第24話 ウギの新しい剣造り!

 しばしライラ―さんの案内にあわせて馬を走らせるとヴィエンヌの街中のわりと大きな店に着いた。結構な立派な門構えを抜けて店の正面玄関に馬車をまわす。玄関前で手綱を引き絞って馬を止めると店の中から人が出てくるのが見えた。初老のなかなかダンディーな装いの親爺おやじさんである。

「おおっ、ライラーか、久しぶりではないか。元気にしておったか? おう、メイラーはどうしておるのじゃ?」

 初老の親爺おやじさんは出会い頭に矢継ぎ早に質問を投げてきた、なんだなんだ?

「お父さんたら、もう今日はお嬢様の用事で此処ここに来たんだからそんな話しは後で――そう、此方こちらが依頼主のラリー様とウギ様よ」

 そう言ってライラーさんが俺達を紹介してくれた。が、お父さんっていま言っていたよね?

「そうじゃった、お客さんをないがしろにしては商人の名折れじゃ、これはすまなんだの。わしはジャンじゃよ、此処ここ、『刀剣神楽とうけんかぐら』の店主じゃよ」

 そう名乗りながら俺に手を差し出してきた、分厚い手に幾つものタコが出来ていてまさに職人の手だった。

 俺はその手を取って握手をしながら自己紹介を始めた。

「お初にお目に掛かります。俺はラリー・M・ウッドと申します、こちらはウギ・シャットン嬢です」

「ほほ~う、此は可愛いお嬢さんだのぉ――おじじと握手してくれぬかのぉ」

 そう言いながらジャン爺さんは俺の手をササッと振りほどいてウギの方に向き直っていった。

わらわと握手か? 良いぞのぉ」

 そう言ってウギは右手を差し出してきた、その右手をジャン爺さんはゆっくりとした動作で握りしめると二カッと笑いながらウギに語りかけてきた。

「ほう、なかなかの手練れのようであるの若くしてその腕前か――よかろう魔剣を所望じゃろう、わしが創ってしんぜようぞ、美人剣士さんの所望の品を」

 んっ! ウギの手のひらの感触だけで其処まで読めるのか? この爺さんもただ者では無さそうだ。しかしさっきはライラーさんとは……お父さんっ!

「ライラーさん、さっきジャンさんをお父さんって呼んでましたよね?」

「んっ! そうよ――私のお父さんなの、まあメイラーの叔父さん……と言うよりは亡くなった父さん代わりかな?」

 なるほどそう言うことですか、それで二人で朝方に駆けつけてきてくれたんだ。何となく納得している俺だった。

「ところで親爺おやじ殿、そろそろわらわの手を離してはくれないかのぅ」

 ぼそっとそんなことをウギが言ってきてみんながその手を見た。確かに未だにウギの手を握っていた、しかも両手でウギの手を包んでは撫でまわしている。

「あっ! お父さんたらっ! またっ! 若いを見るとすぐそうなんだから、ウギ様が嫌がっているじゃないの! 離しなさい!」

「そんなに言わんでも良かろうが――減るもんでも無いじゃろうに」

「増えても困るでのうぉ、親爺おやじ殿」

 ウギがそう返すとジャン爺さんはニカッと笑いながら大仰おおぎょうな言い方でウギをめ称えた。

「カカカっお嬢さん、気に入ったぞ――最高だのう、最高には最高の仕事で応えねばのぅ」

「そうなのかわらわは別に普通なのじゃぞ――めても何もでないぞ親爺おやじ殿」

 そう言いながらもジャン爺さんは一向にウギの手を離す気はなさそうだった。

 痺れを切らしたライラ―さんが強引にジャン爺さんの手を引っ張ってウギの手から引き剥がした。

「ほらっ! お父さん――って、いい加減にせんかこのエロ親父っ!」

 と、ライラ―さんが吠えた!

「まったく、純朴なラリー様の爪の垢でも煎じて飲ませたろうか!」

 って、ライラ―さんすみませんが其れはめ言葉になってないから、俺にとって。

 そんな戯言たわごとを繰り返しながら何となく此処のことがわかってきた。

「ライラ―さんすみませんが、仕事の件をそろそろ相談させて頂いても良いでしょうか?」

 頃合いと見計らって俺は話しを進めてみた。

「御免なさいね、こんなお父さんですが武具作りの腕は本物ですから――って、言っても安心出来ませんよね、はぁ~っ」

 そう言いつつライラ―さんはうんざりした様に大きく溜息をついた。


 俺は持ってきたレッドグリズリーの身体の素材をジャン爺さんに見せた。

 骨の部分は勿論のこと毛皮や爪に至るまで使える素材は全て持ってきていた。

「どうですか、の骨で魔力を蓄えることが出来る剣を是非とも創って頂きたい」

 ジャン爺さんは持ち込んだ全ての骨を手に取って隅から隅まで舐める様に一頻ひとしきり観察すると大きく頷いて俺に約束してくれた。

「うん、よか素材じゃよ――これならそのお嬢さんの期待にそえるひと振りが出来る」

 そう言ってくれた事でウギが喜んでジャン爺さんに抱きついていった。

「そうか、親爺おやじ殿。わらわは嬉しいぞ」

わしも――役得で嬉しいぞ!」

 抱きつかれたジャン爺さんも目尻を目一杯下げたまなこでウギに頬擦りしてきた。

「お父さんっ!」

 ライラ―さんは目尻を吊り上げて怒りの表情でジャン爺さんを睨んでいた。

 剣の制作の為にウギの腕から足の長さそして首までのたけを採寸して身体に見合った長さの一品を創ることにして貰った。其処そこにウギから思わぬ追加要望が入った。

わらわはちと試してみたかったことがあるのじゃが良いかのぉ?」

「ん? 何を?」

 俺はウギの意図が見えず首を傾げながらその先の話を促した。

 その問いにはウギは言葉で答えずに店先にある適当な剣を二振り持ち出した。そうして両手でそれぞれを構えると二刀の剣で俺に斬りかかってきた。

「なっ! ウギってば何を――っ、は~ぁん、なるほどそういうこと」

 俺はおもむろに腰の剣を引き抜いてウギの剣筋を受けた。と、同時にその場にあった剣を一振り頂戴してウギの二の太刀を押さえる。

 ウギがしたかったのは二刀流だった、その剣筋の速さと巧みさは俺でも舌を巻いた。

 しかも店先にある適当な剣と言ってもそれぞれが大きく重い剣の為、片手での取り回しには少し無理があった。これが二刀流に最適な長さと重さの剣だったら――俺は背筋にスッと寒気が走るのを覚えた。

「ほほう、ウギさんとやら――お嬢さん呼ばわりは失礼だったのぅ、貴殿はいずれ剣聖になるのぉ。ご要望の筋しかとわしが見極めた、その二刀流の二振りうけたまわったぞ」

 そう力強くジャン爺さんはウギに応えたんだった。

 それから、ライラ―さんの要望の包丁の件と毛皮からウギやサギ、マギの防護の装備礼装を造る事を相談した。

 三人の装備礼装についてはそれぞれ身体に合わせて造る為に採寸が必要になったが、ウギの採寸をしようと巻き尺を手に取ってウギに近づくジャン爺さんの前に両手を広げて立ちはだかったのはライラ―さんだった。

「こらっ! エロ親父っ! 女のの採寸は男の仕事では無いでしょ! ウギ様がわからないと思って――調子こいてんじゃないよ!」

 ライラ―さんの啖呵たんかは臆するところがないだけに聞いていて気持ちが良かった。て言うかジャン爺さんは――其処までっ?

「スケベっ!」

 ウギの短いひと言がジャン爺さんに引導を渡すことになった。その場で爺さんは回れ右にて仕事場に帰っていった。


 ウギの採寸はライラ―さんとお店の従業員のお姉さんが更衣室で行ってくれた。ウギは寂しいから俺についてきてくれる様に言ってきたがその言葉に目を剥くライラ―さんを制して俺はウギに教育的指導をしておいた。まあ、ウギの其れも半分は俺をからかう冗談のつもりだったとは思うが……。

 後からライラ―さんに聞いた話しだが採寸は三十カ所ほど測ったらしい、其処まで緻密に造る事に俺は驚いていたが――出来上がりが楽しみになってきた。

 そんな事で喜んでいるとライラ―さんがぼそっと俺の耳元でつぶやいた。

「ウギ様って――凄いんですね~ぇ」

 俺はおもわず聞き返した。

「えっ! 何がですか?」

 その問いにライラ―さんはほんのり頬を朱に染めて――『F……いやGカップですね』其れだけ言うとササッと俺の前から姿を消した。

 なっ! ウギ~っ成長したんだぁ――俺はおもわずそうつぶやいていた。


 レッドグリズリーの骨を使った包丁作りの方はライラ―さんの要望が主なので俺達はそばで単なる傍観者として話しを聞いていた。

「だからお父さん、いいこと魔獣の肉でも野獣の肉でも肉は肉なのっ! 其れで魔獣は魔力でその肉に呪術がかれていることが問題なのよ――惹かれ合うなら阻害すればいいの、ねっ」

 一生懸命ライラ―さんがジャン爺さんに説明しているが武具でないことからいまいちピンときていないようだった。

「剣と包丁とどう違うんだ?」

 ジャン爺さんの疑問はごもっともなことで其れを上手うまく説明出来ないと期待の切れ味は望むべくもないだろう。

 俺も一緒になって考えていた。剣は生を死に換える為の道具、では包丁はと……死は既知のものとなっている状態でその後に食されるという昇華の概念がある。其れは供養という名の下で魂の浄化という宗教感をもたらすがそう言う意味で包丁の役割としては浄化の補助をする道具としての役割を与えておきたいと思うが如何いかがだろうか。

 そんな事を天井を見つめながらぼそぼそと独り言をつぶやいているとライラ―さんがいきなり此方の方に向き直って俺に問うてきた。

「ラリー様はどう思いますか?」

 唐突な無茶ぶりに俺は目が点になっていながらも何とかライラ―さんに応える。

「どうって、う~ん」

 思わずその場でうなってしまった。

 さっきまで頭で考えていた事柄を一気に整理する。つまり包丁に求める心は食べる人達に美味しいと思わせる料理を創るおもてなしの気持ちのはずだ。それから考えると――しなやかさか?

「しなやかな切れ味って言うのはどうですか?」

 俺はそんなまとめを話してみた。

「其れですわ! お父さん、しなやかな切れ味の包丁を是非ぜひ!」

 ライラ―さんは勢い込んでジャン爺さんに迫ると彼の手を両手で掴んだ。

「お父さん、お願いね!」

「――う~ん、わかった」

 その勢いに押されてか……ジャン爺さんは思わずうなずいてしまった様だった

 ライラ―さんは満足げにその場を離れるとウギの方に近づいて楽しげに話しをし始めていた。

 その場に残されたジャン爺さんと俺は思わずふたりで顔を見合わせて眉にしわを寄せながらお互いの胸中を察する様にハモった。

「『つかれた』」


 ひととおり店での用事を済ませた俺達はライラ―さんの好意で奥座敷に通された。

 其処そこは武具屋の一室と言うよりは料亭? といった風情のちょっとしゃれたおもむきの茶室であった。

「ライラ―さん、此処ここは?」

「……んっ、あ、此処ね――私の趣味の部屋とでも言うのか私の手料理を振る舞う所かな、ちょっと座って待っていて下さいね」

 そう言ってライラ―さんはそそくさとその場を後にして更に奥の方にひとり向かっていった。

 しばらくするとお盆に茶杯ちゃはいを三つと少し大きめのふた付きのうつわを載せて此方こちらに戻ってきた。

「ラリー様、ウギ様――どうぞ召し上がって下さい」

 そう言ってライラ―さんは俺達の前にお茶と器を置いた。

 俺は器のふたを取って中身を見た。其処そこには甘い薫りを漂わせる黒くて艶やかなぷるんっとしたものが入っていた、それをさじですくって口に運ぶ。

 ひとくち頬張ると舌の全体に甘い刺激が伝わってくる、其れが何とも言えない幸せな気持ちをもたらしてくる。

「おいしい~っ」

 隣でウギがとろけたようなウルウルとした目をしてモグモグと頬張っていた。

 一頻ひとしき咀嚼そしゃくをするとお茶をすすって残味と共に飲み込んだ。

「ふ~う、おいしいです、何ですかこれは?」

 俺はライラ―さんに思わず聞いた。

「名もない自家製のお菓子ですよ、気に入って頂けましたか?」

「それはもう――持って帰りたいぐらいです」

「あらっ、うれしいお言葉ですわ」

 ライラ―さんはそう言ってニコニコと微笑みを返してくれた。

「それじゃあ、帰りにサギ様達へのお土産としてお持ち致しますわね」

「それはとても有り難いです」

 そう俺はライラ―さんにお礼を言って頭を下げた。

「いやですわ、ラリー様そんなに鯱張しゃちほこばっては、此処はお城では無いですから」

 そんな風にライラ―さんは声を掛けてくれたが何から何まで御世話になりっぱなしの俺としては恐縮至極の立場でいた。

 しばしそんな風にライラ―さんと美味しいお菓子を頂きながら歓談をしていた。


 お店の奥座敷でライラ―さんのお手製のお菓子を頂きながら取り留めも無い話しに花を咲かせていると部屋の扉を叩く音がした。

「来たようですね」

 ライラ―さんがそう言いながら立ち上がると、扉の方におもむいて来訪者を出迎えた。

 扉を開けるとお店の従業員らしい人が紫色の布で包まれた細長いものを持ってきていた、それをライラーさんは受け取るとウギの前にその布で覆われた物を置いてから話し出した。

