幼馴染は守護神
豚眠
第1話 小さな恋の花
これは俺、佐野玲於がまだ小学生だった頃の幼馴染(鈴木麻衣)との話。
俺は、小学校4年生進級と同時にお父さんの転勤の都合でこの街に引っ越してきた。初めは全くみんなに馴染めなかった俺の前に天使が現れた。そう、そいつこそが俺の初恋の相手、鈴木麻衣。
麻衣、)佐野くん、だよね?
玲於、)うん。君だれ?
麻衣、)同じクラスの鈴木麻衣!よろしくね!
玲於、)うん
麻衣、)ね!ね!佐野くんってさ!どこから来たの?この辺に住んでなかったよね?
玲於、)別に、君に関係なくない?
麻衣、)気になるじゃん!
玲於、)お父さんの転勤。
麻衣、)なんの仕事してるの?
玲於、)あんまり家庭事情に口出さないでくれる?
麻衣、)あっ!ごめんね?つい喋りすぎちゃった!
初めはホントにめんどくさい奴だと思ってた。だけど、ホントにしつこくて、でも、何かあんまり冷たくしたくなくて。結局いつの間にか1日のほとんどを一緒に過ごすようになった。
麻衣、)佐野くんって家どこ?
玲於、)あの白い家
麻衣、)え!嘘!私その向かい側の家だよ!めっちゃ近いね!
玲於、)だね
麻衣、)明日から一緒に行かない?
玲於、)別にいいけど
麻衣、)やった!じゃあ明日から毎朝7時半にうちに来てね!
玲於、)あのさ、
麻衣、)ん?
玲於、)…でいいから
麻衣、)ごめんなんて言った?
玲於、)玲於って呼んでって言ってんの!
今までどんなに仲が良くても絶対に呼んで欲しくなかった俺の名前を初めて呼んでもらいたいと思った。こんな事言われても困るよなと思ったけど、
麻衣、)分かった!じゃあ私の事麻衣って呼んでね!
玲於、)えっ!
麻衣、)その方が親近感あるでしょ?
玲於、)それは無理
麻衣、)なにー?恥ずかしいのかなぁ?
玲於、)ちげーよ!
麻衣、)まぁ無理して呼んでくれなくていいよ!じゃあまた明日ね!玲於!
玲於、)おう
俺は今でも初めて自分の名前を呼んでもらった日のことを忘れていない。そして、初めて自分の名前を呼んでくれた時の太陽みたいな君の笑顔も忘れた事は無い。
なのに。
幼馴染は守護神 豚眠 @Tonmin
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