第26話 病気の発見、そして愚かな私
脳の精密検査をするにあたり、丸一日休みを貰って朝から病院へ行きました。
まず、血液検査と尿検査、心電図に脳波計、髄液検査にMRIと調べてもらったのですが、頭痛の原因となりえるものが見つかりませんでした。
エナジードリンクなどやカフェインの過剰摂取で頭痛が起きたにしては、それだけとは考えにくく、頭痛が起きて苦しんだのはこの日が初めてではありませんでした。
周期的に強烈な痛みに襲われる時期があり、それ以外はお酒を飲んでもコーヒーを何杯飲んでも痛まず、ドリンクで痛くなる事もありませんでした。
限にカフェインを過剰に摂取している長距離運転中もこれほどの痛みに襲われた事はないのです。
その事も含んで話をしてみると、当時はまだ認知されていませんでしたが、『群発頭痛』の可能性も考えられると言われました。
群発頭痛には根本的な治療法が無く、外科手術で完治する事も出来ないし、そもそもの原因が明確にはっきりしていなかったのです。
ひとまず、確定ではないが、カフェインの接種は控え、今後はカフェインレスのお茶を飲むようにしてもらう事。痛みが出た時に病院に来て調べるようにしてみましょうと言う事になりました。
群発頭痛の時に、痛み止めを飲んでも効果は獲られないと言う事も先生に伝えると、頭痛が起きた時に飲む特効薬や予防薬もあるからそれを飲み続ける事になりました。
病院代の捻出で、早くなっていた返済が少し遅れる事になってきました。
そんな中でも、しっかり時間は流れていくもので、家には少しずつ仕事が入ってくるようになりました。
赤字続きだった売り上げも、黒字とまではいきませんが、これまでに比べて楽になってきたとの事でした。
父は仕事を貰うまでの間、別の宅配の仕事を紹介してもらい、数か月若い人からこき使われる仕事をする事になりましたが、会社の仕事が順調になるにつれ、宅配の仕事を辞めて家業に専念出来るようになり、兄はそのまま外で働く事になりましたが、弟は家業を手伝い、名義上ではありますが、社長を務めるようになり、父は会長として営業や接待をするまでになりました。
家の中に少しずつ、笑顔が戻ってきた時でした。
母の体調も、癌の転移もなく、抗がん剤治療も終了し、半年ごとの検査に落ち着きました。
そして私は彼女との交際も順調に進み、彼女は大学を卒業、地元で仕事を探す事になり、結婚の話も出てきましたが、私の借金が完済して落ち着くまでは遠距離での生活を続ける事になりました。
そんな中、またまた借金の返済を1社終わらせ、残る会社は1社と三井住友銀行のみになりました。
私の車のローンに弟の車のローンも、この時に返済が終了していました。
姉の借りてた銀行は、母が債務整理するときに、一緒に整理できたので、元本のみの返済ですぐに終わらせる事が出来ました。
残る1社は返し借りての繰り返しだったので、残金90万のまま。そして他の銀行の借り入れを金利の安い三井住友銀行に移動することが出来たので、120万。
合計で210万まで戻すことが出来ました。
しかもこれまでの金利の大きな銀行4社の時と違って、金利の安いところに移動していけば、ぐっと返済が早く済ませる事が出来ます。
このままいけば、あと3年で完済できると安堵していた時、友人から連絡が入りました。
それは昔、アコムの名義貸しをしてくれと頼んできた友人でした。
友人は、すまんと先に謝り、返そうと思ってたんだが返済が滞って来て、私のところに催促の電話がいくかもしれないとの事でした。
そして事情を聴いていると、また子供を授かる事になったらしく、金を貸してくれとの申し出でした。
今回ばかりは私もあきれ果て、一円たりとも貸さないと言って電話を切りました。
ですが、執拗に電話をかけてくるようになり、勢いで私はその友人の返済を私が受け持つと言い、友人からカードを預かりました。
限度額は当時は70万になってたはずが、90万に増やされていました。
やっと減ってた負債は、これでまた300万円に逆戻りしてしまいました。
つづく
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