「ウギ様、ご要望の二振の剣の内の小剣になります。まだ影打ちなので違和感があれば真打ちと交換を後日致します」

 そう言ってライラーさんは被せてあった布を剥いだ。其処には確かに今までのウギの剣と比べると二回りほど短めの剣が置かれていた。

「さっき渡した大厄災魔獸の骨からもう削りだしたんですか? あまりに速い仕事なので――驚きました」

 確かに骨の一部であることはその剣を見れば一目で解った。しかしながらとても人間業とは思えない早さだ。

「うちの職人には人外もおりますので、その点は企業秘密と言うことでご勘弁下さい」

 そう言ってライラーさんは剣をウギに渡す、その剣は普通よく見る剣とは大きくおもむきが違っていた。まず裸剣ではなく剣専用の入れ物に収まっているたしかに剣を入れる筒の様な物を持っている剣もあるにはあるが汎用性の高い入れ物が主流で此程までに剣と一体感のある入れ物の側の筒を見たことがなかった、そしてその剣の最大の特徴は片刃であった事だ。

 俺達が目にする剣というものはみなやや太めの根元からスーッと剣先まで細くなりつつ真っ直ぐに伸びていっているのが普通だった、そうして尖った剣先の両側に刃がついている。是は剣術が相手を突いて突き刺す事を主流にしていたから剣も突き刺しやすい様に出来ていた。

 つまり剣の構造は持ち手のところ以外は全て刃面に繋がっている面を持っていてそれを両腕で振り回す事にあわせていたが、此の剣はそうでは無かった。

「是は――また不思議な形をしているのぅ。剣の巾は剣先以外は根元から同じ巾であるし、しかも片刃で全体に緩やかだが曲がっている――っているでのぉ」

 ウギも頂いたばかりの剣を目の前に高々と持ち上げ手首を返してくるくると片刃を右左に回してみながらまぶしげに見つめていた、そして時々左手だけで握ってその剣の振り加減を味わっていた。

 俺は剣の収まっていた入れ物を手に取ってみていた、ちょうど剣が中にすっぽり入る様に筒の様な形をしているが剣のりにあわせて此方も湾曲していた、此の入れ物自身も骨から出来ていた。

「ライラ―さん此の剣は初めて目にする形ですね、凄く特徴的で――うつくしい!」

 俺は素直に感想を述べた。

わらわもそう思うぞ――むちゃくちゃ気に入ったぞ」

 ウギも満足そうな笑顔でまだジーッと掲げた剣を見つめていた。

 と、此の剣を持ってきてくれた彼がライラ―さんの傍らに進み出て話しをし始めた。

「此の剣は私たちの工房で新しく出来たデザインを具現化してみたものなのです、デザイン名は『かたな』と呼んでおります。ウギ様お気に召しましたでしょうか?」

「うん、ました~ました――すっごくいいぞ、手にしっくりくるのぉ」

「そうですかそれはよろしゅうございました、……あっ、ラリー様その刀の入れ物の方は『さや』と呼んでおります」

 俺がさやなるものを先程からずっと眺めているので彼は俺の疑問に先回りして答えてくれた。

 しかし、この鞘自身も魔力を発するつえの代わりにもなることが出来そうだったのには驚いた。

「ラリー様、やはりお気付きでしたかかたなだけではなくさやの方も大厄災魔獸の骨から創りましたので魔術の放術杖としての役目を果たせます」

 やはりそうであったか、彼の言葉を聞きながら俺は大きく頷いていた。

 ウギは俺から鞘を受け取ると刀をその中に納めた。手の握りの部分の上についている円盤状の留め具が鞘との境界線になるデザインだったその留め具の造形も凝っていたし握りの部分については革が糸巻きの様に巻いてありウギの名が浮き出る様なデザインを持っていた。

「その握りの上の円盤状の物は『つば』、握りの部分は『つか』と私たちは呼んでおります」

 俺とウギはその刀や鞘、そして鍔、柄……すべての部品の名称を心に刻む様にまじまじと見つめ直していた。

 ウギは刀を鞘に収める時のカァチンというさめた響きの音がとても気に入った様で何度も出し入れを繰り返しながらその音に聞き惚れていた。

「ウギ様、本日はその小刀――小太刀こたちを納めさせて頂きます、どうぞお持ち帰りになって頂き魔力の『気』をその中に入れ込んでみて下さいとの刀匠とうしょうからの伝言です。其れと大きい方の剣――私らは太刀たちと呼んでおりますが、そちらの方は後日お納めさせて頂きたいと思います」

『気』を刀に入れ込む、彼の言葉はまさに俺達の感慨を呼び起こすが如く心に染みいった。

 その出来映えはまさに一級品、いや特級品であることは誰の目にも確かな事であった、しかもこの様な短時間で――人外の刀職人――刀匠とうしょう、その言葉は俺の中でその後もずっと気になる相手となった。


 ライラ―さんと『刀剣神楽』の彼から刀の教授をその後も受けて俺もウギもすっかり『刀』なる物の魅力に取り憑かれていた、是も呪術のひとつであろうか? そんな事を思いつつ俺達は『刀剣神楽』の店を後にしてヴィエンヌ城へ戻った。


 ヴィエンヌ城までの帰り、馬車の御者台の上でウギは先程受け取った小太刀こたちを愛おしそうにその豊満な胸の間に抱き締めてそのつかに頬をすり寄せていた、それも満面の笑顔で。

