前のエピソード――形の無いものだからこそ、残したいと思う

雑種犬「美しすぎるカードゲームならぬ、美しすぎるエッセイを目指したい。野生の雑種犬です」

灰色熊｢なぜ、この不毛なエッセイが続いているのか、疑問に思わなくなってきた、灰色熊です。それにしても、何なんですか、今回のテーマは？｣

雑種犬「今までこのエッセイでは、サービス終了ソシャゲといった、ソシャゲ界の闇を中心に語ってきたわけですが、本日は、明るい話題で行こうと思います」

灰色熊「すでに不安しか無いんですが」

雑種犬「今回は、次世代のヒットコンテンツになるかもしれない未来ある作品を紹介するだけなので、安心してください。今を逃したら二度と遊べない、今を輝くソシャゲとか」

灰色熊｢今を逃したら二度と遊べないって、それサービス終了しそうってことじゃねえか！てか、この流れ第1回の時にもやった気がする！｣

雑種犬「以前に爆死したソシャゲとよく似た感じのゲームが、1年後くらいにまた出てくる、これも弱小ソシャゲあるあるです」

灰色熊｢定期的に弱小ソシャゲあるある挟むの、やめろ｣

灰色熊｢今回のサブタイトル、『遊ぶなら今がチャンス！』ですけど、これ要するに、いかにもサービス終了しそうだから、今しか遊べないって意味ですよね。どうあがいても、絶望なんですが……｣

雑種犬「まあ、そこら辺は、そう悲観的に捉えずにいきましょう（暴論）。さて、前置きの茶番は、ここらで終了して、本編いきましょう。まだサービス終了していない（２０１７年１１月８日現在）、希望に満ちた作品たちです。通好みのいぶし銀なタイトルが揃ってますよ！」

灰色熊｢一般ウケしそうにないヤツばっかなんですね、分かります｣

注目のタイトル　NO.1　　長い歴史を持つ大人気コンテンツがソシャゲ参戦

【大相撲ごっつあんバトル】

配信元　バンダイナムコ

ジャンル　日本相撲協会公認ソシャゲ　

サービス開始　2016年11月　

<ゲームの詳細>

大相撲ごっつぁんバトル、日本相撲協会公認・大相撲アプリゲーム！　現役力士から伝説の横綱まで数々の力士が３Dモデルで登場！親方となって自分の部屋を日本一に！　

App Storeの説明文より引用

雑種犬「さあ、まずは、あの日本の国技がスマホゲームに殴り込み！日本相撲協会公認ソシャゲ、【大相撲ごっつあんバトル】の土俵入りです」

灰色熊｢いきなりスゴいのが来たあああああ。もちろん、悪い意味で｣

雑種犬「とりあえず、基本的に有名IPモノが多い、バンダイナムコのソシャゲの中では、凄まじい存在感です！」

灰色熊｢バンダイナムコって、アイマスとかソードアート・オンラインとか聖闘士星矢とかのソシャゲ出してるとこですよね、この【大相撲ごっつあんバトル】をラインナップで並べたら、場違い感がMAXなんですが｣

雑種犬「相撲は千年以上前から日本人に愛されてますし、ある意味有名IPと言えなくも無い」

灰色熊｢暴論過ぎる」

雑種犬「このゲームの一押しポイントは、相撲という敷居の高いテーマと、ソシャゲのお手軽さが絶妙にマッチしていること！ガチャで引いた力士カードを集めて、パーティー編成、クエスト感覚で巡業しながら、横綱を目指せるゲームなんて、他にありません！」

灰色熊｢相撲とソシャゲという二つの要素が見事に不協和音を奏でてますね！相撲好きじゃない人は絶対やらなさそうだし、相撲を愛する人には、相撲をナメてるとしか思えなさそうなんですが｣

雑種犬「ぶちゃっけ、この作品に関しては、出オチなので、紹介することがこれぐらいしかないです。力士カードの分解を引退と表現したり、デフォルメされた３Dモデルのお相撲さんが激闘を繰り広げたりと、笑えるポイントは他にも満載なんですけどね。あと、手に入れたお相撲さんのプロフィールを閲覧できる力士図鑑が見れるのは普通によかった」

