01本目 人属は魔獣の領域で
王国暦1,001年、アラオザル大森林にて―――
闇のとばりに包まれた大森林で、一つの炎が燃え盛っていた。
それを囲む四人の男―――片手剣と小盾を持った男ケルン。槍を担いだ長身の男ロン。斧を背負い大盾を持った大柄な男ダルクス。
各々武装し、動きやすさを重視した部分鎧を身にまとう彼ら。服装や装備に統一感はないが、唯一共通した〝ワシの羽筆を模った徽章〟を身に着けている。
「〝大森林上に現れた巨大な炎〟……本当にそんなモン居るんかね?」
焚火の炎で槍の口金を確認しながら、長身の
それに応じたのは、焚火に追加の小枝を放り込んだ
「さぁなぁ。新種なのか、それとも魔獣の攻撃なのか。見間違いじゃないんなら、相当にヤバイんだろうな」
「ああ。だからもし何か見つけても迂闊に手を出すな。まずは観察、それか即座に逃亡だ」
二人の会話に割り込んできたのは、小盾の持ち手を確認していた
「とはいえ、
「先だって調査に向かった
「だろ? 内乱さえなかったら
ここはアラオザル大森林。ヒトではなく、魔獣たちの領域だ。
「まあまあ。王国も本腰入れて討伐隊を出しましたし、内乱もこれで終わるでしょう」
それを窘めたのは長衣をまとった
見た目の若さからは結び付かないほど落ち着いた
「―――でも諦めるって選択肢もあるはずでしょ。見間違いの可能性だって小さくはない。なのに、内乱を警戒して都市防衛に張り付けてた俺たち
それは槍士の依頼への不誠実の現れではない、と
「……知ってるか? 【大魔帝国】」
「え? そりゃ一般的な知識ぐらいは。我らが【王国】が興る前にこの大陸全土を統一して……ええと確か百年に亘って統一した国家」
槍士の答に大男も乗っかる。
「俺、正規登録試験でその問題出たぞ。正式名称【イェルドラグス大魔帝国】、その名の通り魔法に優れた帝国。……その時は答えられなかったけどなぁ!」
「あと
流石は龍言教の神職かつ敬虔な教徒、と三人は笑った。嘲笑ではない。戦棍を吊るした神官の前で、そんな真似をする
「じゃあその大魔帝国、どうやって滅んだ?」
「「〝たった一夜で国が滅んだ〟」」
剣士の問に
補足する神官。
「正確には首都とそれに準じる三大都市が一夜で焼け落ち、中枢機能を失った国家が内紛状態に陥り分裂した、と言われています。……教会で教えられたことですが」
謙遜する
「そう。それが【大魔帝国の崩壊】、いわゆる【国崩し】。この大陸を制覇した、この大陸と同じ大きさを持った大国の終わり、だと言い伝えられている」
大陸全土に及んだ【国崩し】とそれに関わる混乱は、殆どの記録を灰へと帰した。わずかに残された当時の記録も、不明確で曖昧なものばかり。そのため真実かどうか定かではないが、神官が語った
そしてその崩壊から時を置かずして、大魔帝国の支配下にあった国家は独立する。彼らが居る【王国】も、【国崩し】の翌年に建国されたと、王国暦に記載がある。
「じゃあ教会は、その【国崩し】を為したのは何だと教えた?」
剣士の問いに神官は首を横に振った。
「……
天変地異や災害、反乱、他大陸からの襲撃、等々。『一夜』『王都と三大都市』と言った文言が誇張や比喩である可能性も上げながら、いくつかの推測を挙げる。脳筋二人はただ黙って頷いて見せるだけだ。
そして神官は、最後にその説を挙げる。ヒトにとって最も不都合な説。それは、言い伝えがすべて正確である可能性。
「―――〝たった一夜で都市を焼き尽くす〟魔獣」
神官のその言葉の後、誰も軽口を叩く人間はいなかった。
焚火の中で小枝がパキンと音を立てる。剣士は枝を数本放り込みながら、支部長に仄めかされたことを伝える。
「依頼説明の終わり際に『君は【国崩し】について知っているか?』、だ。問い詰めりゃ『自分で調べてきたまえ』……思い出しても腹が立つ」
「どうどう」
唸る剣士に、大男が酒袋を渡してやる。気つけになる程度の酒精だ。剣士も弁えた分量だけを口に含む。
「つまり、何だ?この森には一国滅ぼせるバケモノが居るかもしれないってか?」
槍士の言葉に剣士は首を横に振る。
「そこまでは言ってない。が……〝森上空の炎〟と聴けば【国崩し】を連想させる〝ナニカ〟が、このアラオザルにあるのかもしれない」
「おいおい怖えなぁ……」
槍士は苦笑いを浮かべた。
だがそれは、言葉とは裏腹に恐怖に怯えた色ではない。この
