第2話

「あっ!朝の先生…。」

「すいません。…亜紀早く行くよ!」

莉奈は急いで私のセーラーの袖を引っ張る。

莉奈は4組だから私の教室より遠い。


ガラガラガラ。

入って行くと、みんなが教卓の前に貼ってあるクラス発表の紙に群がっていた。

私に気づいた七海は、見えるようにちょっと寄ってくれた。

あっ、3の2か。

莉奈何組だろうな。

そんなことを思っていると、前の担任の久保先生がきた。

久保先生は私たちに座るように言う。

「みなさんおはようございます。

今から始業式だから、服装を整えて、体育館に移動!」

それだけを言って急いでどこかへ行った。


体育館に行く途中、莉奈と目が合う。口パクで何組か聞きあう。

「莉奈何組?」

「私は、2組だよ。」

「マジで!?一緒だよ!」

興奮してたら、前にいた大きな背中にぶつかった。

「すいません!」

慌てて大きな声で謝ると、ふっ。と笑った声が聞こえてきた。

見上げると、朝の先生だった。

「おまえまじで元気すぎな。名前覚えたから。覚悟しとけよ。」

って私の名札を指差しながら、笑って足早に体育館に消えた。覚悟って何?そんなことを思いながら、体育館シューズに履き替えた。

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