第四節 水鏡
景色も微睡んで歪む暑い日
うなされるような甘い話題に、風のような少年を思い起こす
(すきなひと、?)
私のすきなひと たいせつなひと
ずっと、声を待っているけど
彼はもう
小さな箱の中で眠っている
(すき、)
これがどんな好きなのか考えてもみない
言えなかった言葉
聞けなかった言葉
あなたはどう想っていたのだろう
「その人さ、…もういないでしょ?」
記憶は歪んで 融け落ちるみたいに
視界で笑うのは彼
うなされるような甘い言葉と
影のいろ
「ねえ、僕じゃ駄目?」
目に映るあおい髪に
三度目を数えたのは私
けれど、今
この頬をなぞる指先は——
「夏羅、は……敵なんでしょう?」
「敵?」
「蝶の…。」
蜂のように残酷に笑う貴方
蝶のように儚い彼に似ていて…似ていない
貴方が本当に蜂なら
果楽の敵になる
貴方は果楽じゃない
そして、私の中でももう果楽にはなれない
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