灰色熊｢やはり、酷い。ところで、雑種犬さんは、このゲームがサービス終了してら、、悲しみますか？｣

雑種犬「『あっ、やっぱり終わるんだ』ってなると思います。課金してないし、悲しみは1ミリも湧き起らないでしょうね！」

灰色熊｢ここへ来てマジレスはやめてください｣

注目のタイトル　NO.2 　　知名度が低すぎるカードゲーム

【Revolve】

配信元　株式会社ysy

ジャンル　学園ジュブナイルTCG

サービス開始　2017年5月30日

<ゲームの詳細>

ゲームが、現実になる。

◆新ジャンル

学校や映画館、路地裏などの現実世界を舞台とした、「学園ジュブナイル×トレーデングカードゲーム」という新たなゲームジャンル。

◆シンプルでかつ奥深いゲームシステム。

1枚で「フィールドに残るキャラクター」と「使いきりで捨て札になる呪文・スキル」の2つの側面を持つカード達。多種多様なカードを自由に組み合わせて無限の戦略を練ろう！

◆近未来都市を舞台に始まる学園ジュブナイルストーリー！

時には熱く、時には切なく展開されるストーリー。個性豊かな仲間たちとの学園生活を楽しみながら、少年探偵として、街に襲い掛かる「カラス男」の謎を追え！

App Storeの説明文より引用

雑種犬「続いては、学園ジュブナイルTCG、【Revolve】。以前ご紹介した、今は亡き【ピリオドゼロ】の意思を継ぐ、本格派デジタルカードゲームです」

灰色熊｢【ピリオドゼロ】は、密かに後継者を作り上げていた？てか、株式会社ysyって聞いたこと無い会社ですね｣

雑種犬「株式会社ysyの公式ホームページを見てみたんですが、開発タイトルはこの【Revolve】一作でした。おそらく、これが、初の自社製ゲーム、まさに社運を賭けた作品だと考えると、胸が熱くなります！」

雑種犬「カードバトルもののスマホゲーは、結構やってるんですが、この【Revolve】最大の特徴は、とにかく知名度が低いこと！過疎ゲーで有名なタカラトミーのデジタルカードゲーム【War of Brains】や、DeNaの【デュエルエクスマキナ】よりも地味という、知名度の低さです」

灰色熊｢カードゲーム好きだけど、どれも聞いたことねえタイトルばかりだ。デジタルカードゲームって、最近【ドラクエライバルズ】が出てきて話題ですけど、【シャドウバース】とか【ハースストーン】以外にも色々あるんですね。てか、社運を賭けたゲームの知名度が低いって、なかなか戦慄すべき事態なんですが｣

雑種犬「だからこそ、株式会社ysyには、頑張って欲しいと思っているんです。実は、正式リリース前のβテストの段階からプレイしている、結構思い入れのあるゲームですし。【シャドウバース】と【ドラクエライバルズ】で遊びながら【Revolve】の健闘を心から願おうと思います」

灰色熊｢ちゃんと、プレイしてあげてください。そして、できれば課金してあげてください」

雑種犬「弱小ソシャゲの開発会社は、運用タイトルのサービス終了と共に、会社の公式サイトが消えることもありますからね。本当に厳しい世界です」

灰色熊｢なぜ、公式サイトが消えるのかは、想像したくないですね！ところで、このゲーム肝心の内容はどうなんですか？｣

雑種犬「２０枚組のデッキを構築して戦う、紙のカードゲームに近い、本格的なデジタルTCGという感じでした。対人戦とかも出来ますし、こじんまりとした公式大会も開かれてるみたいですよ」

灰色熊｢こじんまりとした公式大会とは一体……」

雑種犬「カードゲーム経験豊富な灰色熊さんなら、その気になれば、日本チャンピオンが狙えると思いますよ！プレイ人口少なそうですし！」

灰色熊(要するに、このゲーム、過疎ってるんだな……)

雑種犬「ゲームシステムは、既存のデジタルカードゲームとは似ているようで似ていない、独特なものだったりします。カードゲーム好きの人には、遊戯王とデュエマを足して二で割った感じというのが、しっくりくるかも。UIとか演出も、地味ながらオシャレでスタイリッシュな雰囲気を感じるので、結構好きですよ。カードデザインもかなりクオリティが高いと思います」

灰色熊｢公式ホームページを見てみましたが、以前紹介した【ピリオドゼロ】と比べると、全体的にオシャレでカッコいい感じですね。ところで、このゲーム、ジャンルが学園ジュブナイルTCGなんですが、学園バトルモノ的なノリなんですか？｣

雑種犬「そういう派手さは無いですね。主人公が高校生ってとこ以外、学園要素、ほとんどないし。ストーリーは、街で起きてる怪事件を調べる的な感じなので、むしろ一昔前のラノベっていうのが、正しいかも」

灰色熊(悪くないんだけど、やっぱり地味だな、このゲーム……)

雑種犬「総評としては、全体的に完成度の高い、カードゲーム好きのためのアプリって感じですね。逆に言うと、カードゲーム好きにしかウケな……」

灰色熊｢それ以上いけない｣

雑種犬「まだ、カードパックも二弾までしか出てないので、始めるなら今がチャンスですよ！1年後には遊べなくなってる可能性大なので！」

灰色熊｢あんた、ホントに、このゲームを応援する気あるのか……」

注目のタイトル　NO.3　　異業界よりの侵略者

【オオカミ姫〜ウソとホントの物語〜】

配信元　ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

ジャンル　シューティングディフェンス RPG

サービス開始　2015年1月28日

<ゲームの詳細>

戦略性MAX！ターン制ギルドバトル毎日開催中！ギルドバトルだけでなく、シューティングとディフェンスゲームも１つのアプリで楽しめるのは「オオカミ姫」だけ！！カッコかわいいキャラ満載のターン制ギルドバトルRPG!!

世界滅亡の危機!?　オオカミ姫が大暴走!!

騎士団長と共に、オオカミ姫を守りぬけ！

「オオカミ姫」の言葉に隠された真実は？　意外な展開のストーリーが満載!!

===================

ストーリー

===================

天空に浮かぶ大陸エデン。その中央を貫いてそびえる神樹セフィロト。

そのセフィロトの根元を囲むように広がっているマルクト王国とその周辺の５つの国々は合わせて六王国と呼ばれ、平和な日々が続いていた。

そんな中「オオカミ姫」と呼ばれるマルクト王国の姫が平和に終わりを告げて――

App Storeの説明文より引用

雑種犬「楽器や音響機器を手がけるあのヤマハが、まさかのソシャゲ業界参戦！いかにもソシャゲっぽい、ファンタジーRPGを世に送り出したああああああ！」

灰色熊｢説明見る限り、普通のソシャゲとしか言いようがないゲームだけど、なぜに、ヤマハが？！｣

雑種犬「ヤマハミュージックエンタテインメントは、音楽配信、音楽プロダクション事業、楽譜の出版なんかを中心にやってる、ヤマハ株式会社の関連企業みたいですね。ソシャゲ事業は、かなりイレギュラーらしく、配信しているゲームは、この【オオカミ姫】一本です。【オオカミ姫】は、ヤマハのソシャゲ事業の中核タイトルと言っても過言ではないでしょう」

灰色熊｢全然関係無い異業種の会社が、唐突にソシャゲを出すとか、死亡フラグ感がすごい」

雑種犬「世界観は、王道スマホRPGにありがちな、真ん中に世界樹っぽいのが立ってるファンタジー世界です。キャラデザインも、これぞソシャゲって感じですが、個人的には悪くないと思います」

灰色熊｢公式ホームページ見てみたけど、無数の美少女キャラたちと、配信元ヤマハのミスマッチ感が半端無いですね。いや、でも、わざわざソシャゲに参入するくらいだし、どこかにヤマハらしい要素が……」

雑種犬「ゲームシステムは、シューティングディフェンス RPGという、よく分からないジャンルです。まあ、プレイした感じだと、ひたすら連打すれば、いつの間にか敵が全滅してる印象だったので、難しいこと考えずにタップしまくるだけでいい、お手軽RPGって感じですかね」

灰色熊「なんか、すごいつまらなさそうなゲームシステムなんですが……ヤマハだけに、なんか音ゲーっぽい要素とか、無いんですか？」

雑種犬「そういう要素は皆無です」

灰色熊「ホントに、ヤマハ要素ゼロなのかよ！」

雑種犬「ちなみに、このゲーム、王道のファンタジーと見せかけて、序盤から主人公が隕石をバットで打ち返して、世界の滅亡を回避するという、凄まじい電波シナリオを見せてくれたのが、印象的でした。自分には、このゲームのストーリーに、ついていける気がしなかったので、それ以降、物語は進めていません」

灰色熊「これ、ファンタジー作品ですよね？天空に浮かぶ大陸エデンや神樹セフィロト出しといて、その展開はロック過ぎるだろ」

雑種犬「以上、ぶっ飛んだストーリーと場違い過ぎる配信元のインパクトがヤバい【オオカミ姫】でした。このゲームこそが、よくあるソシャゲの皮を被ったオオカミだったのかもしれません。ヤマハさんには、ご乱心してしまう程の何かがあったのではと、少し不安になってしまう作品でした！地味に２年以上続いてるタイトルなので、これからも頑張って欲しいところです！」

灰色熊｢２年以上続いてるってことは、何気に人気作？！でも、ホントになぜ作ったんだ、このゲーム……」

雑種犬「さて、今回紹介した３タイトルいかがだったでしょうか？興味があれば、是非、ダウンロードしてプレイしてみてください。このコーナーは、今後もシリーズ化していく予定なので、よろしくお願いします」

灰色熊｢サービス終了しそうなソシャゲを紹介するこの悪趣味な企画が、続いてしまうのか……｣