新生チームラリー
第17話 新生チームラリーの初仕事の朝!
マギが加わった新生チームラリーの初仕事はヴィエンヌ城下の巡回警備だった。まあ、その前にマギの参加による新生チームラリーについては聖都テポルトリでの今後の事も考えてニコラス師団長には話しを通しておいた、先日のウギの件と合わせて宮廷魔術師団への入隊申請のお願いである。まあ、マギの魔族の件は話しが面倒になりそうなので伏せておいてマギにはニコラス師団長との面通しの際、銀眼色の眼の色を魔術で一時的に変えて貰った。結果から言うとそんな事をしなくても師団長とはいえマギのサキュバスの色魔効果ですっかり骨抜きにされていた様だが――ニコラス師団長から後で俺は散々マギを近衛師団に是非欲しいとか、師団長の秘書官にどうだと言われて
もうひとつ、ヴァルの魔力念波が何故にマギに聞こえていたのかを解明しなければならなかったが、
そんな訳でヴァルと会話が出来るのは俺の他にマギもっと言う事になった。将来的にはサギやウギにも教えられるかも知れないという事だったが其れは本人達の魔術の上達状況に拠るところであろう。
俺達はマギが現れた翌日にニコラス師団長以下の先発部隊の帰還を見送った後、怪我人等の養生ついででヴィエンヌ城に
「ねえっラリー、ヴィエンヌ城下の巡回警備は良いとして何でご令嬢まで一緒にいなければならないのかしら? 何かおかしくありませんか」
サギが早々に憤慨しながらこの任務に疑問符を投げかけてきた。と言うより
「其れがなぁ、伯爵様から直々の依頼って言う事らしい」
俺はお城の管理部門からの依頼の内容をそのまま皆に受け渡した。
「其れって単にリアーナお嬢様が裏で手を回しているだけじゃ無いかしら?」
サギはそんな事を惜しげも無く言い切っている。まあ、正解だと思うが。あっ、そうそう先日のサギの告白劇からサギの態度と発言骨子は一皮剥けたというか軽快になったというかまあ頼もしくなったって事だった。
「そうね、サギの言う事は
マギが姉さんの発言をしてくれている。
「……そうですけど――でも、絶対にリアーナお嬢様はラリー目当てですから」
サギもそう簡単には引き下がらなかった。
「サギ? あなたラリーを信じ切れないのかしら?」
「そ、そんな事は無いですけれど……でもっ」
「じゃ良いじゃない――ねっ、ラリーもそうでしょう」
マギは俺を巻き込んで話しをつけるつもりらしい。此処はマギに載ってやるのが得策か。
「――ん、俺か……俺もマギの言う通りだと思うよ。俺達は任務を遂行するだけだ」
「ほら~ねぇ、サギはもう少し自分に自信を持ったら」
マギの押しにはサギも
「
「あ~ぁ、ウギって単純で良いわね~っ」
サギもウギの言い分に
「サギは真面目すぎるのじゃぞ、いざとなったらラリーを抱えて逃げるが勝ちじゃ」
「おっ、ウギそれは良いわね~っ、その意見に載ったわ――その時はヴァルがラリーを乗せて先に行っちゃって、
サギがウギの発案に同意してきてさらに落ちまで用意し始めた。おいおい、俺達の任務は
「お前ら~ねぇ……」
「『ラリー! うるさい!』」
皆、揃って俺をハブってきた。負けそう~っ! って言うか完全に俺、負けてるわ。
サギとウギが顔を突き合わせて相談を始めた。ああだのこうだの傍から見てるとなんか楽しそうにやっている。
マギが俺の傍らにきて二人のやり取りを
「二人ともこう言うことだと息ピッタリなのね」
俺もマギの顔を見ながら二人して苦笑していた。
そんなこんなで迎えた巡回警備当日の朝の事。
サギはウギと二人で既にヴィエンヌ城から
俺はマギに二人の行き先を知っているか尋ねにマギの部屋に出向いた。
「マギっ? サギとウギは? 今日は巡回警備の日だろう。何処に行ったか知ってるか?」
「あら、二人とも既に出かけましてよ。日も昇らぬうちに二人でいそいそと城を後にしていきましたわ、
「あっ、そうなの?」
マギの回答に俺は少し驚いていた。こんなに早く二人とも何処に行ったんだ? マギにも内緒って? 其の問いの答えはもう少し後で知る事になる。
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