18 告白するのにいちいち面倒くさい女騎士がかわいすぎる件
「――隊長!!」
結界を解除した僕が、隊長室のドアを開けると、荒らされた室内の壁際で、カレンさんが磔の状態で立っていました。
「う……ハ、ル……? ハル――なのか?」
意識が朦朧としているようです。外傷などはなさそうですが、毒などの可能性もありますし、そう簡単に判断はできません。
あのカレンさんが魔術師相手にまったく抵抗できないことを考えると、『魔眼』をすでに喰らっていると思われますし。
「やあ、少年――いや、ハル。また会えてうれしいよ。要求通り一人で来てくれたようだし――私の物になる決心はついた?」
その隣に居たブラックホーク用の支給品を装備した隊員の男の姿が、見る見るうちにその正体――『魔眼』のアンリさんと変化していきます。
目深にかぶったフードよりのぞいた妖しい紫の色の瞳――『魔眼』は相変わらずの威圧感を与えてくれます。
「約束なんか滅多にしない主義だけど、今回は特別。だって君は私のお気に入りだからね」
「そんな約束さっさと忘れてくれてよかったんですよ? というか、そんな約束なんか忘れてさっさと自分の家でのんびり暮らしていればいいのに」
「それも出来ない相談だよ。何せ、君を私自身だけのものにすることはすでに決定済みだからね」
「それが例え、どんな手段を使ったとしても――ですか?」
「そうだよ? 当たり前だろう?」
アンリさんは、そう言うと、手に持っていた剣を人質――カレンさんの首元へと持っていきました。
「私も初めのうちは苦労したんだよ? 君が私のことをぜ~んぶ話してくれたおかげで、ここにお邪魔してしばらくの間は、警戒が強くて、この私でも容易に手出しができなかった。特に、ハル――君の隣でいつもかいがいしく世話を焼いていたこの女騎士のせいで――ね!」
「うぐっ……!?」
刀身の腹でカレンさんの顔を打ち据えると、その打撃で、白かった肌が、その場所だけ激しく腫れあがりました。
「隊長!? このっ……隊長を放せッ!!」
「おっと――勝手に動くのは、良くないと思うなあ?」
二刀の剣を慎重に引き抜いた僕がアンリさんに飛びかかろうとした次の瞬間、アンリさんのもっていた剣の切っ先が、カレンさんの喉元に突き付けられました。
「剣の切っ先に強力な毒を仕込んだよ。魔法薬ではなく、いくつもの毒草や毒虫の体液を抽出して作った神経毒だ。これなら、どんな筋肉達磨の大男でも、ものの数秒で呼吸困難にし、死に至らしめることができる」
人質をとって、半強制的に自分の要求を突き通す――自分のことしか考えていない、身勝手な所業です。
これでは、僕も迂闊には動くことはできません。
「その物騒な武器を捨てて、私の近くに来なさい」
「ハ、ル――私のことは構わないから……早くその女を――がっ?!」
なんとか声を絞り出して必死に抵抗を見せるカレンさんに、アンリさんは自身の杖で更なる打撃を与えました。
このままでは、きっとカレンさんも限界を迎えてしまうかもしれない――。
「……あなたは少し黙っていてもらえるかしら? 今、ものすごうく大事なところなんだから」
「っ……! 僕がそっちに行けば、カレンさんを解放してくれるんですね?」
「もちろんよ、ハル。そもそも私の目的は君一人だけなんだから。あなたをものにしたら、こんな息苦しい地下室なんてさっさとおさらばよ」
「な、何をしているんだ……ハルっ。そんなことしたら君が――」
「いいんですよ、カレン隊長。振り回されるのは、馴れていますから」
言って、僕は自らの剣を、足元に音を立てないようゆっくりと置き、そして、そのままそれを跨いでアンリさんの近くへと歩み寄りました。
「ふふ、よく来たわ。いい子ね」
丸腰状態の僕へ、アンリさんは下唇を舐めずりしながら手を伸ばしてきました。