「うふふっ――嬉しいぞのぅ」

 ウギの喜びようといったら、迷い子が泣き疲れた後にやっと母親に会えたときのようだった。

「ウギ~っ、嬉しいのはわかるがあまり小太刀こたちに掏り掏りしていると顔がなくなるぞ」

「えっ、そうなのか? か、顔がなっ……無くなるのは困るぞのぉ」

 そう言いながら真っ赤にした可愛い顔を小太刀こたちから離した。

 まあ、冗談だがそんな言葉にさえ純朴に反応するウギが愛おしく思えて思わず笑みが溢れる。

「あっ、ラリー笑ったであろう――顔が減るのは嘘であろうぞぉ」

 ぷ~っと頬を膨らまして口を突き出しながらそっぽを向くウギが其処にいた。

「まあ、そうだな――わりいわりい」

 俺も悪かったと手綱を左手に持ち替えて空いた右手でウギの頭を撫でながら素直に謝った。

「謝るなら許すぞのぅ」

 まだ少し頬を膨らましていたがウギはそう言って俺の方を見た。

「まあ、よいのじゃ――ラリーのお陰でこの様な素晴らしい『かたな』を手にすることが出来たのだからのぅ」

 そんな言葉で照れながらも俺にお礼を言ってきた。

「あらあら、ウギ様もラリー様も――私がいる目の前でそんなにイチャイチャされてはメイラーに言いつけますよ」

 俺もライラ―さんが左隣に座っていた事を失念していた。でも、なんでここでメイラーさんがでてくるんだっ?

「ライラ―様――っ、相変わらずニブチンですわね」

 おいおいライラ―さんまで俺をニブチンって……言いましたね。

「ラリー様は本当に――鈍い方って言う事ですよ。メイラーが可哀想に思えてきました」

 そう言って溜息をつきながらライラ―さんは肩を落とした。

 そんなやり取りをしている間に馬車はヴィエンヌ城に着いた。

「ラリー様、ウギ様――お帰りなさいませ、お疲れ様です」

 そう言ってヴィエンヌ城で最初に出迎えてくれたのは誰あろう、メイラーさんだった。

「おっ――おかえ……じゃなくてただいまです」

 俺はメイラーさんの顔を見た瞬間、顔が熱くなって目を逸らした。

「あら~っ……ふふ~んっ」

 そんな俺の様子をライラ―さんは見逃すはずもなかった。

「ラリーさま――おおあとが宜しいようですね」

 そう言ってライラ―さんが俺の横っ腹を指で突いてきた。そんな彼女を俺は半眼で睨み付けながらひとこと言っておいた。

「この事はどうかご内密に――ライラ―さん」

 どうにもこの人は苦手だ!


 馬車を借りた所に戻そうとしたらメイラーさんが其れを制して他の使用人の人を呼んでいた。その人に手綱を託して俺は馬車から降りた。ウギとライラ―さんは先に降りていた。

「ラリー様――『刀剣神楽とうけんかぐら』の方ではご無礼は無かったですか? 叔父が失礼を致したなら私からも言い聞かせますのでご容赦下さい」

 メイラーさんがいつものように話しの展開に妙に先回りしてそんな事を言ってくる。本当に気配りの利くだと思った。

「そんな事は無かったですからメイラーさん、とても良くして頂いて感謝しているとお伝え下さい」

「そうよ、私が一緒に行ったんだから――メイラー! 悪いことになるわけ無いじゃ無いの」

 ライラ―さんもさっきのメイラーさんの言葉には納得いかない様で即座に突っかかっていた。

「ライラ―が一緒だから――よけいでしょ」

 メイラーさんも腰に両手を当てて顔を突き出しながらライラ―さんに食って掛かっていった。

「なにゅを~っ」

 ライラ―さんもその言葉には不服とばかりにメイラーの方に顔を突き出だしながらばくしようとした。

 二人の顔はもう唇がくっつきそうなくらいまで近づいている。そんな様子を見て俺の天然娘はひと言その場を霧散させる言葉を吐いた。

「二人とも女同士のキスをするのかのぅ――ふふふっ」

「『――なっ! わけあるか~ぁ』」

 ふたりの叫ぶ声が綺麗にハモったよ、でもまあこれでこの場は何とか収まってくれたんだから……あっ、でもその後はメイラーさんがウギに暴言を吐いてしまったと額が地面に着くんじゃないかと思うほどの平謝りしていたのは可哀想だったね。まったくウギに取ってメイラーさんの事はとっくに友達扱いでそれぐらいのことは何とも感じていないのにね……。

