り、危険だと判断、後ろに下がり、他の木の裏に隠れて盾に刺さったものを見る。やはり、
「苦無だ。これは鉄だよね。なら」
金の召喚石をぶつけ、ハンマーを召喚。大きさが、片手ハンマーぐらいだったので、盾を構え、先ほどの場所に接近、苦無を投げている相手のいる場所を特定、筋力強化を使い、
「そぉい!」
と投げた。それは上手くその相手に当たり、根っこから落ちた。
「……ナイスだ珠樹。だが、盾を持っていたとしても自分が出て行く必要はなかったな。例えば盾を投げてそれに反応したら場所は分かるだろう。そういう風に自分を大切に戦うんだ」
「うん、で、神奈ちゃんは何してるの?」
「……それがだな、珠樹、自分を大切に戦うって大変だなと今思っていたんだ、歯車を投げながらな」
「え? けど神奈ちゃんからのお題だよねこれ」
「……実は代美と皐文からだ。『君たち危なっかしいから、戦い方研究してね』という話らしい。私はホストコンピューターさえ残って居れば戦えるのに……」
「神奈ちゃん人の事言えないじゃん!」
「……すまん」
そう言っている間にも、私は戦っていた。空や、地中、森の中、滝の裏などに潜んでいた、忍びが一斉に襲い掛かってきたからだ。先ず、火のついた方向にいる忍びに攻撃、盾で殴り掛かった。しかしそれは丸太に代わって、私はそのまま火に向かっていく、そして、召喚石を火であぶり、ガトリング銃を召喚、
「神奈ちゃんどこか、物陰に隠れて!」
「……分かった。……OKだ!」
銃を撃ちまくる。しかし、
「全部丸太だよ!」
すべて身代わりを使われたようだった。そして神奈ちゃんが、
「……相手は二人なんだ。多分分身の動力として、丸太を入れていたんだろう。もう一人は巫女だ、しゃがめ!」
その発言を聞いて私はしゃがむとさっきまで頭があったらへんを何かがかすめて行った。
「矢だ! これ難易度高すぎ!」
私の隣にあった岩を粉砕したものを見て、思わず叫んでしまった。
「……そうだな。難易度を変えよう、ちなみに難易度を変える際に受けたダメージ量が分かる」
「え? ちょっと私の見ないで!」
言ってるそばから見てるし……もういいもん、私も神奈ちゃんの見るもん! 見てみると、ダメージ量55%って神奈ちゃんもダメージ受けてる! で私は……35%私の方が少ない。よかった。そう思っていると、神奈ちゃんは、
「……珠樹ずるい」
「ずるくないよ!」
そんな会話をしながら、私達はゲームを続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます