Tail.4 また、誰かにとっては始まりのエピローグ

Chapter.1 降って湧いた使命

幕間9

 長々と付き合わせたが、いよいよ俺の話も終わりが近付いてきた。先に訊いておくが、本当にこんな益体もない話を聞いていて大丈夫なのか。もう帰りのバスも電車もないぞ。もちろん俺からタクシー代が出るなんてこともない。


 ―――本当に、物好きもいたものだな。


 一つだけ保証しておくと、この物語は、あるべき終わり方、ある人にとってはつまらないが、誰もが幸せになれるラストシーンに向かって、歩を進めている。安心してほしい。嫌な気分にはさせない。


 いいから次に行けって? いいだろう。もうあなたしか残っていないが、変わらず、ラフな感じで話していこう。


 そうだ。


 一つだけ頼みがある。


 この話が終わったら、あんたの名前を聞かせてもらえないだろうか。

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