はは、と笑いながら槍士に酒を勧める。
「とはいえここはまだまだ【外層】だ。年に数回とはいえ、定期的に見回りされてる場所。過度に恐がることはない」
アラオザル大森林は【浅層】【外層】【内層】に区分されている。
【外層】までは他のモンスター出没地域と危険度はさほど変わらない。【浅層】であれば、樵などの
今回の
明日以降の探索に備え、彼らは食事と休息と整備を確実に終えていく。
「……とはいえ【国崩し】をやりおおせるような魔獣ってどんなんだろうな?」
槍士は呟く。
「ヤバイ
「でも俺聴いたことあるぞ。遥か東、帝国よりもさらに東の国では、八ツ首の
「ああ、前に言ってたな……酒と女で身持ちを崩した多頭竜だっけ?」
「バッキャロウ!別嬪さんが生贄として捧げられるのを、英雄が機転を利かせて酔い潰す話だよ!」
声を響かせないように小声で言い争う脳筋二人。
槍士が挙げた多頭竜に、剣士はいくつかの伝承を思い出す。
「確かに多頭竜は亜竜の中でもひと際強力で、首が増えるほどヤバイけど……いや、八本にもなればそうなっちまうのか?」
バカな貴族が多頭竜を飼育しようとして町ごと滅ぶのは有り触れたお話だ。ただそれでも大抵は六本まで。実際に出現する多頭竜は三本前後が多い。
ただやはり
「亜竜は
神官のその呟きは、その実
「じゃあ数の暴力ってのは? 鬼種の
「竜をも殺すってぇ程の大魔帝国を滅ぼせるもんかねぇ?」
「じゃあ
「おとぎ話片っ端から上げればいいってもんじゃねぇーぞ」
脳筋二人の会話。もはや大男はツッコミ要因と化していた。
他にも色々な伝説の魔獣を列挙していく槍士。だがどれもこれもピンと来なかったようだ。
「じゃあやっぱり、
剣士は窺うように神官を見ながら呟いた。
龍言教は
だからこそいくつかの物言いは、彼らの〝逆鱗とやら〟に触れることがあるのだ。
剣士の視線に、神官は肩を竦めて見せながら口を開く。
「別に
「そうか……。実際、
「ですから
「全軍でトントン、か……。やっぱ
再び神官に睨まれて、剣士は慌てて言いなおした。どうやら
言いなおしたことが満足いったようで、神官は上機嫌に頷いた。
「ですが、それはあり得ないことですよ。
やがて彼らは会話を切り上げ、順番に休む。
焚火の炎は、翌日太陽が昇りきるまで、四人を闇の抱擁から守り続けていた。
§
翌日。
「
啄竜―――80cmほどの大きさで、二脚で高速で駆ける小型の亜竜だ。小ぶりな前足と後足に備わる大きな爪と、嘴のように尖った口に並ぶ鋭い牙は容易に人肉を喰い千切る。武器を持たない人間がなぶり殺しに遭うことも多い。
けれど適切な防具を揃え、武装して連携する熟練者にとっては比較的容易な相手だ。
先頭を走っていた二匹がその
それ以外の啄竜が盾撃を躱し、側面から回り込もうとする。が、両脇に展開した
亜竜の特徴である鱗を持っているため斬撃や刺突は効きにくい。けれど小型種である啄竜の骨は脆く、打撃で比較的容易に外れ、或いは砕ける。死角を補えるだけの人数が揃っていれば危険は少ない。ものの10分もかからず、襲ってきた啄竜の群は数を半減させて森の奥へと引き返していった。
四人はそれを見送った。
「先遣隊の報告書を読んだから知ってはいたが……もっとこう、狭苦しい場所を想像していた」
槍士が言う。
周囲に林立する木はどれでも相当の年数を重ねているようで、尋常ではなく幹が太い。そして枝は遥か頭上で森の天蓋を作っていて、顔や頭に引っかかることはない。
「馬でも十分に走れそうだ」
「サイズ的な問題で言えば、な。実際は木の根もあるし簡単じゃないだろう」
槍士の言葉に大男が首を横に振る。更に神官が口を挟む。
「そうそう。昔の資料によれば突然崖になってる場所もあるみたいだし、調子に乗って騎行してたら落ちるかもしれませんよ」
「それはぞっとしねぇなぁ……」
槍士は溜息をついた。馬ごと転落する姿を想像したようだ。
「それに広いってのはいいことばっかりじゃない。……大型魔獣も容易く追ってくる、ってことなんだから」
大男が言った。見通しがきくのは良いが、それは隠れる場所が少ないことを示している。発見が少しでも遅れれば、そのまま死に直結しかねない。
「そうだな、引き締めろ。もう【内層】は……本物の
アラオザル大森林の【内層】。三層の中で最も広く、最も険しい領域。
