異能!?特殊能力!?俺が使いこなしてやるよ!!

@tatunon

第1話

あれは俺が中学生の頃の話、大雨が降っていた時のことだった。雨のせいか辺りは薄暗くなっていた。

俺は、傘をさし買い物に行く途中だった、しばらく歩いていると、大通りの方から女の子の泣き声が聞こえてきた。俺はその方へ駆け寄ってみた。

見えてきたのは、横断歩道の中心で蹲り泣いている女の子。

足を滑らせたのか、女の子の足には痛々しい傷がある。

「助けにいかなきゃ!」

そう思った俺は傘を投げ捨て、女の子がいる横断歩道へ走った、しかし向い側から猛スピードで来る車にかなうはずも無く、どう足掻いても絶望的だった。そう思っていた。

「止まった...?」

向こうから猛スピードで来ていたはずの車が止まっている、いや車だけではなく、通行人、空から落ちてくる雨までもが止まっている。

そう、時がとまっているのだ。

「どうなってるか分からないけど助かった...」

訳も分からないまま女の子を抱え上げ助け出し無事を確認して一息ついていると後ろから、か細い女の子の声が聞こえてきた。

「無事で良かった...」

「よかった。知り合い..か?」

後ろを振り向くがそこには人の姿はなかった。気のせいだったのだろうか。

「さっきの横断歩道のやつは一体...でもいまは、この女の子からだ」

そうこれが俺にとって最初の異能体験となった。


「起きて兄さん」

朝から天使の様なあまーい萌ボイスで起こしてくれるのは俺の自慢の妹 田鶴乃 佳愛。

「凄く可愛いお兄ちゃんがお嫁さんにもらいたいぐらいだ。」

「兄さんはなに朝から言ってんの控えめに言ってキモイってゆうんだよそれ。」

「心の声が読まれた!?...妹よ貴様異能力者だなっ!」

「はいはい普通に喋ってましたよ、しかも異能だなんて絵本の中の話でしょ?」

「いや、お兄ちゃんは見たんだ!周りの時間が止まったようになったところをな!その時のお兄ちゃんの武勇伝を聞かせ」

「あ〜はいはい分かったから朝ごはん作ってるから早く食べてねー私先に学校いくから!ちゃんと戸締りするんだよ〜」

「まて!まだ話が!」

妹は颯爽と部屋から出ていく、全く妹に相手にされない朝、俺はせっせと準備をし愛する妹の朝飯を食べ家を出る準備を進める。

「よし。窓おっけい!玄関おっけい!行ってきます!」

軽快に自転車を漕ぎ出す、春の風が心地いい、空には雲一つない青空が広がっている俺の高校デビューに相応しい天気だ。

紹介が遅れた俺はこの春から〇〇〇学園に通う事になった田鶴乃 正義だ勉強はそこそこできる。

容姿はいたって普通だ。

「正義君!おはよ!いい天気だね〜〜」

「ん?なんだ琴雪か、おはよう」

「な..」

「え..?」

(私の髪型には完全スルーなんだ...)

「どうした琴雪?」

「なんもない!もうこんな時間!早く学校行かないと!正義いくよ!」

「そうだな急ぐとするか」

朝から美少女二人に声を掛けられるとは中々いいもんだな。

ちなみにこの美少女はおれとは中学からの付き合いになる 塔ノ内 琴雪。

ここら辺ではかなり有名な塔ノ内家の娘。

容姿端麗、成績優秀俺の近くにいることが不思議なくらいだ。

こいつは中学の頃助けてあげた女の子だ。

あの時からこいつにはよくしてもらっているそのお陰で男子からの目線はいたいんだがな...


