形の無いものだからこそ、残したいと思う
雑種犬「形の無いものだからこそ、残したいと思う。野生の雑種犬です」
灰色熊「何なんですか、いきなり哲学ぶったセリフを吐いて……」
雑種犬「ソシャゲは、普通のゲームと違って、何か形のあるものが残るわけではないですからね。サービス終了してしまうと、後世の人がそれを楽しんだり、文化的視点から研究することは、難しくなるんですよ……だからこそ、私は消えていくソシャゲたちをせめて、心の中には残しておきたい……」
灰色熊「ソシャゲの話だったのかよ!」
雑種犬「ツイッターでGREEの【アイドルマスター ミリオンライブ!】サービス終了が話題になってましたからね。どれほど栄華を極めたソシャゲにも、終わりはやってくるということを考えて、感慨にふけっていたのです」
灰色熊「累計1500万課金した猛者がいるという、あのゲームですか……」
雑種犬「高級車や家を買えるレベルの資金を、ガチャにつぎ込めるって、ぶっちゃけ、羨ましいですよね!少しずつ積み重なった結果なんでしょうが、ローン無しで払えるって、地味にヤバい」
灰色熊「マジックザギャザリングなら、デュアルランドを大量に買い占められますね。壁一面にタルモゴイフを飾るのもいいですね!それどころか夢のBlack Lotusコレクションも作れそうです!」
雑種犬「そういうわかる人がいなさそうネタをぶち込むのは、やめましょう」
雑種犬「何だかんだで、このサービス終了の知らせは、一大事だったようで、グリーの株価が急落したそうです。やっぱり、大物コンテンツの影響力ってすげー」
灰色熊(グリーの株価が急落?!ハッ、これは完全に下りきったところで買えば、底値で掴める可能性が微レ存……株式投資家の血が騒ぐぜえええええええ!)
雑種犬「灰色熊さん、どうしたんですか?顔が怖いですよ。そして、目が$マークになってますよ」
灰色熊「おっと、すいません、お腹が痛くて、つい目が$マークになっちゃいました」
雑種犬(灰色熊さんのキャラが崩壊してきている気が……常識人代表のハズなんだけど)
灰色熊「ところで、雑種犬さんは、自称かなりのソシャゲ好きですけど。やはり、本気で愛したソシャゲを失ったことがあるのですか?」
雑種犬「好きな弱小ソシャゲが終わった経験なら、いっぱいありますが、大体2時間くらいは悲しい気分になりますよ」
灰色熊「立ち直り早すぎだろ!もっと、悲しんでやれよ……」
雑種犬「だって、早々とサービス終了しちゃうような弱小ソシャゲには課金しないですし」
灰色熊「そこは、課金して応援してあげましょうよ、好きなんでしょ?それに人気がなくたって、終わるって決まってるわけじゃないですし」
雑種犬「リリース当初から常に死臭が漂ってるのが、弱小ソシャゲあるあるです。新イベントとか来なくなったら、サービス終了を覚悟してください。終了時期未定の謎の長期メンテに入るのも、かなり危険です」
灰色熊「謎の長期メンテ。そのメンテは本当に終わるのでしょうか?」
雑種犬「【アイドル事変】というソシャゲは、数ヶ月の謎メンテを経て、無事死亡しました。今年の春頃に突然、終了時期未定の謎メンテに入ったと思ったら、このザマだよ!しかもアニメ放映直後にな!」
灰色熊「アニメを地上波で流したのは、死に花だった?いや、どっちかというと、最後っ屁?」
雑種犬「アニメはアイドルものなのに、野々◯議員ネタとかやってて、好きだったんですけどね。けものフレンズ、メイドラゴンとともに、就活で荒んだ私の心を癒してくれました!」
灰色熊「就活中に何見てんだ、この人」
雑種犬「とにかく、弱小ソシャゲプレイヤーになると、第六感が研ぎ澄まされてくるんです。タイトルによっては、事前登録の地点で『あっ、このゲーム、リリースから半年持たないだろうな』って予感がしますよ」
灰色熊「悲しいことに、その予感は当たってしまうのでしょうね」
雑種犬「そもそも、面白くないゲームには、みんな課金しませんしね。すぐにサービス終了するソシャゲって、やっぱり、あんまり面白くな……」
灰色熊「そのことは言わないお約束です」
雑種犬「でも、正直、弱小ソシャゲって、プレイ1時間で、1年後にサービス終了してる未来が見えちゃうこと多いですからね。たとえ、個人的に面白いと思っても、商業的成功は無理だなって、分かっちゃうんですよ。だから、プレイヤーたちは楽しむにしても、課金するにしても、長くは無理だろうなって悟って、色々と諦められるわけで……」
灰色熊「悲しい覚悟だ……」