その地形と、そこに蔓延る魔獣たちこそが、王国に、
そして人間はアラオザルの魔獣を外に出さないため、【外層】を設定した。そこを緩衝区域とし、
だからこそ通常、アラオザル大森林の調査依頼を受けることが許されるのはB級C級以上に限定される。
たとえ【外層】に常駐する加害動物はD級で対処可能であっても、そこには容易に【内層】の魔獣が混ざりうるのだから。
それでも数年に一度損害が発生する―――一瞬の気のゆるみが、全滅を招きかねない。
「ああ、わかった」
リーダーの言葉に、三人が頷く。
そう、だから彼らは覚悟していた。いつ
なのに彼らは、咄嗟に動けなかった。
彼らの瞳には、翡翠の宝玉が映っていた。
本当なら、美しく感じるべきなのだろう。新緑を思わせるほど艶やかな緑でありながら、向こう側が透かせるほどの透明度。
けれどその奥から見返す生物としての光が、その全てを台無しにしていた。ギョロリとこちらを見つめるトカゲかカエルのような無機質な光を湛えたそれが、私を見つめていた。敵を見るのでもなく、獲物を見るのでもなく、けれど私たちの奥底を覗き込もうとするかのような無遠慮な光。
そして何よりその翡翠の周囲で蠢く無数の緑色の触手。
嫌悪感から作り上げられ、嫌悪感で彩られた
そこに居て、彼らをじっと見つめていた。
「―――なっ、あっ…………え?」
(なんだよ、これは……!)
剣士は何事かを言おうとした。しかし声が出なかった。
とりとめもない思考が、彼の頭の中を流れていく。
彼の目の前にいる〝何か〟は、外見だけ見れば【
複数の触手を持ち、人間も含めた雌を積極的に襲う忌まわしき生命体。
だが今目の前に存在する五メートルを超える巨体など、今まで発見されたこともないはずだ。
「ぅ……」
他の誰かのうめき声が、剣士の耳に届いた。いや、もしかしたら自分のものだったのかもしれない。
だがその微かな空気の振動が、彼の無数の思考の奔流に方向性を持たせた。逃げなければならない。目の前にいる
「っ……、全員、落ち着け……。下がるんだ、そのまま……ゆっくりと……っ」
まるで何日も水を通してないように引き攣る喉から、どうにか指示を絞り出した。視界の端に映っていた
大丈夫、大丈夫だ。目の前の
少しずつ思考がクリアになってくる。一秒一秒が無限の長さに感じられた。それでも剣士は、確かに最善の行動をしていた。
「うぁああああああああああああああああ―――――!!!!」
いつも冷静で微笑を浮かべている神官、彼の声が、それをぶち壊すまでは。
「―――テッド!?」
剣士は思わず叫び、振り向いた。
見えた神官の顔には、普段のそれとは全く異なる表情が張り付いていた。恐怖に支配され、酷く引き攣っている。
そして何より、彼の右手には炎の塊が出現していた。
[火矢]。
[火球]同様投射する魔法だが、それより消耗が少なく、また発動が早い。その分威力も小さく、巨体を相手にするには向かない。神官は完全に冷静さを失っていた。
けれどその小さな炎に、目の前の多手触種は大げさに身じろいだ。ひょっとすれば弱点なのかもしれない。そんなことが頭をよぎった瞬間に、既に[火矢]は投射されていた。
攻撃は為された。
剣士はその魔法の結果を求めた。火が効くのであれば、それを活用すれば撤退も不可能ではない。一縷の望みを託した。
だがその結果は、彼らに詳らかにされることはなかった。
[火矢]は、届かなかった。多手触種の周囲に渦巻く風によって巻き取られ、防がれた。風の奔流の中で絡めとられ、引きちぎられる。
全くの無意味だった。その光景こそが目の前の魔獣と、自分たちとの力関係を如実に示していた。
そのとき剣士は、目の前の翡翠の瞳の奥に見つけた。見つけてしまった。
先ほどのものとは全く違う、既に切り替わってしまった光を。
全くの無意味だった攻撃。しかしそれは、確固たる攻撃だったと認識されていた。
「テッド―――」
名前を呟くことさえ、間に合ったかどうか。
翡翠の姿が、歪んだ。
その光景は、大気が光を歪めるほどに圧縮されたから生み出されたもの。そして弓のように引き絞られた大気の槍は、方向性を以て放たれる。
[風の槍]
だがそれは貫くのではなく、削り取った。
暴風が吹き荒れた後、残っているのは腰から下だけだった。それ以外は、消え去った。
即死だった。
