第11話☆愛ゆえに…
「異国の姫が来たと?」
「はっ!その様に報告が上がっております」
警備隊隊長のゲオルグから早朝に叩き起こされて報告を受ける。
私はクラクフ領が主(もうすぐ)にして、クラクフ伯爵が一女 マリア・デ・クラクフである。
伯爵への叙爵は現在申請中である、父が王都での大臣職就任を期にクラクフ伯爵領を長女(一人っ子だが)の私が継ぐ事になっている。
因みに独身の25歳…そろそろ行き遅れも有り得る!ヤベ~(白目)
王都の友人達はそろそろ3人目だとか…なんだとか(何だと~!)
「その姫の動向は?」
外交ならば先手必勝が常 本当に異国の姫が来たのならば チャンスと言える。(キリリ)
「輝きの渚亭に10泊するそうで御座います」
来たこれー!!来た――!!クラフクの街最高の宿に10日?あそこは最新の魔道具を惜し気も無く設置しているカラグナ商会(ロベリア王国最大商会)の超高級宿である!!
カラグナ商会は海沿いの街 カラトガに本店が有るため、クラクフ領には海も無いのに『輝きの渚亭』なんぞと(商会長が妻と出会ったのがキラメク渚的だったらしい)キ―――!!!私だって!!出会いが有れば!!出会いが有れば!!モノにして見せるのに!!
兎に角…ヤベ~色々 ヤベ~姫じゃなく王子ならよかったのに!!!
キ――――!!
「他にソレらしい情報は?」(キリリッ)
勿論 内心を 白鳥の足の様に隠し(淑女の嗜み)にこやかに(重要)キラキラと(更に重要)ゲオルグは独身…ゲオルグは独身!(ここ重要!)
「はっ 見慣れぬ服を着ていたそうです しかもかなりの高級な…それと使い魔がいるとか…」
(常に下を向く…肉食淑女…ヤベー 目が逝っている)
領民達はマリア・デ・クラクフを優秀な伯爵の娘で それに劣らぬほどの優秀な領主代行だと認識している。
しかし 彼女の部下達(未婚イケメンに限る)は皆 彼女を恐れた…肉食淑女 オークも避ける肉食淑女と噂されている… 彼女はとても美人である。
美しい金色の髪 白い肌 細いウエスト出る所は出ているし…本当に美人なのだが…残念な事に目が怖かった…彼女に見つめられると…何処とは言わないが『キュッ』となる…とはゲオルグ談である。
「直ぐに 面会に行きましょう 私の感が(イケメンセンサー)そう言っています」
彼女は遂に…運命に出会う…
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「愛ゆえに…」
俺の前でトンデモナイ茶番が炸裂している…コレが…異界神の刺客に違いない…
「… … …」キラキラッ
「ああ!カネサダ様!何とお美しい御名前!」(ギラギラッ)
カネサダは私の部屋のドアの前で護衛(突っ立っていたらしい)していた。
そこに 異界神の刺客が現れてカネサダの無表情アタックVSギラギラ?スマイルの攻防戦が続いているのである。
「じゃ そういう事で」
何かどっと疲れたので後は任せて寝る事にする。
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思わず 章を跨ぐ程の時間が経過し(体感)この街の領主?代行と名乗る刺客(マリア)と対決 もとい 対面する。
彼女のメイドにお茶を入れて貰い…2人は対面?(刺客の目線は××キモイ)後ろの護衛?の何とか隊長のワザとらしい咳で再起動したらしい刺客は…こちらの情報を引き出そうとする。
こいつ等?潰すか?イヤイヤあの3人と同じ思想はイケないでしょう?
「御隠しにならなくとも分かっておりますとも」
彼女はにこやかに此方の否定を根拠0で討ち消して行く…『姫じゃない』『国の特使では無い』『交易?なんじゃそれ?』etc
流石和は異界神の刺客!コイツ!!デキル!!!話聞かないスキルとか有るのかもしれない…
あれよあれよと思う(言う)間に…領主の館に晩餐に招待されてしまった。
「カネサダ あの刺客 落としてみたら?」イケメンパワーで…
「はっ! しかとあの首!切り取ってお見せ致します!」
「そこは!落とすな―――――――――――!!」
もうヤダ!バトルジャンキー共めー!
「チガウのよカネサダ あのコのシタをブチヌクのヨ」
ごにょごにょと カネサダに吹き込む ミサキちゃん…耳年魔?340歳だから経験豊富か?
カネサダは149歳だろう?こちとら2歳だぜバブー ワタチ サッパリ分からないよ!!
「あ――――こちら2号――――本体助けて――――ど―――ぞ――――」
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「と 言う 事なのだけれど…」
再び3+1巨頭(2巨乳)会議招集…
「叩き潰すか?」
「ここは先制攻撃が宜しいかと」
「あたしがズ~ンしてバ~ンしてボ~ンする~」
こいつ 高齢で ボケた?ワザとか畜生!!あっ畜生(動物)は俺か!?
「冗談はこれぐらいで 交易 宜しいのでは? 八咫に幾つも野菜や調味料 工芸品なども少し持たせておりますので…交渉にお使いになれば宜しいかと」
「こちらの世界の野菜やその他の情報も無いし アチラからしたら異世界の物だけれど?」
「異国の 物 で御座います 御嬢さま」
ニコリと上品に微笑む天狗執事…鼻は長くないのが…天狗らしくない…性格はやはり極悪かも…
「そうね 交易 してみましょうか…」
こちら(日本)の品で文化的に侵略するのもアリ?胡椒と砂糖も作るか?まだ市場調査も終ってないのに!?
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「ピコッ! 本体からの指令! 至急野菜など色々な物の市場価格の調査!それとミサキちゃんの持ち物を全部教えて!」
怒涛の勢いで 異世界での俺達の物語が動き始めた。
これはチャンスか?それともピンチか?あと99年無事に過ごせるのか?
奴は異世界神の刺客か?それとも単なる普通イベントか?あの強力な眼力はもしかして『魔眼!?』交易の品はどうしよう?
「「御心のままに!」」
どいつもこいつも 丸投げが過ぎる!愛をオレに!!
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