第2話ここが一番大事なり

「警部補、お久し振りですね」

そこにはジョジョポーズを決めた自称探偵清野耕助と助手の納谷ルミコと先程情報収集しに行った早月メイが立っていた。


「クソ来たか!ってメイちゃん情報収集に行ったんじゃなかったのか?」

「チッ、もう来てたのか‥‥」

メイは苦々しい顔で舌打ちした。

「どうしたんだ、メイちゃんさっきと雰囲気が違うじゃないか!」

「うるさいぞ、ブタスペシャル」

ルミコがほくそ笑みながら佐藤を見ていた。


「またお前か!馬鹿にしやがって!今回の主役は俺なんだぞ!」

そう言うと感情が押さえ切れなくなったのか佐藤は尻に刺さった矢を抜き、ルミコに向って力任せに投げ付けた。

ルミコは咄嗟に飛んで来る矢を避けたが、メイの額におもいっきり刺さった。


「ギャー!メイちゃんごめんなさい!」

額に矢が刺さったままメイは仁王立ちしていた。

「ルミコ君、刺さっちゃいましたね」

「ブタスペシャル‥」

「メイちゃん、ごめんね」

佐藤はそう言いながら、近寄ろうとした。

その時!


ピキッ!


メイの体にヒビが入り粉々になっていく

「ギャー!‥‥ってあれ」

佐藤の悲鳴が響く。煙が立ち込める中、メイが立っていた場所には小さな子供くらいのロボットが代わりに立っていた。


「チッ、安いオーバーボディだとすぐ壊れるな」

「なっ、何だこいつ!」

佐藤は驚きのあまり言葉が出ない。ロボットは肩に付いたゴミを軽く払いのけ

「ブタスペシャルよくもやってくれたな!」

そう言うとロボットの目が光、レーザービームが発射された。ビームは佐藤の頬をかすめ後ろの草が焦げた。


「チッ、次は外さない!」

「コロ助君、レーザーは一週間に一回しか撃てないよって言ったよね」

清野が優しくコロ助に話し掛ける。

「ご主人様ごめんナリ~」

佐藤は腰を抜かし尻餅を付いたまま動けなかった。


「どうしたんですか!警部補?」

腰を抜かす佐藤の後ろには驚いた様子のメイが立っていた。

「あっ、あれ?警部補こちらの方々は?」

「ああ。ただの通行人。エキストラみたいなもんだよ。」

佐藤はふて腐れた表情で答えた。


「ひどいなあ、警部補。えーと、早月メイさんですね。

 初めまして我々泣く子も騙す、EXILE探偵社の清野耕助です。こちらが助手の納谷ルミコ君。で、その隣りにいるのがお手伝いのコロ助君。」


「あっ!あの有名な、毒入りコーラ本当は毒なんて入ってなかった事件を解決した!有名な探偵さんですよね!お会いできて光栄です!」


「よくご存じで、こちらこそ光栄です。まっ、ご挨拶はこの程度で…。状況はいかがですか?」


「はい。今あちらに、事件の容疑者を集めた所です。」


「そうですか。ではそちらに向かいましょう。さっ!警部補も一緒に!あなたが頼りですから。」


「おっ…おう!そうか探偵…。

よし!いろいろ納得出来ない点はあるが、これは遊びじゃなく事件だしな!皆で協力しながら事件を解決させようじゃないか!」

と、さっきまでのふて腐れた表情はよそに佐藤は威勢良く答えた。


その時だ!


バシャーン!


佐藤の頭上からバケツ一杯分の水が落ちてきた!


柱の影からルミコが、その影からコロ助が、おもちゃのブタの鼻を付けほくそ笑んでいた。


「ご主人様。こんな何もない村、久し振りナリねぇ~」

「そうだね、温泉くらいあったら事件さっさと終わらせてのんびりするんだけど‥‥」

「すいません‥‥」

丸米は申し訳なく頭を下げた。

「マルコムいいナリ、気にすんな」

コロ助は親指をたてニヤリと笑った。

「【まるこめ】なんですけど‥‥」

「ナイス!マルコム‥‥」

それを聞いたルミコはほくそ笑んでいた。

「本日は遠い所ご苦労様でございます」

集会場には白髪の老婆が立っていた。

「皆さん、私の祖母で丸米ミソです」

ミソは深く頭を下げた。

「皆様中でお待ちになっておりますよ」

「じゃあ、ここは警部補がお先にどうぞ」

「探偵、またあいつらが何か企んでるんだろうが、もう騙されないぞ」

「もうそんなことしませんよ、話が進みませんから。真面目にやりましょう!」

「そっ、そうだな。」

びしょ濡れの佐藤は勢いを付けて扉を開けた。

「皆さんお待たせしました!警察で‥‥」


その時だ!


ザザーッ!


大量の白い粉が佐藤に降り注いだ!佐藤の体が真っ白になり、ビックリした目だけがパチパチしている。


佐藤の後ろではルミコとコロ助が腹を抱えハイタッチしながら大爆笑していた。

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