疑いようもなく、見間違えようもなく。
長年の仲間は、一瞬で肉片と化した。
その冷静な声も、皮肉げに浮かべる笑顔も。
もはやこの世のどこにもありはしない。
「……こんっの……!化け物がァアアアア!!!」
血走った顔は、明らかに正気ではない。
先ほどまでは指示に従って後退していた。
槍士は勢いのまま槍を突き込んだ。そして即座に引き抜き、もう一度突き込む。
だがそれが効いているようには見えない。刃先が突き立てられたはずの緑色の体表には、切断面はおろか体液が滲む様子も見えなかった。
それでもただただ突きを放ち続ける槍士。
剣士は決断し走り出す。同時に
「牽制する!ダルクス、ロンを連れて下がれ!」
それに頷いた大男は、剣士に劣らぬ機敏さで走り出した。そして槍を振るい続ける槍士を背後から殴りつけた。そして即座に大盾を両手で構え、掲げて支える。
そこに緑の横薙ぎの一撃が飛んだ。虫でも払うかのような気やすさで振るわれたそれは、しかし人一人砕くには十分な速度と質量、つまり威力を持っていた。
大男の手は、骨が潰れ軋む音が聴こえてくる。だがそれを気合で噛み殺し、大男は両腕を振るう。大盾を動かし、その威力を受け流したのだ。幸い腕は折れはしなかったものの、代償として大盾は使い物にならなくなる。
しかし防いだ。大男は背中の斧を引っ掴み、迂回するように槍士へ向かう触手を切り払う。
あとは脳に振動を受けてまともに動けない槍士を、大男が引っこ抜くように背負えば離脱できる。剣士はその援護のため、この醜悪な〝
だが次の瞬間、助けられたと思った命は無残にも蹂躙された。
槍士の足下から突如突き出された無数の岩の槍。剣山のようなそれは靴や皮鎧を容易く貫く。足は切り刻まれて折れ、肺腑や心臓までもが容易く貫かれる。
槍士は声も上げなかった。大男だけは即死だけは免れた。口角から血を零しながら、彼は最後に剣士を見やった。
最期の言葉を告げるため、動こうとした口は途中で永遠に停止した。
「くっそがぁああああああぁあああああああああ!!!!!!!」
何者かの雄たけびが、剣士の耳朶を叩いた。それが自分のものであることに気づいたとき、剣士は既に〝異形〟へと斬りかかっていた。
片手剣が緑の触手に叩きつけられる。よく砥がれ、手入れされた刃は肉に食い込む。そこに剣士は[付与]を用い、炎を這わせる。
そんなことをする必要は全くなかった。
剣士は指名依頼を完遂するため、仲間三人を惨殺した脅威を伝えるため、全力で逃走をすべきだった。
本来、
けれど沸騰した彼の頭の中には、仲間の死と、目の前の〝異形〟の姿だけが渦巻いていた。他の全てはその激情に押し流され、一切浮かぶことはなかった。
緑の鉄槌に押しつぶされ、目線が大地と一致するそのときまで―――
§
出会い頭に炎をかましてくれた人間を、私は[風の槍]で排除した。
そこから先は、この
結局私は都合
私は
だがいくら真似てみても、私は
いくら努力しようとも、ぎゅるぎゅむぎちちみち、と言った
森を進む
その内の72は私を
他の8は私に何もせず、私から何かする前に私の前から消えた。
結局、残りの5だけが私を
―――その彼らの中にも、私に意思疎通の方法を教えてくれたものはいなかった。
けれど私はその中でもいくつかの知識を得た。
例の本も読破し、それから得た〈願いを叶える方法〉も700近い行使を経た。
また、人間だったものから新たな本を得ることもできた。だが新しい本の
だから私は進みを再開した。
けれどそれは、500メートルも行かないところで止められた。
そこには93度目の人間が居た。
全身から血を流し。
白が混ざった黒の
瞳に映ったその姿は、人だったものによく似ていた。だが、それは
それを示すように、その人間はゆっくりと
乾いた唇が動き、声を発した。ああ、私にはできぬことだ。
「―――偉大なる森の守り神よ。もしも哀れと思って下さるのであれば、この咎人の最期の願いを聞き届けたまえ」
掠れた声を発するその人間の瞳の色は、火そのものの色をしていた。
==========
【添え書き】
▶補足説明:【
(ドイツ語)
『
『
『
・
・元となる神話や民間伝承がみあたらない
・
以上より不採用。
……対案として『
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