まるで血が通っていないかと錯覚するほどの白く冷たい手が、僕の頬や唇、そして顎を丁寧に、その質感を堪能するかのようにじっくりと撫でていきました。
「ふうん、初めて見た時から思ってたけど、綺麗な肌してるわね。まるで女の子みたいにすべすべ」
「……よく言われます」
「褒め言葉よ? 私の傍に置くんだから、綺麗なのにこしたことはないから――さ、無駄話はこの辺にしておきましょうか。私はこれでも忙しい身だからね」
会話を打ち切ったアンリさんの目が、瞬間、魔力の秘められた自身の『魔眼』を発動させました。
「さあハル、あの時し損なった命令を再度かけ直すわ――【ハル、私のかわいい
鋭い犬歯がのぞく口元をにやりとさせ、呪詛のように、僕に対してそう念じてきました。ただの暗示魔法のはずなのに、ビリビリと魔力の波動が部屋中を細かく震えさせていました。
武器を持たず、体の状態も本調子とは程遠い――普段の僕とはあまりにもかけ離れたポンコツの僕ですから、ただその波動を受けるだけでも、どうにかなってしまいそうでした。
――まあ、今のハルには、今しがたかけたアンリさんの魔法は、すべて無効なのですが。
「ふふっ……」
「!?」
抵抗できないはずのハルが笑うのを見たアンリさんの表情が驚愕に歪みました。
入念に下準備をし、魔法反射など、戦況をまるごとひっくり返されるようなスキルを使わせないため人質までとった――それなのに、効いていない。
「なぜ効かないのかわからない――そういう顔を、して――いらっしゃいますわね?」
「は――?」
突如少女の声に変調したハルの口調に、アンリさんは一瞬思考が止まり。
そして、すべてに気づいた瞬間、僕の拳が、アンリさんの鳩尾――体の構造上、魔力を全身に送り出すための急所を的確に撃ち抜いていました。
「そこにいるハルは僕じゃないので、命令しても、効くわけがない――そうですよね?」
「は、ル……」
「僕はあなたのものには、なりません。僕はいつだって、カレンさんのものですから」
「私は、ぜ……あき……い……」
アンリさんも、もしもの時を考え、魔法衣に幾重にも
とりあえず、これにて決着でした。
「……終わりましたの?」
変化の魔法が解け、もとの金髪を取り戻したマルベリが、恐る恐る気絶したアンリさんに手を伸ばし、頬をつんつんとしていました。
「完全に意識を飛ばしたから二日ぐらいは放っておいても起きないよ。とりあえず、アンリさんの身柄をすぐに総隊長へ。僕もすぐに隊長と一緒に行くから」
「わかりましたわ、それじゃあ、カレン隊長のことよろしくお願いしますわね?」
言って、マルベリは僕へウインクを投げてから、アンリさんを担いで部屋を先に出ていきました。
これで、ようやく二人きりです。
「隊長、大丈夫ですか?」
僕がカレンさんの拘束を解くと、力が抜けたのか、カレンさんはそのまま崩れ落ちるように座り込みました。
「ハル――すごいな。お前が、まさか自分の剣に『化けていた』なんて思わなかったよ」
「ええ、物凄く大変でしたよ。それこそマドレーヌさんの力も借りて、ようやくあそこまでもっていきましたからね」
変化の魔法を変えること自体は難しくありませんが、自身の体を、別の人間ではなく全く別の物質へと姿形を変えるのは至難の業だったりします。簡単に見破られないよう隠密や幻惑の魔法を複合させていますし、また、その状態を維持するのも魔力を消費します。
僕と姿格好が似ていて、普段の僕の話し方などを熟知しているマルベリが僕に変化し、そして魔眼を使うほんの一瞬の隙をついて、僕が全力をもって敵を仕留める――それこそ、マドレーヌさんの考えた即席の『策』でした。
ちなみに、そのマドレーヌさんは、アンリさんにばれないための魔術を施した際に魔力をすべて使い果たし、今は医務室で爆睡中でした。
