あとがき
最後までお読みいただきありがとうございました。この小説は第二作目に書いた小説です。初めて書いた中編小説ということになります。テーマとしては、近未来と、安楽死を齎す薬というテーマで筆を進めようとしていましたが、薬をうまく使いこなすことが出来ませんでした。主人公は、司くんという平凡な男の子で、ヒロインには自殺願望のある女の子あかりというキャラクタが登場しています。初期プロットでは悲劇にしようと考えていました。最終的に、二人とも死ぬという終わり方。または、どちらか片方が死に、片方が生きるという一番残酷な終わり方に。でも、物語を書いていくうちに、彼らを生かしてあげたいと思った。その後ろには、彼らの死ぬ未来がたくさん存在します。でも、いま僕が書くこの物語では彼彼女が生きている未来を描きたいと思いました。多分、『君の名は』の影響が大きい。だから、最終的にああいう最後につながった。彼らは生き続けると思う、新しい世界で。今作は一応彼と彼女二人の物語という構想であったのだけれども、どこかで視点を変更させてもう一つ別の物語を展開していきたいなと思い第二部からは、主人公を変えて物語を展開させていきました。ここでは、些細な人称トリックが使われています。多分気づていると思いますが、この人称をみれば彼らは同じ人間だけど、同じ人間じゃないということが多いに感じられると思います。そして、もう一人の彼女はどうなったのかというところはこの小説では語られていません。また時間ができたら、加筆修正して、新しい物語にしていきたいです。
それでも、彼女は世界を愛そうと思った 晴見康一 @miharu0903
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