第4話☆来訪
「それで 受けるのかい?伊織や」
狐御殿に帰って『姉』に事情を説明すると 行くのか?と普通に聞かれた。
「てっきり 怒ると思ったよ」
「ふむ まあ 確かに怒るところ なのじゃろうが… 新代の今の伊織なら打って付であるしのう」
妙に納得して肯く姉さん…俺も残って苦労するかアチラに行って苦労するかで、何方でも苦労するのが確定なので(涙)覚悟はしておくつもりだ。
「金剛様がいらっしゃいました」
女官が恭しく伝えてくれる 彼女達も全員狐である『白狐』と呼ばれる神使である。
皆美人ばかりなのだがお話し一つしていない、ぜひともお近づきになりたいデス!
「金剛か… 伊織 相手をしてやるがよい」
『霊体』を新生させた『姉』はスタコラ居なくなった…苦手な相手?なのだろうか…金剛って…強そう(怖)
女官白狐に連れられて客間に入ろうとして、巨大な青い壁にぶつかる。
上を見ると巨大な鬼の顔が有った 思わず…ボディーブロー!先手必勝!!と思ったけど止めた 客?鬼?パンチダメ?ナカヨクシヨウゼ!!
デカイ鬼は慌てて後ろに下がった。意外にビビリ?金剛弱い?
「どうも 初めまして新代の九尾 私が 金剛だ」
デカイ鬼は2体いた 青のと赤いの そして色鬼…着流した着物に鼈甲の簪が複数挿され、遊女なルックで凄く色っぽい…花魁鬼!お友達になりたいです!!はい!!
「いいです?」
「いいです…」
何がいいのか知らないが!貴方なら何でもOK!
彼女は ぷは― と煙管で一服し始める。
俺は何も知らないまま『最強の鬼』と会話し始めるのであった。
金剛は今代の『酒吞童子』でありデカイ赤鬼が『前鬼』デカイ青鬼が『後鬼』と言うラシイ…殴らなくて好かった…良い方の鬼じゃん!
彼女は『異世界移民』に『武力』として派遣を要請されているのだそうだ。
「久しく無い 『戦』 に駆り出されるのは 正直嬉しい しかしアチラがよう分からん ほんで知っていそうな 新代に聞きに来たんよ」
確かに アノ 天照様から話を聞き出すのは大変かもしれない、途中で愚痴になり 道がソレ 迷走し 忘れる 思い出す でなんとか聞き出した話(意外に面白かったが…)
彼女から聞き出した『異世界』のはなしを要約して彼女に教えてあげた。
『異世界』はモンスターと魔法の有る世界で『悪神』と『善神』の戦いが有り『荒廃』気味であり 力が衰え 世界の荒廃を憂いた『異世界の神』に『異世界移民』を承諾させた事…ヤバソウな話ではあるが…遣り甲斐は有りそうだと言う事を『オレの知っている事全てを』彼女に伝えた。
「伊織 あんた 良い人(狐)やな」
「そりゃあ 彼方に一緒に行くのなら 同志で仲間で友達ですからね」
色っぽいお姉さんと仲良くなりたいです!(俺…女ダケドネ)
彼女と赤青はお礼を言いって帰って行った。色鬼は残ってもイイのに!
帰って異世界行きのメンバーを繋り 編成するそうだ…金剛は異世界に『行く』そうだ。
「むむむ 行く派に一票か…」
俺の異世界行きたいか?に一票入ったのであった。
少し考え事をしていたが、女官白狐に促され 着替えて 食事をした。
1年ぶりの食事…『姉』の指示だそうだ 美味しく食べました。
白狐達との絡みは明日以降にする…とても疲れた(気がした)ので久々に『布団』で寝た。
次の日 朝食を食べていると また来客が有った。
「白峯様がいらっしゃいました」
「アイツか… 伊織 相手をしてやれ」
また『姉』はスタコラ消えていった『霊体』だから歩いてないけれどね(笑)
アイツと言う事は 姉さん的に厄介な相手なのかも…今までで一番苦手な相手?
そんな雰囲気であった。
女官白狐に連れられて客間に行く 今度はすんなり入れた。
そこに居たのは 品の良い老紳士 ただ執事服?をかっちり着ていて俺の十二単とコレじゃないマッチング…和風じゃない人初めて見たかも…
「こんにちは お嬢様 白峯 陵(シラミネ ミサザキ)と申します 以後 お見知り置きを」
やはり 何か違う気がするが 突っ込んだら負けなのだろう 彼の背中の黒い羽根が(堕天使?)妙に執事服とマッチしている。
「私は伊織と言います 新代の九尾 やっています 宜しくお願いがいしますね」
少し フランク?に挨拶してみた 勿論後で後悔したが 意外に高評価であった様だ。
白峯 陵さんは(話の流れで何故か以降 ミサザキと呼ぶことになった)大天狗(堕天使じゃ無いのかよ!)で祟徳天皇の御霊を引き継いでいるらしい…七百年以上も日本を呪い続けた大怨霊じゃないかぁ――――!!
?昨日の 金剛ちゃんと俺とオッサンで日本三大悪妖怪じゃね――――――!?
どんな 三銃士よ?ダルタニアンは来るのか?四銃士時代も有るかも…ごくり
オッサンもとい ミサザキ先生!(怖)が言うには『金剛嬢も来たと話に聞いたので 自分も話を聴かせて欲しい』と言う事らしく…昨日と同じ話を要約して 先生に話して聞かせた。
「成る程 魔法ですか エゲレスに有ると言う魔術と同じですかな?」
「エゲレス?ああ イギリス… 少し違う様です 魔術もしくは法術は触媒を必要とした術式形態が主ですが 魔法は何方かと言うと神通力や超能力に近い物だと思います 気功などにも似ていると思いますよ」
ミサザキ先生にああだこうだと 『異世界論議』で盛り上がったが、傍から見るとイタイ中二病論議… 少し凹む…しかし 三大悪妖怪が揃うとは…異世界追放では無いよね?
「私達を厄介払いで異世界送りにしようとしている?訳では 無いですよね?」
暫く考える大天狗…おい有るのかよ?追放?左遷?島流し?アンタじゃん(怖)
「それ は無いでしょうな 天照様は 腹芸の出来ぬ御方 月読様ならあるいは…まあ得る物より失う物の多い事ですからな 聞いた話では月読様が推進派で須佐能様が懐疑派とか」
「懐疑派?」
「ええ どうせヤルのなら 神妖一体で全軍でぶつかるべきだと…」
流石スサノウ先生…ヤバイ!ヤバすぎる!『幻想侵略』にタイトルを変えるべきか?それでも良いよ?
「まあ 彼方の神が弱っているからアリだと私も思いますが」
「じゃあ 先生 後はお願いします」
思わず どうぞ どうぞ をする俺…武闘派は違うぜ!血は争えない?争そってる?恐いよーママ―!
「いえいえ 我々は壊すのは得意ですが 今回はあちらの神との関係を『創』る時なので御嬢様に頑張って頂かねばなりません」
我々…我々か…今は? 今後は? 日本が沈むような事がおきた時の保険?後ろ盾が有るか?見捨てられる事は無い?侵略軍の先鋒?考えはグルグル回り答えなど出なかった。
「では 御嬢様 失礼致します」
天狗執事は帰って行った。
マジどうしよ―――――――――――――――!!!
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