僕、マルベリ、そしてマドレーヌさん。
その三人が協力し、そして掴んだ勝利でした。
でも、僕にはもう一つだけやることが残っていました。
「隊長、いえ、カレンさん」
僕は、カレンさんの前で、初めてそう口にします。敵の倒し方は若干卑怯かもしれませんが、それでも、囚われの姫を助けた戦士に変わりはありません。
ですから、もう一度告白ぐらいしたってかまわないですよね。
「好きです。カレンさん、僕の恋人になってください」
意を決して、発した僕の三度目の告白に、カレンさんの瞳が見開かれました。
が、すぐに目を伏せて溜息でそれに応じたのでした。
「……懲りないな、お前も。なら、何度でも言ってやるが、私はお前とは付き合えない、一度した決断を覆すなど騎士としてあってはならないこと――」
「嫌です」
「え?」
僕の言葉に、カレンさんと僕との間に流れる空気が固まりました。
どうやら、あまりにも僕が子供みたいなことを言ったのが、意外だったようです。
「……ハル、あのな」
「だから、嫌です。僕はカレンさんのことを忘れるなんて無理だし、言い訳だって聞きたくないです」
「言い訳って――意味がわからないぞ。私はちゃんと考えた上でハルに返事をしたじゃないか」
「そうじゃありませんよ。僕が聞きたいのは、カレンさんが僕のことを本当はどう思っているかです」
ずい、と僕はカレンさんの眼前に顔を近づけ、
「カレンさんは、僕のこと――好きですか?」
「す、す……!? お、おま、いきなりこんなこところで何を――」
カレンさんが反射的に避けようとしますが、僕はそんなことお構いなしに、さらにカレンさんのほうへ体を寄せました。
「さっきから聞いてたら、カレンさんはずっと『お父さんを裏切れない』とかそんなことばっかり言って、ちっとも僕のこと『好き』か『嫌い』か、言ってくれていないじゃないですか」
「あぅ……そ、それは、だって」
「だって、じゃありません。そうやって、いつもカレンさんは逃げてばっかりですから。今回ばかりは、ちゃんと言ってくれるまで逃がしませんから」
「ひぅ!?」
後ずさるカレンさんを部屋の隅にまで追い込んだ僕は、そのままカレンさんが逃げないよう、両腕で壁に手をついて囲みました(最近、こういうの王都ではやっているみたいです。『壁ドン』、とかいうらしい)。
「それで、どうなんですかカレンさん。僕のこと好きなんですか? 嫌いなんですか? どうなんですか??」
僕は一切視線を外さず、カレンさんの顔を見つめます。
すでに目の焦点が微妙に合わないほど慌てていて、顔も、耳どころか、首元ぐらいまでその紅潮が進行しているほど火照っているようでした。
「あの、えっと、その……」
「さあ、カレンさん。さあ!」
「あぅぅ……お前、後で絶対に覚えておけよっ……!」
きちんと答えるまで逃げられないことを肌で感じたのか、カレンさんは、しどろもどろになりながらも、少しづつ僕の方へ目線をあわせていき、そして、
「……き、です」
「え? なんですって? 聞こえなかったので、もう一度言ってください」
「だ、だからっ、す……だって」
「今度は尻つぼみでした。ほら、たった二文字なんですから、きっちり答えて――」
「好きですう! 私、カレンは私より一回り以上も年下のハルのことが好きになってしまったんですううう!!」
カレンさんがやけっぱちになってそう答えました。
腹から大声を出したせいか、地下全体にエコーがかかるほどに『好き』が響きわたっていきました。多分ですが――今の告白、城全体に聞こえてしまっているのではないでしょうか。
「そりゃあ、気になるに決まってるじゃないかっ!? 出会った初っ端から『好きだって言ってきたり、その後だってあれだけわかりやすい好意寄せられたら、だんだんに気になって、そのうちお前のことしか考えられなくなって――って、自然とそうなるじゃないかっ。こちとら二十九年モノの純潔なんだぞっ、お前みたいにかわいい顔した奴に迫られたら、そりゃあ、いつのまにか本気にもなるよっ!」
