第16話職場案内
上下黒色のジャケットにパンツとベストと黒の革靴、薄い黒色シャツを着込めば舐められはしないだろう、仕方ない酒場に行くか。
ツカツカと酒場に行くここで待たせた。など言っては成らない、相手は格下の小娘で気遣いは不要だ。
黙って席に座りウェイターを呼ぶ。
「コーヒーを2つ持って来い」
「わたしにはカプチーノをください。」
思わず呆然として口がポカーンと半開きになってしまった、この小娘は話し合いでカプチーノを飲むつもりなのか?
「それで先程の続きなのですが出向の際の手続きの為ここに
しかも驚いた事に、コーヒーを飲まずに話をし始めだした。
程なくしてコーヒーがやってくると、この小娘はコーヒーを飲みながら話を進めて居るではないか…これには流石にビビった。
この小娘はただ者じゃないと、コーヒーを飲みながら話を進める奴は初めて見た。
「・・・以上となります。解りましたでしょうか?確認後に同意の
話しの内容は1mmも理解していないが、この女がただ者では無いことは解った。
この総務の女覚えておこう。
自分は全ての書類に
「それで、この後はどうするんだ…ですか?総務の小娘…殿」
自分はこの後の工程を質問した、面倒は嫌いだサッサと終わらせたい。
「この後は室内のご案内と、職場説明等を予定しています、それと
名前持ち、どうやら貴族のようだ。
部屋を案内された1kの何も無いし、鍵も無い部屋だな以上。
その後この職場案内をする、清掃部の主な仕事はごみ捨てと街の清掃だった。
この国は金が有り余るように成ってからは、美化や対面等を気にし出して、街を綺麗にする事が定まっている、美化景観法というやつでそれには人も含まれる。
景観を損なう見苦しい人間が居た場合即罰金である。
「こちらがごみ捨てをする作業風景でございます」
その光景は一言で言うなら蟻の行列であり、ピラミッドの石材を運ぶ奴隷の様であった。
しかしながら皆煌々とした表情をし活気に満ち溢れていた。
ごみ捨て事業は国策事業の1つでもあった、ダンジョンという無限に処理できるごみ処理場が有るため、他国からごみを受け入れているのだ。
ダンジョンにごみを放置するだけで、勝手にごみが消えるのである。
続いてダンジョン上層部に入る。上層部は全て国が使用しており、セキュリティ面でも多少は安全だった。
「続いて汚水排水処理の作業風景でございます」
汚水排水の為の吸引ホースがそこら中に敷いてあり、時折帝国製のバキュームカーが通っていく。
普通ダンジョンに物を放置すると消化されてしまうのだが、ダンジョンに汚水を撒く行為はダンジョンにも受けいれられて居るので、汚水排水処理システムは機能していられる。
所謂共存関係というやつだろうか?
不思議と汚臭が無い。臭うと言うことは微生物が発酵する香りなのだが、ダンジョン内部では微生物すら消化されてしまうのだろう。
「いかがでございましょうか?素晴らしい職場ですよね!皆誇りを持って勤めています、この後は事務所にて清掃部長との面会が残っています」
案内人の総務の小娘ことアリシアは嬉々として語っている。
「その前に昼食が食べたいのだが?」
総務の小娘は解りました、調整しますと言って連絡していた。
昼食は割と豪華であった。色々な料理が取り
このローストビーフとポークのグレイビーソース掛けは最高だ、山盛りにしよう。
山盛りのローストビーフを食べ終わると、直ぐに面会時間が来た・・・。昼休みは無いのであろうか?
事務所に付くと総務の小娘が、ドアをノックし入る。
「部長ただいま戻りました」
室内には何人かおり、その中に見知った顔もあった。
自分は適当な空いている席に座ると口を開いた。
「大変素晴らしい職場でした、感銘も覚えました、しかしながら自分には荷が重いようです。本日限りで退職致します」
自分が口を開いた途端に総務の小娘は、口を半開きにしポカーンとしていた。
確かに感銘を受けた、あのローストビーフは良いものだ、是非毎日食いたい。
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