 俺達はメイラーさんとライラ―さんに其れまでの対応のお礼をしてその場を離れて部屋に戻ることにした。

「なあ、ラリー? わらわのこの小太刀こたちにどの様にして魔力の『気』を溜めればよいのじゃ?」

「そうだなぁ~、多分あれか? ちょっと貸してみて、それを」

 そう言って俺はウギから小太刀こたちを借りて目の前に掲げてみた。

 骨と言っても大厄災魔獸の其れをどの様にして鍛えたのか――その小太刀こたち玉鋼たまはがね色の黒光りを輝かせていた。その刀に魔力のにじみは感じられなかった。俺は其れを横殴りに振り抜いてみる――その瞬間刀の刃先に魔力の残像が出現した。

これだねウギ」

 そう言ってウギの目の前でもう一振りして見せた。

 ウギは目を見張らんとして見つめていたが――天を仰いで溜息を付いた。

「ラリーの今見せた『気』は覇気の銀色であろうのぅ。わらわの闘気は赤じゃからのぉ……ちょっと寂しいの~ぅ」

 そんな弱気でひとりしょげ返るウギの顔色は暗かった。まったく喜怒哀楽の激しいだねぇ。さっきまでの元気は何処に行った?

 そんなウギの頭に俺は手を乗せていつものようにウギを撫でていた。そうするとウギは落ち着いた顔にすぐ戻る。

「ウギっ! しょげることは無いぞ『闘気』だって簡単じゃないだろう。真紅の気が小太刀から滲み出るのも――きれいだと思うよ」

 まあ、魔獸がらみの魔力の事はマギに聞いてみるのが一番だろう、そう思ってウギに話を切り出した。


 ひとまず二人してマギのところに行くことにした。ウギの手に持っている小太刀こたちの事での相談にだ。

 マギの部屋の前でウギが扉を軽くノックして中に声を掛けた。

「ウギであるぞ、ラリーも一緒なのだが……這入っても良いかのぅ?」

「……どうぞ~ぉ」

 ひと呼吸遅れて部屋の中からマギの声が返ってくる。

 ウギが扉を開けて中に這入った、俺もその後に続く。その時マギは部屋の中でちょうど椅子に腰掛けてお茶を楽しんでいたところだった。

「あら~っ、二人して気難しい顔をして這入ってきたわね」

 マギは口に運んでいた茶碗をテーブルの上に置きながらそう言ってきた。気難しい顔だって、俺達の顔がそんな風に見えるのか?

 茶碗を置いてマギは俺達の方に向き直りながらスッと立ち上がると部屋の隅の茶器の方に向かいながら訊ねてきた。

「二人ともお茶でいいわよね」

 そう言いって、マギはお茶を入れた器を二つお盆に載せて戻ってくる。

「あら、二人とも何を突っ立っているのかしら――さあ椅子に座ったら?」

 マギに促されて俺とウギはマギが座っていた場所の両隣に座った。マギがそのテーブルの上に新しく入れたお茶を置いて元の席に座った。

「ふたりして私を訪ねてくるなんて珍しいわよね、何かしらワクワクしちゃうわ」

 マギがにこやかに笑いかけながらそう話し出してきた。

 其れに応じてウギが早速さっそく口を開く。

「マギに教えて貰いたい事があって訊ねたのじゃ、時間取って申し訳ないぞのぅ、でもわらわが聞けるのはお主しかおらんと思うてのぉ、たのむ!」

 そう言いながらウギは頭を下げてマギに頼んだ――て、何を頼むのかまだ言っていないぞ、順序が違うだろうが? ウギっん。

 そう思ったが此処はまず二人のやり取りに任せる事にしていたので口を挟むのはやめておいたよ。案の定マギは疑問符を頭の上に一杯載せているような顔をして小首を傾げながらウギを見ていた。

