魔法少女でイイノ?8話 家族と友達の心配
家族と友達の心配
目を覚ますと、私のベットの上だった。全身が痛む、何とか体を起こし、部屋から出て、居間に出ると、そこにはお兄ちゃん、皐文ちゃん、代美ちゃん、神奈ちゃんが居た。
「あれ? 何で3人がここに居るの?」
私はドアを閉めながら、3人に話しかける。すると、
「どごいっでだの~? みんなじんばいじだんだよ~!」
代美ちゃんが抱きしめながら泣き、私に怒った様な言葉を発した。
「……私も心配した。機能停止するかと思った」
神奈ちゃんは珍しくpcやスマホなどを持たないでこちらを見つめていた。そして皐文も、
「もう、僕達がお兄さんに言いに来なかったら危なかったんだよ!」
と言いながら抱きついてきた。顔は見せないけど声でわかる、泣いているんだ……。
「……ありがとう」
あれ、安心したら涙が、私達は泣いた。そして少しおさまってから、お兄ちゃんがスポーツドリンクを持って来てくれた。
「僕、帰った時の記憶が無かったんだ、けど、なぜか珠樹のことが気になって、それで珠樹に電話したんだけど出なくて、心配になって、3人に連絡して、帰り何してたのか聞こうと思ったんだけど、代美も神奈も記憶が無いって言うから、すごく不安になって、最後に珠樹の家に掛けたんだけど、お兄さんが出て、帰ってないって言うから皆で探すことにして、お兄さんが見つけたって言うから見に行ったらボロボロの珠樹ちゃんが居たんだもん、びっくりだよ」
「あれ~? 皐文ちゃんはお兄さんと探してたんじゃなかったっけ~?」
代美ちゃんは首をかしげる、そこに来たお兄ちゃんが、
「あの屋敷で自分が探すのに一生懸命になりすぎて、途中で皐文ちゃんを置いて行ってしまったんだ、悪かったね、皐文ちゃん」
「いいよ別に、僕だって、お兄さんを置いてきぼりにして、探してたもん。そんなことより僕達はその屋敷から素早く逃げだして、皆でここに連れ帰ったんだよ」
話している内に夜9時の鐘が鳴った。
「じゃあ僕たちは帰るよ」
「そうだね~またね~」
「……明日学校で」
そう言うと三人は帰っていった。
少し沈黙が訪れる。先に口を開いたのはお兄ちゃんだった。
「そう言えばこれ、珠樹の近くに落ちていたんだが」
サモンエッグがお兄ちゃんの手のひらに乗っていた。
「あ、ありがとう」
取ろうとすると手をひっこめられて、
「いや、そうじゃないだろう。もう一つ言う事あるだろう?」
何だろう? そう考えていると、これは黙って持ち出していた事に気がついた。
「ゴメンナサイ」
「……まあいいか、よし! それは珠樹がもっていていいよ。何か分からないが、戦っているんだろう?」
「いいの!? ありがとう!」
私はウエストポーチに入れるとお兄ちゃんは話を続けた。
「これの使い方、球樹はまだ分かってなさそうだったな、教えようか?」
「うん、お願い」
「じゃあ、木のサモンエッグを2つ出してごらん」
私は緑のサモンエッグを取りだした。するとお兄ちゃんは庭に出て、同じ長さの木の枝を2本持ってきた。
「最初に、サモンエッグは色に対応した物を接着させないと発動しない、例えば、この緑のサモンエッグは木、赤いのは火など、まあ分かっているとは思うけどな」
「うん、それは知っているよ」
「それと、サモンエッグは物の質、量、そしてその物が持つ力によって変わってくる」
そう言うと一本の枝を木のサモンエッグにくっつける。すると枝はサモンエッグに吸収され、木の盾になった。
「だが、これに人の手が加わったもの例えば木刀を吸収させると、大きさが倍の木になって出てくる。それに、武器を作る時と、同じ物を再構築する時、動物型にする時は少しやり方に違いが出てくる。何もせずに召喚すると同じ物が出てくる、武器は手を触れながらその属性に近づける、動物型は同じ物を召喚するのと同じだが、動物型になるのを願う必要がある。そして神獣系にする時は珠樹には無理だけど、人ひとり分ぐらいの魔力が必要になる。最後にこれを飲み込んだ時なんだが、体に吸収され、対応したキメラになってしまう。今のところ戻るすべがないんだ。だから間違っても呑み込むんじゃないぞ、強い力にはなるが、元に戻れないんじゃ意味ないんだ。わかったか?」
「うん」
「じゃあ今日はもうお休み、明日も学校だろう?」
「うん! お休みー。あっ、もう2つ聞いときたかったんだよ。お兄ちゃん、私何で魔法の力が外に出ないの? あと助けてくれたのはお兄ちゃんなのかな?」
「ああ、それは珠樹が魔力を封印されているからな、親父が封印したんだ。昔珠樹は魔力が暴走したことがあったからその時に封印された。でも解除は出来ないんだ、親父しかその方法を知らないからな。すまないな、それに……知らないんだ。屋敷の中で倒れていたって、皐文が言っていたよ。なぜ皐文は自分がって言っていたのかは解らないけど、まあ聞かないようにな」
そうだったんだ、だから魔力道が開いてたのか、納得した私は階段に向かいながら、
「お兄ちゃんありがとう……、お休みー」
と言いながら上に上がっていった。
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