第11話バレンタインデート

 冬休みも終わり、今年遼太と李杏は小学生として最期の一年になる···


 前に···クリスマス、お正月のあとにくる最大のイベント!



「まだー?俺、腹減ったんだけど!」半ばキレ気味にあれこれとチョコレートを品定めしてる李杏の後ろから言うが、

「んー、あともうちょっとぉ···」甘ったるい声で返してくる。


「よし、これにしよぉっ!!」

「······。」李杏が、手にしている包みは、一つだった。


「おい、まさか···それ」指を指すと李杏は、ニコニコ笑って、

「あ、これ?パ···」


『聞いた俺がバカだった···』


 デパートのバレンタインフェスの会場に入って一時間···


 たった一個のチョコレートを選ぶのに、一個···


「俺、帰る···」

「えっ?!なんで?!付き合ってくれるって、言ったじゃん!!」何故か突然逆ギレする李杏に固まる遼太···


 で、結局···


「早くしろ。腹減ってイライラしてきた」惚れた弱みってやつで···


 その後、一時間程で謙悟のが決まり、帰る事にしたが···


「おい、俺のは?」

「遼太のぉ?欲しい?」ニヤニヤ笑いながら言う李杏···

「いや、いらん···甘いの苦手だし」

「だから、今年は作ろうかなと···」

「···。」


『今年は、じゃねーだろ。去年も俺は、地獄を味わったのに!』


 顔の引きつりを隠せない遼太だったが···



「映画ぁ?なに見るの?」

「ひとひらの恋」

「あー、あれか。お前らの好きななんとかってアイドルの?」

「うん!ねぇ、いいでしょぉ!?ママァ」李杏のお願い攻撃に勝てる人は居ない··だから、

「しょうがないわねぇ。」ほらね···

「じゃ、遼太···」


 謙悟が、スマホを見てニヤニヤしてる隙に最後のハンバーグに手を伸ばそうとした手を止め真澄を見る。


「またっ?だって、今日だって···わかったよ。行きますよ、行きます!」どうも男という生き物は、全ての女に弱く出来てるのだろーか?


「いんじゃね?どうせ、お前ら休みなんだし」

「······。」

「やった!!」李杏の嬉しそうな顔を見ると、満更でもないが···



「でも、なんで恋愛映画?」訝しげる遼太に、李杏は一通の封筒を見せた。

「見て見て!!」急かす李杏に、遼太が封筒を開け、中から一枚の紙を取り出すと、

「懸賞?」

「うん!カップルチケット当たったの!!」カップルもなにも男と行けば誰でもカップルでは?と思ったが言わない遼太。


「新しいとこか!!」映画館が最近商業施設に新しく出来たもののなかなか行ける機会もない(そもそも映画が苦手な遼太)しかも高い!

「カップル席は、個室になってるからね。そこで、バレンタイン過ごそ···」李杏のちょっと恥ずかしそうに言う仕草が、男のスケベ心を擽る。

「じゃ、うん···行こう···。だからさ、その前に···」



 んっ···あふんっ···んっ···


「だから、ダメだって。声···」

「だって、遼太···んっ···気持ち···」


 ベッドの中で、なるべく声を出さないようにしているが、


 んっ···んんっ···


「ほら、これ咬えて···」李杏の口に、ハンカチを咬ませ···


「李杏···」


 乳房に吸い付き、乳首を舌で弄っては李杏の反応を楽しむ遼太···。そんな遼太の愛撫に身をくねらす李杏。


 んぅっ···んっ···声を出したくても出せず、


「李杏···俺、もう···」


 んぅぅぅぅっ!!!


