第6話対決、ドラゴンモドキ 後編
「肉くわせろぉぉぉぉぉ!!!!!」
可愛い声とは裏腹に殺意のこもった声が響いた。
と、同時にフレアリザードが中々のスピードで突進してくる。
すぐさま『霧化』を発動させる。
勿論フレアリザードの突進は食らう事なく霧と化した彼女をすり抜ける。
その隙を突き、噛みつき、血を頂いた。
やはり鱗は全く硬くなかった。
なんなのこいつの鱗は。木綿豆腐にも満たない強度なんだけど。
突進を躱されたフレアリザードは何事もなかったかの様に再び突進しようとしているが、明らかに重傷である。
鱗の一部が見るも無残な状になっている。
噛み付いた部分を千切る拍子に連鎖的に他の鱗も剥がれたのであろう。
それを見るに鱗一枚一枚の連結強度は高くないようだ。
もはやこいつは敵ではない。
唯の食糧だ。
あれだけ会いたくない、と言っていたのはどこへ行ったのか昼間の吸血姫は眼を光らせていた。
半分は本能で動いているに違いない。
血を吸いたい、と言う吸血鬼の本能とこいつを倒して肉を喰らいたい、と言う人間の本能が。
それからもフレアリザードは飽きる事なく突進を繰り返しその度に霧化で回避しては吸血した。
正直ここまで完璧にいくとは思わなかった。
少しくらいは失敗かイレギュラーがあるかと考えていたがそんな事は無く順調に奴・のHPを削り取れた。
こうなったので言うがこいつは雑魚だ。
鑑定でなんやかんや書いてありはしたが所詮ランクC−。経験値と肉が美味しいオヤツだ。
こちらのHPが低いのか高いのか分からないが安全策を取って正解だった。
これならこれからこいつと同じくらいのランクの魔物?と闘うのも問題無い筈だ。毎度安全策を取ればな。
『霧化』、『吸血』無敵だな。
霧化している間は物理攻撃が無効だし何より素早く動ける。『影化』も似たようなものかもしれないので今度試してみるか。
そして『吸血』。このスキル単に血を吸うだけではなく対象のHPとMPをも吸い取ることが出来た。なので『霧化』分の消費MPはほとんど無い。減る度に吸い取っているから。
いやー、それにしても『吸血』便利だなぁ。MPは底が見えないから無視しても暫くは大丈夫だとしてHPまで回復してくれるのは有難い。
そろそろチマチマ血を吸うのも飽きたので真正面からぶつかってみる事にする。
血もほとんど残ってないだろうし動きもほぼ無いので問題無いだろう。
「じゃあなドラゴンモドキ...頂きます!!」
勢い良く走り出し頭の辺りに噛り付いた。
脳を破壊されたフレアリザードは抵抗する暇も無く崩れ落ちた。
「やったぜ!!美味しいオヤツありがとう!!」
言った直後突然アナウンスが流れてきた。
『メルツライ=オーロロッサ』のレベルが上がりました。
現在『メルツライ=オーロロッサ』のレベルは"5"、です。
初戦闘ボーナスより取得経験値が上昇します。
取得経験値が増えた事によりレベルが上昇します。
スキル『取得経験値倍化』により取得経験値が上昇します。
取得経験値が増えた事によりレベルが上昇します。
最終結果
『メルツライ=オーロロッサ』のレベルは"11"、です。
お、おう。なんかやけに長いリザルトだったが割とレベルが上がった方なんじゃないか?1から11だぜ。
あいつ、地味に経験値美味しいんだな。
それよりスキルレベルの方はどうなったのだろう?
ー『メルツライ=オーロロッサ』ー
種族・吸血鬼
個体・特殊『Daywalker』
LV.11
HP・1061/1061
SP・871/871
MP・730001/730001
スキル
『複製錬成LV.1』
『言語翻訳LV.ー』
『魔力強化LV.ー』
『視覚強化LV.ー』
『回復魔法LV.1』
『火属性魔法LV.1』
『水属性魔法LV.1』
『風属性魔法LV.1』
『土属性魔法LV.1』
『闇属性魔法LV.1』
『光属性魔法LV.1』
『鑑定LV.ー』
『WorldeyeLV.1』
『身体強化LV.1』
『結界LV.1』
『魔法耐性LV.1』
『毒耐性LV.1』
『取得経験値倍化LV.ー』
固有スキル
『影化LV.1』
『吸血LV.3』
『霧化LV.4』
『紫外線耐性LV.ー』
『蝙蝠化LV.1』
称号
『転生者』・『最後の吸血鬼』・『吸血鬼の姫』・『デイウォーカー』・『世界を覗く者』・『肉喰いたい』
ス、ステータスが馬鹿みたいに上がってる...
吸血と霧化は沢山使ったからいいとしてもステータスの上昇具合がえげつないな...
LV.10上げでHPは500、SPも500、MPは50000、と上昇していたので単純計算でそれぞれ、50、50、5000、となる。
...MPだけ法外じゃないですかねぇ。
別に上がる分にはいいけれどもこのまま上がっていったら使い所に困ってしまうと思う。
ただでさえ『霧化LV.1』の魔力消費量は50/1秒だったのに。
まあ上がってしまったものは仕方がない。
少な過ぎなくて良かったとしておこう。
ともかく肉確保だ。
さっさと肉を焼こう。
彼女は嬉々としながらフレアリザードを解体していった。
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