第17話アフタヌーンティー
さて、帰るとしようかな。
立ち上がって立ち去ろうとすると呼び止められた、総務の小娘に。
「ま、待って下さい!理由をお聞かせ下さい」
総務の小娘アリシアは顔を真っ赤にしながら、握った手が震えていた。
「給料が安すぎて話に成らん。それと力仕事はゴメンだ」
自分は健康で文化的な最低限度以上の生活がしたいんだ、月50
「貴様、私を舐めているのか?平民風情が図に乗りおって!先程感銘を受けたと言ったではないか?」
総務の小娘アリシアは猫を被っていたのか口調が変わっていた、これだから女ってやつは信用成らん、それに少々怖い。
「先程のローストビーフは旨かった、感銘を受けた是非毎日食べたい。後ごみ捨て何て嫌だ」
自分はドアに手をかける、逃げるが勝ちださっさと撤退しよう。
だがガシッと肩を掴まれた
「貴様、昨日の今日でそう易々と辞めれると思ったか?私と誓約したではないか」
総務のアリシアはキレていた、彼女は貴族だ貴族はメンツを潰されたらおしまいな生き物である。
誓約書にサインし1日案内したにも関わらず辞める何て言ったら、彼女のメンツは丸潰れだろうからな。
「まあ、まあまあまあまあ。落ち着いてアリシアさん、兄が失礼しました。」
知った顔の男、弟がアリシアをなだめる。
弟に促せれて椅子に座らせられる、これはもしや圧迫面接というやつではないか?
クソっ今日は厄日だ、今頃ダンジョンでは昼休み中なのに。
「はっ!マクシミリアン様」
アリシアは弟に敬礼していた、どうやらここは頭のおかしい人間が多いらしい。
「兄さん
弟が外行きの口調に成っているのが気になるところではあるがまあいいか、促せれるように椅子に着席する。
「ところで
コーヒーを飲まないで会話する連中だ、一応聞いておくか、茶請けは期待できそうに無さそうだな…。
「アリシア君、頼めるかね?」
清掃部長殿は経理の小娘に
アリシアは茶を淹れに去っていった。
「私も忙しい身でね、さっさと現場で仕事をしたくてね、1杯飲んだら行くとしよう」
ここの国民は仕事前に
「子細の事はマクシミリアン殿に委任しているから頼んだよ、アリシアを付けるので委細の事は彼女に聞いておくように」
部長殿はそわそわしながら時折懐中時計を眺めていた。
程なくして
茶請けにバタークッキーが置いてある。
部長殿はカップに並々と注がれた
深皿は猫舌な人間か急いでる人達用であった
その間数十秒で
去り際にアリシアに命令していたようだ。
部長殿の居ない部屋で自分は優雅にアフタヌーンティーを洒落込むとした。
まずは話し合いの前に双方の意思疎通を計ることが重要であった。
自分が理解している事は他人も理解して居るに違いないと、行動するダンジョン労働者は多いからだ。
「弟よ、取り急ぎして欲しい事を3点紙に書いてくれ、俺も書いて渡そう」
そう言って紙を渡した、まずは自分が知りたいのは報酬だ、次に情報、後は戦力と言った所か。
自分が大まかに知りたいことは以下だろう、
①報酬や待遇の確認
②現在の状況の確認
③ダンジョンに潜る戦力の掌握
そして弟がして欲しい事は
①'支援兵器の受領
②'命名権の受領
③'支援金の受領
弟曰わく①と③の詳細はアリシアに委任しているから省くとして、②の現在の状況を教えて貰った。
現在は即席のパーティーを組んでいて深層に潜っている状況であり、目的の場所までの最短ルートのマッピングをしている所である。
ただし今回の依頼の肝で有る部分の問題が、弟1人だけでは対処できないので、実家に泣き付き自分に白羽の矢が立ったらしい。
それは
「ダンジョンの冒険者は最後に必ず裏切る」
要するに最後の最後で裏切る仲間の抹殺が、今回の自分の仕事であった。
「それじゃあ兄さん、僕はダンジョンに潜るので、解らないことが有ったらアリシアさんに聞いて下さい」
弟の慣れない外行きの会話には慣れないが、最後にひとつだけ聞きたいことが有ったのだ、なぜ…
「なぜお前はそこまでしてダンジョンに潜りたがるんだ?」
弟曰わくそれは
「それがダンジョン国教会の総意だからさ。兄さん」
弟の発言に思わず目眩がした。
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