第16話 新説・笠地蔵

 昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしていました。

 おじいさんは年越しの餅を買うために笠を拵えて売りに行きましたが、一つも売れませんでした。

 そうした帰り道、雪に埋もれたお地蔵様を見つけました。

「こりゃ、寒かろうに。売れ残りですがこれで寒さをしのいでくだされ」

 おじいさんはお地蔵様に笠を付け、足りなくなった分はおじいさんが付けていたほっかむりを付けて帰りました。

(中略)

 お地蔵様達はそりで運ぶのをやめ、ク◯ネコヤマトに依頼しました。その方が恩返しの米や財宝を渡せると思ったからです。

 大雪でしたが、ク◯ネコさんの本気を舐めちゃいけません。キャタピラー付きの配送車で大雪の山も越え、配達日の指定通りの大晦日の夜に到着しました。

 しかし、こんな財宝をもらう心当たりの無いおじいさんは詐欺だと思い、受取拒否をしたので受けとることはありませんでした。

世知辛い世の中になったものです。


教訓・サプライズは地雷。

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