 身体を張り、仰け反る李杏···


「イッ······アァッ···アァッ···」李杏のお腹に出していく遼太。


「いい?おとなしくしててよ?」李杏が咬えていたハンカチで前を抑え、ティッシュで李杏のお腹を拭いていく遼太だったが···


「遼ちゃん···それ。そのハンカチ···嘘···」手にしていたのを広げると···

「あ···」一言だけ呟き固まる遼太。それもその筈、そのハンカチは、李杏が大好きなアニメのイラストが描かれてるものであり、


「もぉ、知らないっ!ばかっ!」枕を投げられた上に、

「一生フェラなんてしてなんないっ!!」それは、それで困る遼太···


 とにかく、同じ布団で寝てるから掛け布団すら離してくれず、毛布一枚で寝た結果···


 ぶえっくしょん!ズズゥッ···


 風邪をひいた上に、


「きたなーい。近寄るなぁ!うつるぅ!」とまで言われ、ひがな一日を寝て過ごした。


『バ、バチが当たったんだろーか?』昼もひとり(李杏は、学校)で、夜もひとり(李杏は、真澄と)で寝たお陰で、


「ん、やっと熱が下がったわね!どう?もう一日休む?」と真澄に優しくされるも、李杏からの心配する言葉はなく···


『無視?じゃ、デートは?!』と心配になった遼太だったが···



「別にもう怒ってないから···」

「うん···。ごめん」映画館のあるOTOMACHIへ行く途中のバスの中で、李杏は遼太の手を握りながら小さく言った。


「それ、似合ってるから···」

「それ?」

「うん。その首輪···っだぁ!!」この余計な一言を言わなければ···。遼太は、つねられた手の甲を擦りながら、首輪じゃないのか、と呟いた。

「これは、チョーカーって言うの。この間、ママと作ったの!」少しご立腹···


「今日は···楽しもうね。バレンタインデート」

「うん」


 バレンタイン当日なのに、何故かホワイトデーの文字や飾り付けがされているのに違和感を感じながらも···


「あっ、プリ撮ろ!プリ!」手を引っ張られるように遼太は李杏と中に入る。

「遼ちゃん、キス···して···早く···」



 言われるがままにキスをする遼太だったが···


 ンッ···ンゥッ······


 手が段々と胸にいき、弄り···


「あっ···だめ···こんなとこで···」李杏は、感じながらもそう言ったが、遼太は続けた。


 あぁっ!!


「終わっちゃう···」

「ここ、こんなだ。あとで、触らせて···」プリ機からシールが出て来る時間のほんの数分で、遼太は李杏を女にする。


「えっち!なんで指の匂い嗅いでんの?」

「お前の···いい匂い」

「えっち!」


 映画館の中でも···


「うほっ!シート倒れんじゃん。」

「映画···あんっ···」

「だって、さっきの続き···すぐ終わるから···」


 李杏をシートに倒しながら、キスをしていく。


「遼太···」遼太に服を脱がされながらも、こんな場所で?と恥ずかしい思いをしつつ、

「ほら、さっきよりも···」


 あぁっ!!


「防音だし···カメラついてないから···」李杏の股に顔を埋め、敏感な部分を攻める。


「だめぇんっ!そこ···あっ···はっ···」李杏の手は、遼太の頭に乗り髪を触る。


「吸わ···ない···っ···で遼太」

「挿れてあげる」遼太は、パンツをおろし、李杏の中に挿って腰を動かす。


「何日してなかった?3日?」

「ううん···4日···あぁ」


 李杏の足が、遼太の腰を挟む。


「奥まで挿ると、当たるね···気持ちいい」耳元出何か言う度に、李杏の中が締まり熱くなる。


「気持ちいい···んっ」古紙を掴みグイグイ突いていく。


 あっ!んっ!んっ!いっ!!


「顔があまり見れないのが、残念だ···アァッ」

「遼太ぁ···好きよ、好きよ」身体にしがみつきながら、言葉を繰り返す李杏。

「いい?今日、大丈夫?」

「うん。平気だから···」


 遼太は、力任せに突きまくり、李杏をイカせてから、中に出して言った。


「愛してる···」

「私も···」暫くは、余韻に浸っていたが、映画が始まりコソコソ着替えたり、また胸を弄ったりしながらも、楽しんだ。


 室内から出た時は、ちょっと恥ずかしくなったふたりだったが···



「なにしてんだ、お前···」

「えっ?!い、いや、な、な、な、んでも···」出てから数分後、やけに落ち着かない李杏に遼太が聞くも、顔を赤くするだけで答えない。


「トイレ?トイレなら···」

「違うの!んと···その···」手を前の方に当てながら小さく、

「履くの忘れちゃって···」

「へっ?なにを?」で、やっと李杏が何を言いたかったのか、わかった。


 下着売り場で、安いのを買ってトイレで履き直した。障害者用のトイレだから、もちろん···


「ちょっと、得した気分···」

「えっち···」


 こうして、ふたりのバレンタインは、家に帰っても3時間続いたのは、内緒。。。

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