第二節 姿を変えて


 目が覚めてはじめにみえたのは青い髪


 空に透けるような 蝶の羽のような


「誰? …ドロボウさん?」



 彼は私の知らない人


 ここは私の一人部屋



「えっ…と…」



 彼は困ったような声を出す


 変わった人


 変わった瞳


 変わった服


 まるで蝶のような



「私は七花ななか。ナナって呼んで。あなたは?」



 そして彼は安心したように笑んだ



果楽からっていいます。あの…水をいただけませんか?」



 少し長めの前髪が揺れる


 美しい光を放って



 それから昼下がりになると


 彼は毎日やって来た



 果楽



 世界の生と死よりも不思議な


 私の友達


 ただ一人の友達…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る