第9話内緒の旅行?

 冬休みの楽しみは、クリスマスよりも···


「な、な、いくらだった?」ニヘラ顔の謙悟に、

「俺、全部合わせて5万!」の遼太。

「私も!お兄ちゃんは?」逆に聞く李杏。

「俺?今年は、去年の倍だ!」と福澤諭吉をズラッと見せて顔を仰ぎだした。ペラペラだが···


 そう『お正月』の楽しみと言えば···お年玉。当板倉家でも毎年恒例となってる『お年始周り』彼女とのデートよりもこっちを優先した謙悟に遼太と李杏は、この日ばかりは優秀児で過ごす。


「でさ、ひとつお前達に頼みが···」声を潜めて言う謙悟に、

「やだよ!」

「······。いや、まだ···」

「貸さないよ!」

「······。」李杏と遼太は、だいたい何を言われるかわかったのか、

「「ママ達に怒られちゃうもんねー!」」口を揃えて言う。


「金は···いらん。これまで野バイト代があるからな。頼みは、それじゃない。実はな······」



 バタンッ······


「いい?ちゃんと謙悟の言う事聞くのよ」真澄が、車から顔だけ出して子供達に言う。


「「はーいっ!!」」

「謙悟、ちゃんと見ててよ」

「はいはい」車で走り去る真澄を見送り、遼太と李杏は、謙悟を振り向き、ピースサイン。


「おい、行くぞ。車両間違えんなよ?」謙悟は、財布から新幹線のチケットをだし、遼太達に渡す。


「ずるーい!」

「あ、ひでっ!!俺ら、お兄ちゃんに一万円カンパしたのに!」

「···。」謙悟は、引きつりながらも無視を決め込み、先に歩いていき、遼太と李杏は、愚痴愚痴言いつつも後をついていった。



「あ、おはよう!!謙悟!」

「よっ!待った?」

「···。」

「お兄ちゃん?」李杏の嫉妬めいた視線に、謙悟は、隣に立った可愛い女の子を彼女と言い、

「おはようございます。一羽です。一枚の羽と書くの。確か、李杏ちゃんと遼太くんだったよね?」

「あ、はい」

「李杏ちゃんは、うちの弟と同じクラスだったよね?」

「「···。」」李杏と遼太は、その一羽とは初対面。

「おい、乗るぞ。」


『お兄ちゃんが、話してるのかな?』


「けちんぼ!」

「···。」

「ずるだ!」

「···。」


 結局、ふたりはグリーン車に乗る事が出来ず、謙悟達が乗るグリーン車隣の自由席に乗らされた。


「長野に着いたら、迎えにくるからな!」の言葉に恨みがましい視線を打ちつつも、


「初めてのふたり旅だ!」

「ねぇっ!!お兄ちゃん達いるけど、ホテルの部屋は別々だし···ふふっ」


 ふたりを乗せた新幹線は、スムーズに東京を発ち、昼前には長野駅に到着した。


 荷物をコインロッカーに預け、市内いや駅前観光。


「ほらよ。この駅前のマップ。待ち合わせは、3時!わかったな?」

「「はーい!」」謙悟達と駅前広場で別れ、遼太と李杏は、仲良く手を繋いで、アーケードの中に消えていった。


「可愛いものね。妹って」

「一羽んとこ、弟だもんな。真也だっけ?」

「生意気だけどね。行こっ!」遼太達の間を開けるように、謙悟と一羽のカップルもアーケードの中に消えていった。



「遼太···これ可愛い!!」

「そうか?俺は、こっちのが···って、いねーし!」


 店が広く、品数もかなりある上に、冬休みのこの混雑。


「おい。李杏っ!!」と掴んだ相手は、李杏とは似ても似つかず可愛くない女で、運悪くその現場を見られ、

「ふーん、私と言うものがいながら、浮気?」最近ハマったドラマ口調でこいつは、俺を睨む。


「しょーがねーだろ。あの混雑なんだし」遼太は、不貞腐れていうが、

「で、どうだった?」

「へっ?なにが?つか、よくそんな甘いの食えるな」耐えに耐えながら食べたクレープをなかったかのようにコーラを流し込み、李杏を見る。


「私とその子、どっちが可愛いかった?」

「···。」小学生でも、女である。


「お前···」と指差し、サッと頬にキスをする。


「まだ、時間あるねぇ。どうするぅ?」李杏は、ベンチに座りながら流れてく人並みを見ている。

「まだったって、あと一時間だろ?そこらへんブラブラしてりゃいいよ」


 結局また、李杏の買い物に付き合う遼太。


「まだー?長くね?」アレコレと品定めをしては、また元に戻す李杏に些か疲れ顔の遼太。


 やっと李杏の買い物が終わり、待ち合わせした広場に行くと···



「···。」

「きもっ!!」

「あ、どうだった?楽しめた?」と言う一羽に、デレッデレの謙悟。そして、それを冷たい視線で見る四つの眼差し···


「つか、お前ら早くね?まだ···もう三時過ぎてたのか」謙悟は、照れながらもつっけんどんに話し、一羽は笑いを堪える。兄の威厳まるでなし。


