エピローグ
「凌馬さん、次はどちらに向かうのですか?」
ナディが凌馬へと問い掛ける。
「ああ、ターニアにも協力してもらってミウの母親の情報を探してもらったのだが、やはり空振りに終わった。でも、聖霊都市アールメン(エルフ国)に行けば、何か分かるかも知れないと提案されてな。取り敢えず、そこに向かおうと思う。」
凌馬は、皆にそう説明をするとムラサキに指示を出して出発をする。
「ミウちゃん、お母さんのこと何か分かるといいね。」
ナディがミウにそう言って抱き付くと、「うん!」と嬉しそうに答えていた。
(たとえ何があってもミウとナディは守ってみせる! クロ、俺の前に立ち塞がるのならば、次こそは決着をつけてやる。)
凌馬は馬車の外を眺めながら、そう心に誓っていた。
《・・・、それにしても今回の一件ではっきりとしたな。間違いなく俺たちの中に裏切り者がいる。ならば、今回のことはただの小手調べといったところか。面白い、たとえそれが誰であれ欠片も残さずに消滅してやる! ・・・・・・。いかんな、少し影響を受けているようだ。まあ別に悪い気はしないがな───────。》
─???─
「戻ったか。」
「はっ!」
「ヤマタノオロチは討伐されたか・・・。どういうことだ? 俺の力を授けたにも関わらず、そう易々と倒されるわけがないのだがな。」
「どうやら一人のSランク冒険者に倒されたようです。」
腕を組んで考え込む男。
「Sランクと言えど、たかが人間風情に倒せるとは思えんのだが・・・、まさか───共に気付かれたのか? いや、そんな動きはなかった。それに今はそれどころではないはずだしな。」
独り言のように呟く。
「それよりも、ヤマタノオロチの復活を手伝わせていた奴等をお前は皆殺しにしたようだな?」
「はっ、すでに役立たずの連中でしたので始末いたしました。勝手なことをしましたでしょうか?」
「別に咎めているわけではない。あんなゴミ共などどうなろうが構わんからな。しかし、あまり予定外の行動を取ると奴らに感づかれる可能性もある。そうなれば、貴様の願いも叶わなくなるぞ。」
「以後気を付けます。」
クロは男にそう答えると、一礼をしてから部屋を出て行こうとする。
部屋を出る一瞬、部屋の中央に置かれた水晶玉に映し出された凌馬とヤマタノオロチの戦闘の映像を鋭く見つめたが、そのまま無言で部屋を後にしたクロ。
一人部屋に残った男は、誰にともなく喋り出す。
「この俺の力でも進入できん結界とはな。一体何者だ? もしや本当に奴らに遣わされたのか。何れにしても、計画を早めなくてはならんかもな。」
「見ていろよ───共! 貴様らの化けの皮を剥ぎ取ってこの世から跡形もなく消し去ってくれるわ! クックックッ、アーハッハッハッ!」
男は高笑いを上げながら、影と共に消えていく。
《to be continued?》
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