第3話☆ミッション

俺は今 トンデモナイ人?の前に居る。


相手はヒトでは無いが…ヒトデナシではない…なに言ってんだよ!?オッサンか?いや?妖狐だよ(苦笑)


「では よろしく頼む」


彼女は そう言って 頭 を深く下げたのであった。


これだけでは何の事か分からないので、オレの回想をどうぞ!


あれはついさっき?の事…



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「アヤツが呼んでおる準備せい 伊織」


「アヤツ?準備?」


『座禅寝』していた俺の頭をポカリと叩き 襟首をつかみ引きずって行く『姉』…捨て猫か俺は?実体化出来る様になった?姉さん?


引きずられていった先は 何処かの『日本屋敷』わらわらと湧いて出て来た『女官』達…皆 狐で皆 美人!


これはアレだ!『源氏物語』に出て来た情景だ!?平安調と言うか…そんな感じの…何か…アレ…


むきむき むいむい…きゅきゅきゅ…


俺は修行の為に着ていた『巫女服』を脱がされ あっという間に『十二単』に着替えさせられた。


これって 蝉の抜け殻みたいに 脱げるらしい?アレじゃね?とか考えている間に、また『姉』に引きずられて行く俺…そろそろ泣きそう…


何時の間にか『海』にきて何時の間にか『門』を潜り そこで『姉』に「じゃあの」と放置された。


「捨て猫…捨て狐か?」


そんな事を思う俺をまた美人な『女官』が現れて 導いてくれた「女神降臨かよ!」と感謝していたが…本当の女神がそこに居た。


一段高い座敷に座り 御簾が上がった先に居た 彼女は 自分の事を『天照皇大神』であると名乗った。


彼女が俺を呼んだ理由それは…一言で言えば『移民』であった。


「いきなりで 悪いのじゃが 下々の妖怪を率いて 異界に行って欲しいのじゃ」


「… … … 」


急展開に急展開でついて行けない俺は『沈黙』で返す。


黙っていれば大体の事は上手くいく?行ってくれ?


「行くかボケ―――――――――――――――――!!!」


黙るかよ!ボケ!異界ってなんじゃ―――――コラ!人間辞めた次は!異界左遷かボケ――!!


「うむむ 勿論 チート付じゃぞ? 今ならホレ!アレも付けるぞ!アレじゃ――――アレ?なんじゃったかのう?」


何だか 色々 残念だよ アヤツ呼ばわりが分かったよ『天岩戸』にぶち込んでやるよ!!


「誤解じゃ! 誤解! 我の話を聞いておくれ!」


マジ切れした俺に彼女は半泣きで説明してくれた。


近代に入り色々な物(者)が消えていった、神秘は科学に暴かれ、神性も多くが失われつつあると…その最たる者が『あやかし』『妖怪』と言われる者達であると…


「ウォッチ的な何かでヒットしたのでは?」


「新生はしたのぅ しかし そうでは無くてな」


新たに生まれる者は確かにあるが『定着』する前に『消える』そうだ。

何処かの芸人の様に『一発』で消えるため最低でも『百年』はヒットせねばならないそうだ。


「どんな無理ゲーだよ?百年ヒットって!」


「うむうむ しかしいい線 行っておる者もおるぞ!青い猫的なロボとか口の無い猫とか黒い赤パンツなネズミ!そしてほれ!アンの入った顔の赤いアヤツは幼児には絶大な信仰を集めておる!我の数百倍の信仰力じゃ!」


日本の最高神はアンパンに負けるのか…幼児の無垢な信仰力(泣く子が黙るアレ)…欲塗れの見返り信仰の比ではないとか…泣けてくる。凄いよ!アンパン!凄過ぎるよ!大先生!


「話が逸れおったの ホレ アレじゃアレ」


其処から彼女の説明は4日ほどかかった。


要するに『種』になった『妖怪』を復活させる為に『異世界に行け』と言う事らしい…略しすぎたかな?


忍耐修行の成果で4日ぐらいなら「のじゃ語」を傾聴するぐらい訳ないぜ?俺スーパー成長!九尾スゲー(無関係?)


おっとまず『種』なのだが『もののけの素デ-タ』と言った処で有るらしい、正確には違うのだが…怨霊・死霊・生霊・妖怪・変化などの成れの果て、もののけに死は無いので消える事はほとんど無いのだが、現代に入り『消えそう』になっているらしい…神でも消えるこのご時世『種』にはそんな『神』も多く入っているとか…(芸人かよ)


時代時代の人間の信仰や思いが『神秘』『神性』を生み出してきたが『現代科学』に駆逐され始めている。


其の為『新たな世界』に『移住』してはどうか?と『神々の会議』出雲に集結するアレか?で議案が出て、賛成多数で可決されたそうだ。


そこで『力ある者』を『異界に』と本気で移民する派が白羽の矢を刺したのが、お稲荷様でまだまだ力が有り、九尾の大陸から日本に流れて来た話で…移民実績が有る『白面金毛九尾狐』に是非にと!(逃げて来ただけじゃ?)しかも最近代変りで「異世界」に明るい!と(天照談♯ブッコロ)


「色々 チート付けるのでお願いじゃ!」


と言う訳である。


色々と略してしまったが、概ねこんな感じの『お願い』であった。


案件が案件なので「先代と相談します」と言って その場は逃げる事に『成功』したのであった。


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