雑種犬「中には、俺が課金してこのゲームを支えるって感じのユーザーもいますけど、弱小ソシャゲじゃ、そんな人ごくわずかですからね。それほどの愛を注いで課金しても、一人のユーザーの力じゃどうもならないことだってありますし。それにそこまで、愛しちゃうと、終わった時に耐えられないレベルで悲しいですからね……」
灰色熊「愛したゲームだからこそ、失うことは辛い。愛深きゆえの悲しみですね」
雑種犬「まあ、だからこそ、私は弱小ソシャゲにはあまり入れ込まずに、一定の距離を置いて、楽しむスタンスを取ってるわけです。サービス終了もネタとして楽しめるくらいの関係性が、適切な弱小ソシャゲの楽しみ方かと。そういうわけで、サービス終了告げられても、『あっ、遂に来たか。思ったより、遅かったかも』とか、『最近以前にも増して過疎ってたし、しゃあないね』みたいな感想しか出てこないことが多いです」
灰色熊「でもやっぱり本気で好きになっちゃうソシャゲもあるんですよね?」
雑種犬「ああ、ありますね。最近ハマってる、【ららまじ】ってソシャゲがまさにソレです。ホントに、ストーリーとかキャラとか最高なんですよね。ユーザーからも、すごく愛されてるゲームだし。でも、セールスランキングを見てる限り、売り上げはイマイチっぽくてねえ……」
灰色熊「ユーザーから愛されていても、稼げなければ、打ち切られるのがソシャゲの宿命」
雑種犬「【ららまじ】が1ヶ月後にサービス終了するとか言い出したら、ガチで号泣します。累計課金額は、数万程度ですが、本当に好きなゲームなんで、ショックで1年くらい立ち直れないかも」
灰色熊「つらい」
雑種犬「でも、どんなソシャゲでも、超人気作じゃない以上、リリースから数年でサービス終了するのは、避けられないんですよ。実際、消えていくソシャゲたちをどう後世に残すかって、重要な課題だと思うんですよね」
灰色熊「それを重要視してるのは、弱小ソシャゲ愛好家くらいのもんでしょ」
雑種犬「サービス終了したゲームの情報って、集めるの大変なんですよ。かつて存在したソシャゲについて研究するソシャゲ考古学という学問があるくらいです」
灰色熊「そんな学問ねえだろ、しかし、サービス終了したソシャゲの情報を集めることなんて可能なんですか。サービス終了後って、ゲーム自体プレイできなくなるわけだし、公式ホームページとかも消えちゃいますよね」
雑種犬「そうです、だからこそ、ネット上に散在する情報を探求する必要がでてくるわけです。Youtubeのような動画投稿サイトにプレイ動画や公式PVが残ってないか調べたりしますね。攻略ウィキや掲示板、個人のブログや過去のツイートを漁って、ゲーム内容やシナリオ、期間限定イベントの内容やプレイ感なんかを、断片的にですが、感じ取ったり。ある程度人気のあった作品なら、設定資料集、コミカライズやノベライズ作品も資料になります」
灰色熊「弱小ソシャゲ愛好家、変なことに情熱注ぎ過ぎでしょ」
雑種犬「今は亡き作品の真実を解明していくのは、面白いですよ。ソシャゲ考古学は、歴史学とかと、似てますね」
灰色熊「弱小ソシャゲに歴史的価値は認められてませんけどね!」
雑種犬「サービス終了ソシャゲの紹介記事や攻略記事を残しておいてくれる電撃オンラインさんは、マジで偉大」
灰色熊「そういや、サービス終了ソシャゲ紹介の回では、めっちゃ参考資料として出てきてましたね、電撃オンライン」
雑種犬「ネット上の攻略記事は、ホントに貴重なんですよ。もういっそのこと、サービス終了したゲームは、国会図書館あたりに電子アーカイブとして保存されて欲しいんですけどね」
灰色熊「それが実現する未来は、永久に来ないでしょうね」
雑種犬「でも、最近は、プレイ動画のアップや同人誌の発行によって、ソーシャルゲームの保全活動やソシャゲ考古学に励んでいる弱小ソシャゲ愛好家たちもいるらしいです!ソシャゲ考古学の未来は、明るいですよ。ちなみに、私も最近、Youtubeに自分の好きなマイナーソシャゲの動画を投稿して、保全活動に挑戦しています!」
灰色熊「また、不毛な活動を……」
雑種犬「とにかく、プレイ動画は貴重なので、弱小ソシャゲをプレイしてる方がいたら、サービスが終わる前に、是非ともYoutubeとかにプレイの記録をアップしておいてください」
灰色熊「不毛な活動を広げようとしないでください」
雑種犬「今回は、少し短いですが、これで終了です。ソシャゲなら、半年で終了くらいでしょうか?」
灰色熊「また、こういうネタで締めるのか……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます