第17話 サムライと言えば…

時を同じくしてとある会議所。

王家直属の親衛隊のみが出入りすることを許された一室に一人の美女とメイドが向かいあって顔を沈めていた。

哀しみと不安によって彩られた美女の憂い顔は美しさを通り越した何か一つの絵画のような雰囲気を醸し出していた。

不謹慎だが流れるような金髪もさらにそれを引き立たせている。


『………やはり、織様は…その…もう……』


向かい側のメイド、もといレチリアは何かいいかけて口を重くさせた。

織が決戦へと向かい、連絡が途絶えておよそ太陽が三回程顔を出しては引っ込めを繰り返していた。何かあったのではと思いレチリアは慌てて向かい側の美女もといソフィアの元へと駆けつけたのだった。


「いえ……それは無いかと思います。」


『えっ……!?』


驚くレチリアをよそに、ソフィアは淡々と告げはじめた。


「私は現在主様と契約しております。…確かに正規では無いので多少は弱いですが確かな魔力廻道エンはまだ繋がっております。それが何よりの証拠なのです。…ですが…」


そうしてまたソフィアは顔を落とした。


「ファリアナさんも未だに戻ってきておりませんし、主様も…こんな時に力になれないなんて私は…スピリード失格です。」


『ソフィアさん……』


そうして流れる沈黙。

街を再建している大工が鳴らす小気味好い音だけがうっすらと静かに鳴り響いていた。

そうしていると不意に扉が開いて一人の男が入ってきた。


「フーリさん……」


『…!ソフィアさん!…そうですか。』


静かに入室したフーリ・ワン・ハードは察したように口をつぐんだ。

フーリ自身もあれから部下達を動員したりしてずっと織の捜索を行っていたのだった。

フーリが扉を閉めようとしたその時、ガッと扉を掴んで息を弾ませながら一人の軽装備の兵がまくしたてるように告げた。


『も、申しあげますっ!…たった今西のアルノイヤー川下流の河原で何者かが交戦中とのことですっ!』


『『「えっ……」』』


三人の声が同時に重なったのだった。



『…ちぃぃ…逃すかよっ!!』


鎖を構えた少年に素手の男が肉薄していた。


『オルァアアアアアアアッッッッ!!』


大きく振り上げた拳。

普通の人間の拳ならそのような大振りは当たりもしないはずだが…


『くっぬうううう…』


織は間一髪のところでかわす。


戦闘技、極臙きょくえん

今のタイエンはまさに人を超えた力と速さで動いている。


「バカ丸出しみたいな雄叫びなのにこの威力は異常ね…」


「織さん来ますっ!!」


即座に足を入れ替えて踏み込み直すタイエン。織はステッカに言われ後方に素早く跳んだ。


『かわしきれるわけ…ねぇだろっ!!』


タイエンは地面につく足に力を込めて、弾丸のように自らの身体を弾き飛ばす。

風を切るように織の元へと跳んでいく。


『…っ!ならば、ステッカ殿!お願い致す!』


「ハイッ!」


スッと織が手を前方にかざすと地面から、空間からと至る所から無数の鎖が飛び出して来た。

無造作に飛び出してきた鎖はやがて陣形を組むようにして突っ込んでくるタイエンを見事に絡めとった。


『バカな俺の動きを封じるだと!?ありえん!』


体制を整え攻撃のモーションに移る中で織の鎌…もとい、双子のスピリードで妹のステッカがどこか誇らしげな声を出した。


「無駄です。私の能力【鎖絞さこう】は

動きだけでなくいかなる魔術、スピリードの能力でも縛り抑えることができます。」


「なら、次は私の番かしら?」


その声が聞こえるやいなや、織は動きを封じられたタイエンに向かって両手の鎌を投げつけた。

タイエンに触れる直前、その鎌は2本から24肉を切り裂かんと降り注ぐ。


ガガガガガ、カカカカカッッッッッッ!


河原の砂利に金属が突き刺さり甲高い音が響き渡り、水面に波紋を立たせていた。


「すごい…か、鎌が増えたでござるよ!?』


投げた本人が驚いていると、姉のシールは淡々とだがどこか上ずった声で話し始めた。


「これが私の能力【鏡殖きょうしょく】よ。私は()。もちろん虚像ではなく実体。」


『ま、まさか忍者の分身の術でござるか!?…このようなところで見れるとは…ならば拙者自身も…』



「…それは無理に近いわね。』


驚く織を尻目にシールはそのまま続けた。


「私の実際に増やしているわけではないの。一時的にその物体のコピーを増殖させているだけ。鎖や刀なんかの小さく且つ、複雑じゃないものに限るのよ。」


『幻ではないが実体でも無い…うーむ、難しいでござるな。』


辺りには砂煙が舞い、タイエンの姿はいまだに見えていない。


「…それより、そろそろ構え直しなさいな。

あれしきの攻撃で倒したとは到底思えないわ。」


『勿論でござるよ。』


織も先程から砂塵の中を凝視して視線をそらさないでいた。

-だが-


『-いないっ!?これはあやつの…』


『…そう。俺の異端能力【転奏乱舞トランスビート】だ。』


『…なぁ……ぐふぉおっ…』


瞬間移動の力を使ってタイエンは織のすぐ横に現れ、すぐさま織の顔を殴打した。

鈍い音とともに織の身体は隣の河川に吹き飛んだ。

大きな水柱がそびえ立つ。


『うう…これは痛いでござるな。しかし、助かったでござるよ2人とも。』


川の中でなんと織は頬を抑えながら立ち上がる。

その隣には人の姿をしたシールが立っていた。


「気をつけなさいと言ったでしょう。奴はあの能力に加えて戦闘技も使う。気は抜けないのよ。」


そう言って元の鎌の姿に戻り織の手に収まる。


『……つくづく面目ござらん…』


織は少し項垂れてまたタイエンを見据え直した。


(確実に決まったと思ったが…まさかあのタイミングで鎌の方の女が人型に戻って鎖を用い、…さすがは元暗殺者と言ったところか…)


タイエンは冷静に先程の刹那の攻防を分析していた。


「だけど実際どうしようかしら…」


『と言うと?』


不思議そうに尋ねる織にシールは呆れ気味に言った。


「奴の異端能力も、戦闘技も現状止めるすべが無いってことよ。防御力が上がっているとはいえ、かすり傷1つないとなると…」


「私の鎖で縛られても…あの瞬間移動の能力は使えるってことだよね?」


『……なるほど。』


一通りの考察を終えたころ、織は思い切って水面をけり、タイエンに走りこんで行く。


『鎖鎌…はあまり慣れぬが…スキをついて小さく当てていくでござるよ!

はああっー』


織は駆け出しながら素早く鎌を投げつける。

今度は手に現れる限りの鎌を投げつけ始めた。


『ふん。この期に及んで数での勝負か…舐めるなぁぁ!』


叫んだその時タイエンの身体はその場から消える。

少しもせずに、姿を現し鎌が降り注がない穴場を器用にすり抜けていく。


『おおおおおおおおっっっ!!!』


それでも織は投げるのを辞めない。

川から上がった後も走って角度や距離を変えて投げつつげた。

鎌は分身を続け、辺りを埋め尽くすほどになっていたがタイエンもまたかわし続けた。


「いい加減にしなさい!悪手過ぎるわよ!

魔力の無駄使いでしかない!」


シールの言葉で始めて織は遠投をやめ、ズササアーと急ブレーキをかけた。


『よもや…この俺がただ投げられただけの鎌に当たると思ったのか?…見損なったぞ!

天秤番!!』


タイエンは怒号を張り上げ拳を前に突き出した。


『あの構えは…まさか!』


織はあの廃ビルで海へと沈められたタイエンのコンボの構えを織は自分の脳裏に焼き付けている。

タイエンの身体は先程とは比べものにならないほど赤く、いや、染まりその溢れるオーラは目に見えて炎のように放出されていた。


『【戦闘技・極臙せんとうぎ・きょくえん】-ッ!』


溢れる力を身体の…拳にさらに集中させていくタイエン。


「あの構えって…何か知ってるの?」


あわて気味に尋ねるシールに、織も興奮気味に答える。


『ああ。-あの戦闘技というもので高められた力を、拳に主にまとわせ高速剛強の突きを放つ技でござる。それにあのみなぎる力の波動…まともにくらっては終わりは確実でござる!!』


「そ、そんなぁっ!…何か、何か手はないんですか!?」


動揺するステッカ。しかし、織は意を決したようにそのステッカに口早に指令を出す。


『ステッカ殿…先程拙者が鎌を投げていた大体の範囲を覚えているでござるか?』


「えっ……?」


ステッカは意図が分からず困惑した様子で聞いている。織は構わず続けた。


『可能ならばその範囲を…。そしてシール殿は3。』


「「…ど、どういう意味なの?」」


それに対して織は少し恥ずかしそうに笑って答えた。


『いや何、拙者としたことがあまりにま奇想天外な状況に…なにより、鬼気迫る強敵を相手にして少々…。』


「「?????」」


『さぁ…終局でござるよ!』



(何か策があるのか?…いや…だが…奴は間違いなく俺の運命を決める男…何か…何かはあるのだ。おもしろい…ならば)


『その身にもう一度刻んで逝け!

戦闘技・極臙せんとうぎ・きょくえん紅閑道くれないかんどう】!!!』


赤い塊がその場から消えた。

残ったのはえぐられた地面と草花を薙ぎ倒さんばかりの強風。

タイエンは右拳を構えたまま初動で一気に距離を詰めた。


『お主はその技に絶対的な自信を持っている。…だからこそ消える身のこなしは使ってこぬと思っておったよ。』


『「「……えっ……」」』


織はなんとのだ。

その拳が織に遅いかかるまで数秒とない。

だがサムライはあえて背を向けたのだった。


『血迷ったか!万策尽きたかぁっ!そうだとしたらさらばだ我が強敵なる運命を定めし者よ!』


『血迷ってはおらぬし、……スゥゥ…瞬華愁刀流しゅんかしゅうとうりゅう夏型!』


織は身体をほんの左に少しずらして刀の刀身に触るように滑らかに、素早くタイエンの右拳を包むように持って-


矢車やぐるまぁぁぁぁぁぁあっ!』


力に任せて、タイエンがそのまま突っ込んできた方へと


『!!!!ば、バカな!バカな、バカなぁ!

俺の技が受け止められただと!?ありえん!

強化もしていない生身の身体で!』


自分の力で川の中へと吹き飛ばされたタイエンは起き上がるやいなや状況が理解できず激しく動揺していた。

すぐさま水しぶきを立てて織も入水し、タイエンの元へ走る。


『受け止めたのではござらんよ。のでござる。…まぁ本来の使い方とは少し違うでござるが。……ステッカ殿!』


「了解……です!!」


ジャラジャラララ…キリキリキリッッー


すぐさま川底や空間から鎖が這いよるように飛び出しあたりを囲い、いつぞや見せた鎖でできた特別なリングを作り出した。


『この、 …鎖の囲いは!』


『一つ…先程投げて分かったが…どうやらお主のその消える身のこなし…瞬間移動?はどうやらようでござるな?ちょうどこの鎖で囲った範囲ぐらいでござろう?』


『-ッ!気づいていたのか!!』


(なるほど…バカみたいにただ鎖を投げていたわけじゃなかったのね。)


両手に握られたシールは密かに感心する。


『だ、だが…それがどうしたこのような囲いすぐにまた転奏乱舞トランスビートで越えることなど…』


その言葉を遮るように織はすっと右手を横に広げた。

その間シールは鎖を駆け上がり、囲いの外に脱出する。


『待たせたで…ござるな。

瞬華愁刀流 夢幻-黍嵐きびあらし!!』


サムライは叫ぶとそのいつのまにか握られていたを水面へと突き立てた。

瞬間、空気や鎖、川の水が振動して風が起こりその風が水を巻き上げて鎖の囲いは水の囲いへと姿を変えた。


「待たせたでござるな…じゃないわよっ!