「まあ、何だかわからないけどウギの頼みを断る訳が無いじゃ無い――水くさいわね~ぇ、良いわよ教えて上げるわ」

 えっ、何の質問か聞かずに良いのか? 即決で了承して、マギさん? 俺は心の中で思わず叫んでいたあえて声には出さなかった……が。

「あら、ラリー酷いわね。私がそんな意地悪な女に見えて?」

「あっ、マギっ――いま俺の心を読んだなっ」

「だってラリーったらウギの事を心配しすぎて自分の心に鍵をかけ忘れているでしょう。だから気持ちがダダ漏れだわ~ぁん――気をつけなさいね」

 マギがそんな事を言って俺に忠告してきた。以後、マギの前では気を付けようとその場で肝に銘じた。

「まあ、そんな事はどうでも良いから、ウギの質問ね? で、何かな?」

 そう言ってウギに話しを振るとウギは大事に抱えていた小太刀こたちさやごとテーブルの上に置いて相談を始めた。

「此に魔力を――わらわの『気』を入れ込む方法を教えて欲しいのじゃ。この刀は今さっきわらわの為に大厄災魔獣の骨から作って貰った物なのじゃ」

 そう言いながらウギはマギの目の前にその小太刀こたちをゆっくりと押し出した。

 マギは目の前に押し出されたその小太刀こたちをジッと見つめていた。そうしておもむろに小太刀こたちを手にとってさやから抜き出して目の前にかざしてみる。

「大厄災魔獣の骨から剣を造るって言うのは――ラリーのアイデアね」

「そうじゃ、ラリーがわらわに教えてたもうたことじゃ、其れがどうかしたのかのぅ」

「ううん、たいしたことでは無いわ、ちょっと聞いてみただけよ」

 そう言ってマギは俺の方をチラッと横目で見た。その眼は何やら言いたげな目付きをしていたが……俺と目が合うとフッと視線を逸らしてウギの方に向き直った。

「そうね、魔獣の骨だから魔力を受け取る力はあるわよね、でもひとつ先に言っておくわ。どんなことでもメリットとデメリットが必ずあるのウギの魔力を補うことは此の方法で可能よ、でもね其れに伴うリスクが必ずあるの其れを乗り越えることが出来なければめた方が身の為よ」

 マギが真剣な顔つきでウギに其れを問うた。

 確かに魔力を蓄える魔道具は世の中に存在するそれらの力は何らかの魔術を放出する事に役立つが其れをおのれの力とする場合、時として代償を伴うこともある。例えば己の命を代償として悪魔との契約を結ぶことになるとか……だ。

「それは――どんなことなのじゃ? わらわみさおはラリーのものと決まっておるぞ、それ以外にわらわに捧げるものはないぞのぉ」

 ウギはテーブルの上に頭をコツンと乗せるとうずくまって小声でうめく様に言った。

 いやいやウギそう言うたぐいのことでは無いし、俺とそんな……決まっていないってば……たぶん。傍らで唖然とした顔をしていながらマギもクスクスと笑い出した。

「ウギってば――バカね。ラリーにみさおを立てるのは良いけど――此奴こいつは最低のニブチンよ、いいの其れで? それに、まあ今回はその手の代償では無いから心配しないで」

「そうかそれならわらわは何でもいいのじゃ――のぉラリーいつ初夜を迎えようかのぅ?」

「――おいウギっ! 何でそう言う話しに進みたがる?」

 俺は此処で初めて言葉を挟んでいった。しかしウギの事だ、わかっているのかいないのか?

「ラリーはわらわを抱くと言ったでは無いかのぉ――あれは確かラリーと初めて出会った時の事であるぞ――え~っと」

「ウギっ! もう良いから話しを元に戻してくれ!」

 俺はおもわずウギの顔を両手で挟んで顔を近づけながら怒鳴った。

「おやおや、ラリーてば何をそんなに焦っているのかしら、冗談に決まっているでしょ~ねぇ、ウギっ! まあ、ウギの話しも面白そうだけどひとまずはその小太刀こたちの件に戻しましょうか」

 傍らでクスクス笑っていたマギがそう言ってくれたお陰で取り敢えず本筋に話しは戻って行く事が出来た。


 マギは小太刀こたちへのウギの『気』の入れ込み方について話しをしはじめた。

「まずは第一にウギがこの小太刀こたちに魂の一部を預け入れて貴女あなたの忠僕とする事ねその為の儀式があるのよ、いいことウギ?」

 なんだなんだ? そんな儀式は今まで聞いたことがないぞ第一、道具に……かたなに魂を入れ込むって言ったって? 思わず俺はマギに問うていた。

「マギ、ウギの魂の一部ってどういう事だ? そこまでして本当に大丈夫なのか?」

「あらあら、保護者がしゃしゃり出てきてはいけませんわよ。ラリーはおとなしくそこで見てることウギの事は任せておいてね。決して悪い様にはしないから、いいっ!」

「……っ」

 マギのそんな言葉に唇を噛みしめて苦虫を潰したような顔をしていただろう、その時俺は。

「ふふん~っ、ウギを心配するのはしょうがないけどそんな顔をするのはどうかしらね? まあ少しは可愛そうだから教えてあげるわ――いい、魂を入れ込むって言ったって特別なことをするわけではないわ、そうねその物への愛着のあかしとでも言う事かしら」

 そう言いながらマギは俺の顔を舌なめずりするように間近まで寄ってきた、と――俺の唇にマギは自分の唇をいきなり重ねてきた。

 俺は思わず身をすくめて体を引いてその契りから逃げようとするが……マギそんな俺の動きを制したうえで俺の唇を軽く噛んできた、噛まれた俺の唇が切れて薄っすらと血がにじんでくる。その滲んだ血をマギは人差し指ですくい取った。