一度は押しとどめた感情が溢れてしまえば、すべてを出し切ってしまうまでは止まらないでしょう。
だからこそ、僕は、カレンさんの本当の気持ちに、じっと耳を傾けました。
「だからその――お父さんから『ハルがお前と正式に交際したいそうだ』って話聞いたときは、ものすごく嬉しかった。ショタコンだなんだって言われるのはそりゃあ気にはしたけど、でもそんなの些細なことだった。他の女なんかにやるもんか、ハルは私の、私だけのハルなんだって。明らかに公私混同だった時期もあったと思う」
僕との関係が噂になった頃の話です。そう考えると、アンリさんに僕が攫われそうになった時は、それはもう気が気でなかったのでしょう。つい僕にべったりになってしまう気持ち、とても分かります。僕もそうですから。
「二回目にお前振った後、もう自分の中ぐちゃぐちゃだったよ――お父さんはハルのことをまるで冷血動物みたいに見て『あんな得体の知れない奴と交際などしたら勘当だ』なんて言ってくるし、もうどうしようもなくなって結局は色々理由を並べ立ててお前を振ったけど、結局は未練たらたらだった。……どうだ、幻滅しただろう? 近衛騎士団では史上初の最年少での女性管理職になったのに、新人隊員との恋が上手くいかなかっただけですぐにボロボロになる私のことを」
僕はカレンさんの話に、無言で首を振りました。
そんなことはありえないからです。むしろそんなカレンさんだからこそ、僕はかわいいと思ったし、これほどまでに好きになったのですから。
「ハル、もう一度聞かせてくれ――私のこと、好きか?」
「はい」
即答で僕は答えました。もう迷うことなど、何一つありません。
「お前なら、三十という大台に片足突っ込んでる私なんかよりも、もっとずっと若くて、可愛らしくて、撥水性の高いハリのある肌をもった女の子と付き合えるんだぞ。それでも私を選ぶのか?」
「ええ」
「大人なのにめっちゃ大人気ないぞ? お前が他の女の子と仲良くしてるだけで、私はすぐに不機嫌になるぞ? すぐに死ねとかいっちゃうぞ?」
「いいですよ?」
「……私と付き合うと言う事は、結婚を前提に付き合うってことだぞ? いいか、結婚だぞ? 家庭をもつんだぞ? これから遊びたい盛りを迎えるお前を『家庭』という鎖で縛るんだぞ? それでもいいのか?」
「はい、もちろん」
「これだけあれやこれやと質問して、予防線を張って――わかっただろう? 私は、本当に面倒くさい女なんだぞ? それでも――それでもお前は、私と恋人になりたい、って、そう――思うか?」
「はい。カレンさん――大好きです」
何度聞かれても同じです。でも、僕は何度だって同じように答えてあげます。
カレンさんが満足するまで、何度でも。
そして、その時はついにやってきました。
「――なら……その、よろしくお願い、します……」
「え?」
一瞬何のことかわからず、僕は思わずカレンさんにそう訊き返しました。
「えうっ……だから、あのその……不束者ですが、よろしくお願いしますというかなんというか……」
「――つまり、それは『OK』ってこと……?」
「う、ん……」
羞恥で僕の顔を見れないのでしょう――カレンさんは、緊張と興奮で体を震わせながら、ゆっくりと、でもしっかりと首を縦に振ったのでした。
「じゃあ、ひとまずはみんなのところへ行きましょうか?」
「……そうだな」
僕が手を差し伸べると、カレンさんは迷うことなく指をからめて来ました。
ブラックホーク隊長を務める『難攻不落の女騎士』、『鉄壁の女帝』――そんな異名も持っていた女騎士カレンさんが、新人の僕の攻めに、ついに陥落した瞬間でした。