もっと早くそうしなさいよ!アタシのこと忘れてんじゃないわよ!…そ、それに…また新しい女なんか作って!」


久々に登場…活躍した織の持ち刀ファリアナは刀の姿なのにも関わらず飛びかからん勢いでまくしたてた。


『す、すまんでござる。ど、どうしてそんなに怒るのでござる?-はっ、拙者が不甲斐ない戦いをしていたからでござるか?』


しばらくファリアナは押し黙りまたモジモジしたように話し始めた。


「違くて…その…も、もちろん戦いもそうだけど不甲斐ないというか…だらしないというかあああっもうっ!さっさとケリつけなさい!」


『……だそうでござる。この範囲ならお主の瞬間移動にも対応できよう…たとえお主がこの囲いが切れるのを待つとしてもその前に拙者がお主を斬りふせる。…本領発揮のサムライを舐めるなでござる。』


冷静さを取り戻したタイエンは薄く笑うとまた構え直した。


『くっ…ははは…先程貴様は鎌を3本用意していたな。俺が迫る前にその鎌を投げ、その女を縛っていた魔術式を爆札とともに破ったというところか…。』


『ご明察でござる。』


(やはり貴様は面白いやつだ天秤番、雛方織。

だがお前は重大なことを見落としている。)


タイエンはちらっと水の檻を見渡した。


(俺が転奏乱舞トランスビートを使えないわけではない。周りが囲まれて動けないだと?フハハ一つだけあるではないか。)


実のところ戦闘技もスピリードと同様に魔力ではないにしろ身体への負担は大きい。

息は上がっていなかったがタイエン自身、戦闘技と異能を行使できるのはラスト1回ほどになっていた。


『行くぞ天秤番!ふっ-』


シュシュシュシュシュシュシュッッ


『!!』


「ここで飛び道具ですって!?」


なんとタイエンは腰からクナイのような刃物を取り外しこの局面で最後刃物を複数先程の織のように投げたのだった。

しかも-


『ぐっ…くあ…速いっ!』


戦闘技、超赤ちょうせき

極臙ほどではないにしろ元々ボロボロの織には効果は大きい。

織も限界を迎えようとしていたのだ。


『そらそらそらそらそらぁぁぁっ!!』


「アイツ一体何本隠しもってんのよ!」


乱撃を繰り出す中ファリアナは地面に突き刺したままなので織はその身体で無数の刃物を受け止めていた。


『ぐっ…はぁ、はぁ、はぁ…』


『………ここ!このタイミングだぁっ!』


『!!!!』


ようやく投げ終わったのかと思うとなんと、タイエンはその場で


そして上から織へと声をかけた。


『この檻から逃げられないだと?お前は重大なミスを犯したのだ!それは

貴様のスピリードの『波動』で覆っているのは側面のみ。こうして上に登れば逃れられる。

あとは貴様が自滅するか、瞬間移動で息の根を止めるか…どちらにせよ雛方織!貴様に未来はないのだぁああああっ!!』


勝ち誇った顔でタイエンはそう告げた。

かなりの高さはあったが超赤で強化された彼の脚力で越えることは造作もなかった。

だが天秤番雛方織は-


ため息をついた。


『…やれやれ…よ。だが珍しく拙者はどうやら賭けに勝ったようでござるな。』


『なんだと!?』


次の瞬間

轟音を立てて辺りを囲っていた水たちが落下を始め、空気振動も消え去り水の檻はいきなり瓦解したのだった。

残されたのはただ跳躍して空に浮かぶタイエンのみ。


『どういうことだ…自ら檻を解いたのか?

