世界観及び設定及び登場人物についての簡単な説明

◼世界政府と呼ばれる機関によって世界のほとんど全てが管理されている。


◻世界政府

 AからYの記号、一から二〇〇〇〇の数字によって五十万の人間を管理している。Zの記号は終わりを連想させるために存在しない。最終番号はY二〇〇〇〇番。

 〇〇一番から〇〇九番の人間が所属しており、〇〇九番以外の八人で五十万の人間を管理している。


◻人間

 COLORという首輪を模した機械と記号で管理されている。

 COLORを通じて電子世界、電脳世界にアクセスできる。

 この時代の人間は全体的に白く、雄の遺伝子は劣化し絶滅したため、繁殖能力は皆無である。

 COLORによって死を観測された場合、COLORが回収され次第新たな肉体が用意される。記憶が引き継がれるか否かは個人の意思によるところが大きい。

 奇数が女性で偶数が男性。女性のCOLORは赤く、男性のCOLORは青い。


◻召し使い

 いわゆる人型お手伝いロボット。おはようからおやすみまで主人の世話をする。

 COLORなしでも電子世界、電脳世界にアクセスできる。

 人間のように白くないが、ロボットのように機械的でもない。

 旧時代(世界政府によって世界が管理される前の時代)の人間を模してつくられているので、

 ある意味人間よりも人間らしい。

 雇う者ではなく買う物。


◻ブランク

 人間の成り損ないと言われているが、出自は全くの不明である。

 どこに住み着いているのか、どのように生きているのか、どのように繁殖しているのか、全くの不明である。


◻COLOR

 首輪を模した精密機器。なにをしても壊れない。これひとつでなんでも出来る、生活必需品。

 電子世界や電脳世界にアクセスできるだけでなく、疑似脳として記憶を記録する。

 COLORを持たない人類は人間とは呼ばれずブランクと呼ばれる。白い。


◻現実世界

 生身の身体が在る世界。電子世界及び電脳世界と区別するために名付けられた。

 五感がなく、空気は乾いている。人間は一定数ごとに管理されており、

 区画間を移動するのに時間がかかったりかからなかったりする。

 欲しいものは世界政府に申請すれば手に入るが、全て人工物である。


◻電子世界

 現実世界及び電脳世界からアクセスできる世界。インターネット的な世界。

 また、現実世界を彩るための世界で、COLORが機能していないと人間には知覚できない。

 失われた五感を補完している。

 情報は全て公開されているため、例えば赤の他人の昨日の行動がつまびらかに知れたりする。

 現実世界では皆外見が同じであるため、個性をもったアバターが実装されている。これで区別を付ける。


◻電脳世界

 いわゆるVR世界。COLORによって意識だけが入り込める。

 現実世界では人々の物理的な接触がほぼ不可能なため、こちらの世界で人々は交流する。

 娯楽で溢れている。




▼A二〇〇〇一番

 ご主人様。女性。現実世界と姿が変わらない真っ白なアバター。

 存在しない番号を持つ人間。ブランクの子。

 常識がなく、箱入り娘に俺様思考を加えたような性格。不遜な態度のわりに真面目で柔軟。

 自由人。

 好き嫌いはしなかったのだが、甘いものが嫌いになった。

 食っちゃ寝の生活をしているため、他の人間と比べると丸い。それを指摘されたら怒るように召し使いに指導された。

 とても大きな家に住んでいる。


▼召し使い一号

 正式名称『製造番号F一七八九二九番』、通称『召し使い一号』。

 A二〇〇〇一の召し使いで、母親。ロボットではなくサイボーグだった。

 甘いものが好きで、よく材料を取り寄せて自作する。そのためか、必要もないのに料理をする。

 召し使いであり続ける選択肢と、

 母親でありながら召し使いとなる選択肢と、

 召し使いでありながら母親である選択肢とがある。

 選んだは三つ目。その結果、頭の中に『私』ブランクが生まれた。もともとロボット自体がご主人様大好きだったのだが、『私』ブランクはご主人様愛してるという暴走気味の思考回路をしている。

 ロボット『私』ブランクはほぼほぼ同一な別人格。普段は二つを重ね合わせたロボット寄りの状態だが、状況によってどちらかの性質が強くなる。

 『私』ブランクとしての人格は有しているが、その人格が強くなりすぎないように記憶はほとんどない。


▼J三八番

 男性。長い白髪に褐色の肌を持つアバター。

 なんでも知っているような態度をしているが、知識の多くがどうでも良いことばかり。

 口数が多い。また、もったいぶった話し方をし、他人と話しながら唐突に自分の世界に入ることが多い。偉そう。

 A二〇〇〇一番の友人であると主張しており、年に一度A二〇〇〇一番を三日間観察し、その様子を世界政府に報告する仕事を請け負っている。


▼門番

 A二〇〇〇一番の家の門番。

 家主と召し使いに存在を知られていなかったりそうでなかったり、忘れられていたりそうでなかったりする。


▼〇〇一番

 世界政府の職員。

 A二〇〇〇一番の世話係をしていた。母親代わり。

 不遜な話し方をするが、妙に忘れっぽい。『私』ブランクと面識があるらしい。

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