第4話脱出



 次の日あのドラゴンモドキはいなくなっていた。

 よしっ!脱出開始だ。



 一先ず『霧化』について鑑定してみる。



 ー『霧化LV.1』ー


 身体を霧化させて自由に動ける。

 霧になっていられる時間は使用者のMPに依存する。

 レベルが上がるに順って消費MPが減少する


 消費量・50MP/1秒




 成る程、つまり俺は13600秒ざっと3時間霧化出来るわけだ。


 時間には余裕があるみたいだ。

 途中で効果が切れて奈落へダイブする事もなさそうでよかった。


 そんじゃ、やってみますか!



 霧化!!



 瞬く間に身体が粒子レベルに分解され軽くなっていくのを感じる。

 不思議な感覚だ。身体の部位は全て繋がっているのを感じるのにそれらが霧状になっているを見る事が出来る。

 まったく不思議だ。



 さて、霧化したはいいがどうやって動こうか...


 普通に歩く感じでは動けなかった。





ーーーーーーーーー





 試行錯誤する事1時間。

 遂に霧化したはまま移動する事に成功した。

 身体に巡る血を進みたい方向に引っ張る様なイメージをしたら動く事が出来た。

 そのまま俺は移動して安全地帯の上に着くと、


 解除!


 遂に広大な草原の上に降り立った。

 そして叫ぶ。


「脱っ出!!」


 静かな草原に可愛らしい女の子の声が響いた。

 お?こんな声してたのか。

 驚いたな、転生前はかなり渋い声だと言われていたのだが、その正反対ときたか。

 ソプラノで、少し幼さが残っている声だ。

 つまりはロリボイスだ。


 ええぇ、ロリかぁ...

 外見は興味無いって言ったがロリサイズだと色々と不便だしなぁ。


 近くに水溜りを見つけたので覗いてみるとそこにはおとなしそうな金髪ロングヘアーの全裸の美少女が覗き返していた。


 あ、全裸だった俺。

 これは側から見たら痴女ですわ。

 ま、いっか。人一人居ないし。

 しっかしどえらい要素が詰まったなぁ。

 金髪全裸ロリ吸血姫だもんな。

 こりゃ変態紳士さんハァハァしながご登場待った無しですわー。



 っと忘れるところだった。名前を決めておかなければ。

 とは言っても一から決めるのは面倒くさいし元の名前から取るのが一番効率的だろうな。


 適当に名前全部ドイツ語で日本語読みするとメルツ=ライ、か。

 しかし短すぎるのも嫌だし...

 目の色はどうだったっけ?

 水溜りで確認し直す。


 ...赤か。


 髪の金と眼の赤合わせて名前にしようか。

 元の氏名は苗字でいいか。

 同じ言語はなんか嫌だし...イタリア語でいこう。まあ、他言語で色の呼び方知ってるのイタリア語だけってのもあるけど。


 バリバリの日本語読みした場合こうなる。



 オーロロッサ



 これでいいか。

 合わせて『メルツライ=オーロロッサ』

 この世界では苗字を先に読むのか後に読むのか分からないが苗字を『メルツライ』名前を『オーロロッサ』に決めた。



 鑑定さん、よろしく頼むよ。

 俺は自分への二度目の鑑定をかけた。






 ー『メルツライ=オーロロッサ』ー


 種族・吸血鬼

 個体・特殊『Daywalker』


 LV.1


 HP・561/561

 SP・358/371

 MP・495501/680001



 スキル

 『複製錬成LV.1』

 『言語翻訳LV.ー』

 『魔力強化LV.ー』

 『視覚強化LV.ー』

 『回復魔法LV.1』

 『火属性魔法LV.1』

 『水属性魔法LV.1』

 『風属性魔法LV.1』

 『土属性魔法LV.1』

 『闇属性魔法LV.1』

 『光属性魔法LV.1』

 『鑑定LV.ー』

 『WorldeyeLV.1』

 『身体強化LV.1』

 『結界LV.1』

 『魔法耐性LV.1』

 『毒耐性LV.1』

 『取得経験値倍化LV.ー』


 固有スキル

 『影化LV.1』

 『吸血LV.1』

 『霧化LV.2』

 『紫外線耐性LV.ー』

 『蝙蝠化LV.1』




 称号

 『転生者』・『最後の吸血鬼』・『吸血鬼の姫』・『デイウォーカー』・『世界を覗く者』・『肉喰いたい』





 おっ、ちゃんと表示されているな。

 俺はこれから『メルツライ=オーロロッサ』だ!!

 意味合い的にはあまり変わってないけれど。


 ついでに『霧化』もレベルが上がってるな。

 やはりスキルは練習すれば成長するらしい。

 それと最初は多すぎて気が付かなかったが『紫外線耐性』もあってよかった。

 今更ながら昼間の太陽光の中にがっつり入っている中で「何故、吸血鬼が日光浴びてるのに大丈夫なのだろう?」とか考えていたのだが『紫外線耐性』を持っていなければ即死していたところだろう。




 空は雲一つない快晴。

 心地良い暖かさが身を包んでいる。




 そんな中、草原に横になって寛いでいる彼、いや彼女は気付いていない。





 ゆっくりと忍び寄る影に。

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