無駄だと悟ってか…いや、違うっ!』


タイエンは遠くからでも織の、サムライのその蒼く熱い眼差しをみて鳥肌を覚えた。

浮いていた水が雨のように降り注ぐ中で

すぐさま織はファリアナを…そのクレイモア状の大剣の刀身を

そして-


『加速と跳躍はお主だけの特権ではないぞ!

瞬華愁刀流 夏型-兜虫かぶとむしッ!』


後ろに回した刀身から残りのすべての力を注ぎ波動を起こした織。

そしてその反動を活かしてサムライは青空へと飛び立つ!


『おおおおおおおおっ!!!』


『な、な、な、なぁ…』


すさまじい脚力が仇となり織とファリアナの攻撃が鋭くタイエンの喉近くを捉えた。

夏型-兜虫。

本来は鞘で行う打撃技だが、今回織は刃ではななく持ち手の…日本刀で言うところかしらを用いたのだった。


『がぁっ…………』


咄嗟のことで避けきれず見事にヒット。

喉だったので声にもならない呻き声を上げてタイエンは撃ち落とされた鳥のようにゆっくりと川の中へと落ちていった。


「どうやら片付いたみたいね。やれやれ。」


「織さん…大丈夫ですか?…ホッ…大した怪我がなくてよかったぁ。」


一部始終をみとどけたシールとステッカがザブザブと織の方へと歩いてくる。


『お疲れ様でござる二人とも。本当に助かったでござるよ。』


織は少し疲れたような笑みを二人に向けた。

そして織の手から離れたファリアナは人の姿を取り、腕を組んでなかば睨みつけるような瞳で引きつった笑みを浮かべていた。


「どうやら世話になったみたいね。礼を言うは。でも…こうして私も戻ってきたし、あなたたちの出番は今後一切なさそうね。」


するとシールとステッカも同じような顔で答えた。


「いえいえ、そんな。ですがこの人には責任を取ってもらう男と女の約束がございますので…」


「そ…それに私達にしか…織さんをサポートできないこともあると思いますっ!」


一瞬にして凍る空気。

ファリアナは青筋をピクピクさせ、シールは冷ややかな視線をおくり、ステッカは顔を蒸気させたままなんとか視線をそらさないようにがんばっていた。


『お、お主ら…先程から何やってるんでござる?訳がわからず怖いでござるよ。は、ははは……』


織は訳もわからず苦笑するしかなかった。


なんとか場が落ち着いたのち、織はゆっくりとタイエンに近づいていった。


『さすがは頑丈でござるな。意識は…なんとかあるな。』


『ヒュー…ヒュー…ヒュー………』


『この世界にいるかは分からぬが…

カブトムシというのは見かけ以上に力持ちでな。相手を、容易く持ち上げ動きを封じ投げ飛ばす。この技も同じでその衝撃は全身を駆け抜け相手の動きを封じる。喉はもちろん身体を動かすこともできまい。』


そうして織は身を翻してその場を立ち去ろうとした。

その時、タイエンはなんとか腕を上げて何かを必死に伝えようとする。


それをファリアナは一瞥いちべつしていた。


「ねぇ、織。分からないけど…アイツのあれ、“殺せぇ!”とかそういうの言いたいんじゃない?…何というかアイツそういう感じの人でしょ?…ほっといていいの?」


ファリアナが気まずそうに声をかける中、織は少し止まったがまたゆっくり歩き出してこう言った。


『いいんでござるよ。たしかに色々はあったが結果皆無事でござる。それに“死人に口なし”とも言うし、声が出せぬタイエン殿は今は死人と同じでござるよ。』


そうしてサムライは陸へと上がった。


『さぁ戻ろう。…ソフィア殿のお説教が今は暗殺者なんぞより怖い…でござる。』


織はどこか青い顔をして城への道を3人とともにゆっくりと歩き出したのだった。

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愛刀を置いてきた!? ミナトマチ @kwt

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