第七節 割レタ、硝子


守ったひつぎの代償に 割れた、カゴ


ケースの破片かけらの切っ先に


ひとりの蛹




悲鳴をあげた夏羅は、何処かへ行ってしまって。




壊れた靴は誰のもの?


生まれるはずの、花舞人?


それに宿った憑依の魔?


それともそれを捕まえた、


カゴの外の傍観者…?




“ち”が 出てた


蛹は動かないけど、まだきっと生きてる


覚えているもの


魂が抜けたように動かない体のことを



貴方はまだここには戻っていない


——戻ったら 本当に死んでしまうから




壊れた靴は誰のもの?


生まれるはずの、花舞人?


それに宿った憑依の魔?


カゴの外の傍観者?



消えたいのちは誰のもの?


躯を貫かれた魂が、


うらみをもって、


憎しみをもって、



傍観者あなたを殺しに帰ってくる…



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