快事たる『人』

悲しいことに悲しいことに

『人間』の『死』は、とても汚い

吐瀉物汚物飛び出す内臓捩じれた身体

見開いた目に血で汚れ『人』でなくなる餓鬼

愚かにも枯れ木の老衰で看取られる『人』

悪鬼羅刹に排他に愚かしく生の勘定をとられ

循環をしない故に『人』の『死』は汚らしい


だからこそだからこそ

私は追い求めている

『人間』が『美しく死ぬ』ところを

目も当てられない姿ではなく

望み叶い悔恨もなく踊り『死ぬ』様を


そしてそして

踊り狂ったまま夕闇へ還る時を


求めている求めている

私は『人間』が『美しく』生き

『美しく』散り

儚くも永遠を残す賛歌

抉り憎悪し怨恨を残す惨禍


だから君たちは

もっと素直になるべきだ

望みを願いを叶えたいと欲に駆られるべきだ

そして君たちは

もっと意地になるべきだ

絶望を疎み確たるものを得るべきなのだ


そうして還っておいで

綺麗なまま

純粋に落暉に願った時世に


美しい死を体現できるのは

夕闇に愛されたお前たちだけなのだから

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