ep.1-3 君の嘘...


始まりはとても些細な事だった。

よくある恋愛、同じ趣味の近い年齢。

ただ少し違ったのは、私達は少し臆病だった。


ピコン

明るく光った携帯の画面、待って居た貴方からの返信


「ごめん、もう疲れた」


そう始まりも、終わりも些細な事で突然訪れる現象だ。

静かな夜、風が運んで来る香りがどこか切なくて、涙が溢れて来た。


でもわかって居た、いつかこうなる事もいつだって返信は怖かった。

貴方の心の中を知りたくて、何度もそう願った。

貴方が抱きしめる温もりも、優しい声も今もちゃんと記憶の中に生きているんだよ。


貴方の心の中に、私は生きて居ますか?私の声も温もりも思い出せますか?

ほんの数日前に聞いた事も毎日問いかけた答えも何も聞き出せない。


そう貴方の「疲れた」と言う言葉で全て悟ってしまう自分に嫌気が刺した。


続く...

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