「この血は今回の儀式の立会人のあかしとしてもらうわね、いいわよねラリーっ」

「……えっ――ああ、任せる」

 此処まで来たらもうマギがしたい様にさせるしかなかった。マギがウギの事を悪い様にしないと言った言葉を信じるしかないだろう。

 俺の態度が割り切った覚悟になった事を感じてかマギはニッコリと微笑みながら俺に言い返してきた。

「そうよ、この場はこのお姉さんに任せないさい」


 マギは人差し指についた俺の血を小太刀こたちつかこすり付ける。

「さあウギ、今度は貴女あなたの番よ――小太刀こたちの刃で指の腹を軽く切って貴女あなたの血を塗り込むのわかった?」

 ウギにそう言ってマギが小太刀こたちを手渡した。

「刃にわらわの血を――か、わかったのじゃ」

 ウギが言われた様に刃に人差し指を軽く当ててその指の腹を軽く斬って血をぬぐった。

 そうして小太刀こたちをマギに返し、その前にひざまずいて頭を垂れた。

「はい出来ましたわねっと、じゃあとは、っと……こっちで念じるの――えぃ!」

 マギが小太刀こたちかざして何らかの呪文を念じ始めた。そうしてその刀のつかをウギの頭の上に乗せた。

 小太刀こたちつかが真紅に輝き始める。

「――小太刀こたちの精霊よ、なんじの気の元と契りし血の通いに応えたまえ――っ!」

 マギの呪文の念が終端を迎えた。つかの輝きもゆっくりと収束して元に戻った。

「ふ~ぅ、終わったわよ」

「マギ――有り難うなのじゃ」

 そう言いながらウギはマギから小太刀こたちを受け取った。

「ウギ、あとは其れに『気』を念じて入れ込めば魔力をその小太刀こたちに蓄えておけるわよ」

 マギは大きく深呼吸をして自分の座っていた椅子にどんと身を投げる様にして座って目を閉じた。とっ――す~す~とした寝息が聞こえてきた。彼女はまさに寝始めていたのだった。

「マギっ、おい」

 俺はマギに声を掛けたが彼女に附いた睡魔はそんな物じゃ去ってくれそうも無かったね。

 マギは疲れた様に寝入っている。そんな安らかな寝顔を見ていると先ほどマギにかけていた俺の疑いがあまりにも陳腐ですまなかったと謝りたい気持ちで一杯になった。

「マギごめんな、それとありがとう」

 そう良いながらマギに向かって頭を低くしてお辞儀をした。

 俺達はひとまずマギの入れてくれていたお茶を飲みながら彼女が目を覚ますのを待った。そんな時間の中で俺はウギに聞いてみた。

「マギの術はどう感じた?」

「ん~っ、そうであるのぅ――なんて言うかのぉ」

 小首を傾げながらウギが言葉を選んでいるかうまい言葉が出てこない様だった。

「なんだか小さきもの達がわしゃわしゃ刀にくっついてくる感じであったぞ――ん~ぅ」

 ウギは感想を言ったはいいがいまいちまとを得ていないようでまだ言葉を探していた。

「こう言っては何なんだがのぅ――ちっと、ぇろかっ――た? かな?」

「はっ?」

 ウギの言葉は何とも答えようも無い単語に変わっていたので俺は目が点になったまま固まっていた。

「えろぃ?」

 そう聞き返した俺に顔を赤らめながらウギがうなずく、そうしてもじもじと両足の太股を擦り合わせながら椅子に座っていた。

 と、ウギがおもむろに立ち上がったかと思うと俺の膝の上に座ってきた。

「おい、ウギっ! 何をしているんだ?」

 思わずウギの肩を掴みながらそう言った。その問いにはウギは答えず俺に背を向けながら肩を掴んでいた俺の手を取って彼女の腰回りに抱きつく様に引きつける。

「ラリー、このままギュッとしてくれないかのぅ――躰が熱いのじゃ」

 えっ? 何でと思いながらもウギの望み通りに後ろから彼女を抱き締めた。

「ん~っ――うっ」

 ウギが目を閉じてその躰を硬直させながら軽く呻く(うめ)様に鼻を鳴らして俺の膝の上で悶えた。

 と、ハッとした様に目を開けて俺の方を見た。

「ラリーっ? わらわは何をしていたのじゃ?」

 そう言いつつ彼女の腰に回していた俺の手を撥ね除けて膝の上から跳ねる様に飛び降りた。俺は唯々その様子を眺めているしか無かったが……。

「ウギ?」

 俺は彼女の名を呼んで問いかけた。

「ラリー、今のことは忘れてくれないかの~ぅ」

 ウギはうつむきながら照れくさそうに俺にそう言ってきた。

「……わ、わかったよウギ」

 取り敢えずそう答えるしか無かった。

 その言葉を聞くか聞かないかのうちにウギは小太刀こたちを手に取ると逃げる様に部屋から飛び出していった。

 その横ではマギが気持ちよさそうにすぅすぅと寝息を立てながら椅子に座ったままで眠っていた。


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