第二章 わたしはオリの中で

第一節 投影


――透けた体が光の粒になって舞い始める


それはあまりに綺麗で、


手にはもう彼の感触はなく


私が零した涙は彼をすり抜けて


声は、形をとらなかった―――




太陽のもと


あなたに似たものに出会った


黒い染みを抱くあおい蛹


生まれて来る寄生蜂は、あの頃の私かもしれない



蝶は蜂のために死んだの


最期に綺麗なあおを紡いで


蝶は蜂のために死んだの?


最期を残酷なあかに繋げて




太陽のもと


いつしか日が陰っていた


さがしにきたあの色を


見失ってしまって




やがて


あなたに似た人に、出会った




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