第10話☆異世界の街

遂に異世界の街に到達した。


移民都市アマテラスを出て一月程も掛かってしまった。


森を抜けて平原に出て 意外に近くに有る城郭都市


今は八咫烏のミサキちゃん(旅の途中で名付けた)に頼んで偵察してもらっている。


俺の千里眼で見ても良いのだが、気付く人間が居る事も踏まえ、烏の大きさのミサキちゃん(名付けたけどミサザキ先生の眷属なので名付け効果は無かった)使い魔として説明する予定なので言い訳完璧…なハズ


「カエッテ来ました 御嬢様~」


ミサキちゃん(ちゃんを付けないと拗ねる)は俺を御嬢様呼ばわりする…姫よりましか?カネサダの姫呼ばわりは訂正不能…オレはイイトコ出の御嬢様と言う設定になってしまった。


勿論イケメン美丈夫カネサダは臣下で騎士的サムライ野郎に…しかしコイツは融通が全く効かない…一直線野郎である。


今後が非常に心配である。


さて気を取りなおして街の説明と行こう、ミサザキちゃんの説明では街の入場料は500ガメル(500円)位かな?冒険者ギルドの存在も商業ギルドの存在も確認された。(ガッツポーズ)


他にも各種ギルドが有り、色々とテンプレが有ったが…ギルドに属さない冒険者と言う者もいるらしい、『カンパニー』と呼ばれる制度で認められた集団(カンパニー)に属していればその集団(カンパニー)独自のサービスを受けられるそうだ。


「冒険者の会社に近い物なでしょうね」


「ハイ御嬢様 ワタクシもそう思いマスゥ」


「御意」


国に認められたカントリー・カンパニーと領主などの貴族に認められたエリア・カンパニーが有るのだそうだ。


余談だが『異世界言語』は『英語&日本語』に脳内変換しておく、精神的種族の『あやかし』には知性的生物の言葉が(想いで)伝わるのでその意味の言語に変換しておく…ゴブリンなどのモンスターは下ネタが多い(俺に向かって言うのでキモイ!放送禁止決定!)未通訳にしている。


地球に無い物や無い事は異世界発音にしておくが、言語通訳が標準装備の「あやかし」は存在が既にチートである。


しかしミサキちゃんの情報収集能力はかなり高そうだ、短時間で直ぐにココまで情報を拾ってくるとは!10分位か?


俺達はその街 クラクフの街 に入る事にする。


街を囲む城壁は砂岩で出来ており所々が木造である、何かしら修復中か仕掛けでも有るのかもしれない 壁の高さは8~9メートルか?13メートル程の塔が壁の各所に幾つか見える。


後で城壁は街全体を覆ってはいない事を知る。


反対側は丘などを利用して強固な城郭都市として機能しているようである。


つまり何かしらの戦闘が起り得る都市と言う事だ。


堀や跳ね橋と言ったものは無いが、塔が堡塁の様な機能を果たしているのだろう、大砲の代わりに魔法でも打ち出すのかもしれない…異世界人の強さと技術力が非常に気になるところではあるが、ローマ時代くらいの文明ではあるらしい。


よく中世を引き合いに出す事が有るが、紀元前の中国の始皇帝の街や万里の長城…古代ローマの水道橋を思い出してほしい…戦乱が有れば防衛施設が進歩する。


戦争と技術進歩は比例して進歩していく物だと思う。


平和な時代になると文化が花開くと言った具合か。


ここはどうなのだろうか?戦乱か?平和か?そう言えば荒廃した世界と聞いたような?


因みに門を潜ってから…道行く人間達の視線が痛い…オレは『白面』を被っている。


これを被らないと『傾国の美女』が発動して国が亡ぶ(分身のなので大丈夫か?)白面は特殊効果で魅力が-1200ある…白狐の巫女服で+200だが…特殊効果も踏まえて着て来た。(こちらが目立つのか?)