 ホテルまでは、タクシーで行き···


「ここが、お前らの部屋。こっちは、俺発ち」隣合わせになった。


 その部屋がまた···


「あっ、すごーい!お風呂、ジャグジーだ!」

「ベッドひれー!!ふかふかだ!」

「···。」

「あらら···」スリッパの音を立てながら、アチコチ見て周るふたりに、恥ずかしさを隠せない謙悟に、それを見てまた笑いを堪える一羽。


「夕飯は、ここのレストランで食うから、七時になったらロビーな!」

「じゃぁね!!」笑いながら手を振る一羽と謙悟を部屋から見送り···


「「やったぁーーーーっ!!」」と二人して声をはしゃがせながら抱きつく。


「今夜···」


 チュッ···


「しような···」


 チュッ···


「エッチ!その手は···」李杏の服の中に手を忍ばせ、ブラの中に滑り込ませる。

「なんか、触りたくなった···」

「でも···ぁ···」スカートを脱がされ、下着の盛り上がりをゆっくりと擦る。

「ベッド、広いから···」ベッドに横になり、一つ一つボタンを外し、ブラを外し···


「俺のおっぱい、おっきい」李杏の乳房を手繰り寄せ、唇で乳首をなぞる。


 ふぁっ···だめぇ···んっ···


「ジッとしてて」そう言い、少しずつ固くなり始めた乳首を舌先で弄りつつ、軽く歯をあて、李杏の反応を楽しむ遼太は、段々と下へ下がっていき···


「ふふん。ご開帳ーーーーっ!!」

「うわっ!ちょっ!えっ?!」大胆に李杏の両足を広げ、顔を埋める。


 あひゃっ···しょっ···あっ···やっ···うわっ!!


 レロレロと小さな突起物を舌で弄り、ジュルジュルと中から溢れてくる愛液を飲み、穴の中に舌を入れたり、指を入れたり···


 あふぁっ···ひゃっ···らめっ···らめっ···


 動き回った身体での行為は、程よく感度が増すのか、李杏を李杏でなくさせる。


「ね、挿れてもいい?」

「挿······れてぇ···」ズボッ···ズチュッ···


「挿れたよ···次は?」悪戯な笑みを浮かべながら、李杏の指示を待つ遼太。


「動いて···気持ちよくなりたい」

「じゃ、中に出すから」で、やっと動き始めるも···


「やぁだぁー。弱いー。」

「はいはい」いつもとは違う弱さにごねる李杏。


「っと!!」


 あぁっ!


「これぇ···これがいいよぉ!気持ちいい」遼太の背中をガッシリと掴み、甘えた声で声を出す李杏。


「なら、これは?」エッチな雑誌で覚えたての技を試す。


 あひっ!なっ!んっ!


「あっ···はっ!足が···ひやぁっ!!」片足が、遼太の肩に乗り、いつもとは違う感じに戸惑う李杏。


「また···あっ、きちゃうぅ!!」枕を必死に掴み、身体をくねらせる李杏。


「俺、イキたい」

「私も···お願い···はぁ」


 李杏と手を絡ませながら、腰を動かし、キスをし、一気にラストスパートに掛ける。小学生なのに、これは大人並みに···


「イクぞ、イクぞ、イクっ!!」


 はぅっあぁぁぁぁっ!!李杏の手が、遼太の背中に必死にしがみつき、


「あぁっ···動いてる···わかる」

「んっ···いつもより凄い」お互いにお互いの動きを感じながら、落ち着くのを待ち、シャワーを交互に浴びる。


 時間になるまで、テレビを見ながらキスをしたり、膝枕してもらったりして···



「どうした?食わんのか?」謙悟が予約したレストランでは、食べ放題を楽しんだ遼太だったが···


「甘いの好きだった?」と疑う程、謙悟は甘ったるいケーキをバクバク食い、皆を驚かせた。


「ねっ、家じゃ食べないの?」一羽もそれに負けじと食べ、李杏は···やめよう。


「今年は、雪降る?ここ···」

「どうだろーな。今年は、珍しく雪が降ってないらしいからな」


『雪、見たかったな···ウサギさん、作ってみたかった』顔には出さぬが、へこむ李杏。


「でも、ほら!!」一羽が、フロントマンに貰ったチラシに、遼太も李杏も声を上げ喜んだ。


「人工雪じゃないよ!!」

「北八ヶ岳の雪を持ってくるらしいな」

「雪···ウサギさん···雪···」

「李杏ちゃん?」

「一羽?明日は、うるさくなるぞ!戻る可!」


 李杏は、部屋に戻るまでも、ひとりニヤニヤしながら雪、ウサギさんと交互に呟き···


「明日、遊べるねぇ」

「わかったから···なっ」遼太が、溜め息をつきながら、李杏をベッドに···


「おやすみ···眠い」

「おやすみ···ウサギさん」



『俺、いつからウサギに?!』

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