第五節 ひつぎと眠る
ずっと奥にしまいこんでいたひつぎを取り出す
土に還ることを知らない 渡り蝶の翅
「果楽」
死んでしまったから彼は帰らない
夢で会うことも 神様はゆるさない
果楽は死んで、しまったから。
「……夏羅」
風に揺れるカーテン
彼はあれから来ていない
次会うときは と
少し考えて、やめた
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