そのせいかカンパニーのスカウトが酷い…ペラペラと自分の属するカンパニーの売り込みがスゴイ…門の入場料を魔石払いしたのが目ざとく見られていたのも有るのか。


ミサキちゃんの情報は1分もかからづ収集出来てしまった。(ダダ漏れだよこいつ等)


ただのゴブリンの魔石と思っていた物がキングゴブリンの物だったらしい、どれも普通のゴブリンに見えたのだが…。(鑑定もとい現状確認しても分からなかった・モンスターや物の鑑定は分からない!スキルで別に有るのかも?)


しかし…群がる人間を見つつ思う…案外勧誘ノルマが有るのかもしれない、大体の勧誘はカネサダの殺意の波動(笑)で逃げて行くが、ソレすら勧誘の良い材料になるらしく(当然か)地味にウザイ…これはこれでイベントなのだろうけれども…

そうそう、カネサダも俺も『人化』している…狐耳や尻尾 鬼の角など重要情報は秘匿しておかねばならない…余談だが(余談多いか?)私は獣化(真名開放)で能力を数倍に跳ね上げる事が出来る。


カネサダも鬼化で倍近く能力が跳ね上がる。


ミサキちゃんは無いそうだけれど(寂しそうに言われた)変身は醍醐味だよね?魔法少女プリティーイオリンの登場も近いか(嘘)


2人の和服が目立つのでは?と言う話になり近くの服屋で『地味なマント』を購入 俺はフード付きで白面も隠しておいた。


この白面は口が開いているタイプである、異世界の食事を楽し…げふんげふん…調査して文明レベルをチェックせねば!仕事だ~仕事だ~!


余談だが(道草最高♪)先代の『お姉ちゃん』に どんぐり を渡し最初の約束を果たした後に、彼女から貰った『白面』は本体が被っている。


ゴブリンキングの魔石で得た報酬が意外に多く、むやみに魔石(ゴブリンなのに!)を売るのは目立つ(手遅れか?)


用心のため早めに宿を取る事にする。


道で花を売る少女にイケメンを嗾け(案の定ポッ~となった)イケメン爆ぜろ!!!


少女一押しの『輝きの渚亭』(キラキラ押しかよ!)に俺達は10日程の宿を取ることになった。


中庭の有る中々お洒落な佇まいの宿でランプはやはり魔石で光る魔法の道具、部屋にはカーテン式だがトイレ付きのユニットバスである。(シャワーは無いが)


どれも魔石でお湯も水も出る 不思議仕様で異世界パワーをひしひしと感じる。


「中々侮れない!異世界ホテル!」


ああっ勿論一人部屋 カネサダは隣でミサキちゃんと同部屋だ。(召喚獣と報告済み)


しばらくはこのクラクフの街で情報収集と行きましょう!


朝早くからこの街に来てしまったので、これから朝食になるのだがさあ異世界で初めての『闘い』が始まる!!メシじゃ♪メシじゃ♪


「… … …」


豆スープ 堅いパン 目玉焼き 以上!


どうやら異世界朝食はジャブで様子見のようだ。


自室に戻り ミサキちゃんをもう一度偵察に出し カネサダは待機命令を出す(命令しないと無表情で抗議してくるイケメンがー! 俺 無言に弱いかも!)そして俺はこの街での情報収集法や今後の予定を考えるのであった。


1人と1羽に相談しロッテ?「御随意に」「ワタクシ鳥頭ナンデ~♪」鬼は兎も角ミサキちゃんはミサザキさんの命令でも受けている?アホな訳ないだろ!八咫烏が!!

本当は賢いだろ!嘘つき!高二の脳みそに期待するなよ!?助けて~ド○えも~ん!!


「困ったときの 本体報告♪ポチッとな」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



こちら…本体…LIVE中継されているけれど敢えてポチッと切り替わる♪


3+1巨頭会議を招集する。


「叩き潰すか?」


「ここは先制攻撃が宜しいかと」


「あたしがズ~ンしてバ~ンしてボ~ンする~」


こいつ等に平和路線は無いらしい…


優秀な参謀!求む!!週休0 年中無休!8760時間戦えるバーサーカー!!出て来いやぁ!!!




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