行間 1

 確かに僕はいけすかないとかずっと昔から言われてるから、今ではどう言われようと、どうでもいいと思ってる。

 一つの物事に対して、どれだけの集中力を持てているのかは僕自身でも考えたことが無い。

 その力に与えたのが芸術だった。


 小さい頃から、英才教育とかそう言った類いのものはなく、ただひたすら書いていたような気がする。小さい頃からとはいっても、俺が覚えてる限りの小さい頃で保育園に入る前ぐらいで、その時にはもう筆を握っていたような気がする。


 それが僕の間違いだったのかもしれない。間違いは人によってそれぞれだ。間違いだと思っていたことが、違う人から見れば間違っている事ではないのかもしれない。

 いつからか、それが当たり前ではなくなってしまった家族。


 あぁ、嫌いだ。

 こんな思いをするんだったら、筆を折ってしまえばいいんだ。

 そうすれば、ここに居やすくなるかもしれない。


 あんな奴らを家族だなんて思いたくない。

 ただの私怨でしかないけど、そういう気持ちにさせる奴らだ。


 身をより合わせるような存在は友人だけでいい。


 このふわふわした落ち着かない気持ちをどう落ち着かせればいいんだろうか。

 

 変わることが怖いのかもしれない。


 そして、どうしてもどうしても、頭から離れてくれない言葉。それは。


 ────こんな子を産んだのが間違いだったわ。

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