× × ×
「はあ……」
ブラックホークの詰め所を出、二人手をつないだままゆっくりと階段を昇っていると、僕の耳元に、そんなカレンさんの溜息が聞こえてきました。
「どうしたんですか、カレンさん? さっきまで天にも昇るような幸せ顔だったのに」
「う……いや、そのちょっと現実に引き戻されてな……これからどうしたもんかな、と思ってさ。これからの生活のこととか」
さすがカレンさん、すでに気分はこれからの日常に思いを馳せているようです。
ただ、溜息の様子から、顔は浮かないご様子です。いったい何を懸念しているのでしょうか。
「だって……お前の告白を受け入れる、ということはつまり、お父さんとの約束を反故にするということなんだぞ? ということは騎士団にはいられないじゃないか――でも、まあ、おまえとだったらいいかな? とも思うが」
「ん? カレンさん何を言っているんですか? 騎士団を辞める? そんなのダメに決まっているじゃないですか」
「え?」
「え?」
どうやら、お互いの考えに齟齬があるようです。しかも、カレンさん――とんでもないことを想像しているようで。
「ちが、うのか? その、私……てっきりこのまま、その……お前と」
「……駆け落ち、ですか?」
「……(コクリ)」
やはりそう来ましたか。いや、そう考える気持ちもわかります。普通ここまで気持ちが盛り上がってしまったら、周囲の影響とか、反対とかそんなの全部振り切って世界の果てまで逃避行――! な気分になるのも。
でも、僕はちょっと違うことを考えていました。
「ち、ちがうの、か……?」
「えっと、そうですね……違います」
「――――」
――ボカッ!
「痛い!? ちょ、カレンさんいきなり拳骨はやめてくれませんか? これでも結構、
「う、うるさい馬鹿っ! わ、私はそうなるもんだと思ってたんだぞ!? 騎士を辞めた後の当面の生活は、私の貯金でなんとかなるかな、とか、王国領を出て、誰も知らないところで小さなパン屋さんを夫婦で営むのもいいな、とか――返せ! そんなありきたりな恋愛小説のエンディングを、本当に実現しようとした私の純情を返せ!」
すっかり現実に引き戻されたカレンさんが、僕の頭を『バカバカ』と、ぽかぽか――いや、ボカボカドスドスとやってきます。あの、これ以上は本当にやめてください。頭の形が変わってしまいます。
「カレンさん、それじゃあ聞きますけど、お義父さんと本当に喧嘩別れしてもいいんですか? 駆け落ちしたら、多分二人の性格的に一生会う事はなくなっちゃいますよ?」
「う――それは、確かに嫌だが……じゃあどうすればいいんだ? お前と、お父さんと、私はどちらを――」
「――両方選べばいいんじゃないですか?」
「え――?」
僕の言葉に、カレンさんはきょとん、とした顔になりました。
わかりにくかったみたいなので、もう少し詳しく説明します。
「諦める必要なんかないんですよ。今の地位も、仕事も、そして恋も――全部選んじゃえばいい」
「か、簡単に言うな! お父さんの頑固ジジイぶり、お前も十分知っているだろう。ハンマー振り下ろしても絶対にかち割れないぞアレは」
カレンさんの言う通りです。カレンさんですら、たった一言『好き』だと言わせるのに苦労したのです。その親であるガーレスさんを翻意させるのは、相当難しいに決まっています。
でも、多分ですが、一つだけ――少々強引で汚いのですが――。
「あの、カレンさん。そこで、折り入ってお願いがあるんですが――」
「!! お前、それ――」
僕が懐よりのぞかせた一通の書面。そこに書かれている内容は――。
「隊長――僕、騎士を辞めようと思います」
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