「おー正義元気してたか〜?」

「ん、瑛太も同じ高校だったのか、まさか同じクラスまでにもなってるなんてないよな。」

「そのまさかだ」

「まじかよ、俺たち子供の時から離れたことないよな...運命の赤い糸でもあるのかよ。」

「お前休み明けてそっちの趣味にはしったのかよ」

「馬鹿言え例え話だよ。安心しろ俺は最近噂になってる異能が使えるって言う女の子にしか興味はねぇよ。」

「まだそんなこと言ってんのかよ!まぁ異能か信じない訳じゃないがあったらいいな。」

「あったらじゃなくてあるんだ。」

「はいはいそうかい、HR始まんぞ」

こいつは幼い頃からの腐れ縁 瀬川瑛太。

性格、見た目は『チャラ男』で通じる。


放課後いつもの通り瑛太が俺を誘いに来た

「やっと放課後か~さて帰るとしますかね。」

「正義〜帰りマックよって行かね?」

「わりぃ瑛太今日は家でゴロゴロしたい気分なんだ」

「ん、あんまりいつもと変わんねーじゃん!まぁ仕方ない今日は勘弁してやるよ、じゃ気をつけて帰れよ〜最近物騒だからよ」

「そん時は異能力者が助けに来てくれるさ!」

「へいへい、んじゃあな!」

「お〜う!」

今日はやけに冷える、朝はあんなにポカポカ陽気だったのに気味が悪い。さっさと帰ろ。帰宅部舐めんな。


「ただいま〜愛しの妹とよ今帰ったぞ〜!!」

「・・・」

「スルーかよ...佳愛帰ってんなら返事しろ〜」

玄関をあがりながら、リビングのドアノブに手をかける。

「佳愛〜いるのか〜?」

ドアを開けた先は、さっきまでいたはずの玄関だった。

「え...俺さっきまで玄関いたような感じがするんだが..??」

「ただいま〜!!」

後ろから、聞き慣れた甘い声が聞こえた。

「おい!佳愛聞いてくれ!今、リビングのドアを開けたんだ!そうしたらだな、玄関に戻ってきてしまった!兄ちゃん異能力がつかえるかもしれん。」

「兄さん?帰ってるの〜?おっかしいなぁ...こんな時間になっても帰ってこないなんて」

「ん?佳愛さん?俺ここにいますよ?おーい!」

「先にご飯作って待ってよっと..!!」

「え..俺、二酸化炭素かなんか?地球温暖化俺のしわざだった?」

すると、後ろから俺の名前を呼ぶ女の子の声がした。俺は、その方を振り向くと同時に胸が焼ける様な痛みがはしった。

「これは"神隠し"まぁ場合によっては"天狗隠し"なんて言ったりするかな?あ、それよりその胸に刺さってる刀、無理に抜かないでね」

正義は、意識が朦朧としている中、少女の声だけが耳に入ってくる。

「すぐ楽になるから」

その言葉を最後に俺は、気を失った。いや死んでしまったんだろう。






「お目覚めのじかんですよ」

(聞き慣れない声だ夢でも見てるのかな。つか俺死んだの?)

「早く起きないと佳愛ちゃんに、手出しますよ〜♪」

「それだけは、やめてくれぇぇい!!」

「あ、やっと起きた、おはようございます」

「あ、おはようございます...ってお前誰?」

「申し遅れました私、游と申します。こんなナリで男です。」

「え、まじ、美少女居候ルートじゃないの?こっから俺、美少年にヤられるの?」

「なんで、最初っからそうゆう方向に持っていくんですか。」

「起きたら傍に美少女がいたからかな。(キリッ」

「あ、そうですか。今からあなたに大事なお話があります。聞いてください。」

「お、おう?」

「あなた達には、信じ難い話だとは思いますが、人間に危害を加える、化物と言ったらいいのかな?そいつらが暴れ回ってる、どうも人間も絡んでるっぽいんだよなぁ...」

「ほうほう。つまり、俺に世界を救ってほしいと!?いやー参った参った!」

「いや..ま、まぁそんな所なんだけど、いきなりよくこんな話信じられるね(笑)」

「異能が存在する世の中だしな!そんな事あってもおかしくねーよ!」

「そっか。じゃあ説明するね。君には簡単にゆうと化物退治を手伝ってもらいたい。君の友人、幼馴染を助けるとでもおもってくれ。」

急遽突きつけられた大役に正義は興奮と恐怖二つの感情が正義の中で入り交じっている。

「君の武器なんだけど。君は、憑依型武器の系統は「刀」って所かな?」

「憑依型?」

「そう、君は運がいいのか悪いのか、憑依型はあらゆる生物、空想上の生き物、神でさえもその武器に憑依させて使うんだ。使うのには時間がかかるかもね。」

「なんだそれ...何もうちょっと..なぁ..S〇Aみたいなソードスキル的なもんが欲しかっt..」

グラグラ...正義達がいる建物全体が揺れ始めた。正義達がいるのはごく普通二階建ての一軒家とくにボロいとかそんな訳じゃない。

「地震か?」

「地震ですかね?」

正義と游は地震の揺れを感じつつもそこまで気にする素振りを見せない、正義がさっきの話の続きをしようとした時。一階の方から佳愛の叫び声と今までに聞いた事ない何かの声が聞こえてきた。

それも1回じゃない、何十回も聞いたことがない声が。

「佳愛ッ!?」

正義は急いで佳愛を方へ戻ろうどしたが、服を捕まれ勢いで倒れる。

「何してんだよ!!こんなことしてる場合じゃねーから!」

「正義さん、落ち着いてください!今、正義さんがいっても無駄なだけです!かなり大量にいるんです。ここは私と一旦引いて、助けを呼びましょう!」

游を振り払い正義は一階に走った。でも遅かった。妹佳愛の姿は変わり果てていた。

「佳愛?嘘だよな(笑)兄ちゃんおいて遠く、行くなんて聞いて無いぞ?」

正義は心身共にズタボロにされていた。あと1歩いや3歩速かったら助かって他かもしれないのに..

「兄さん?」

絶望していた俺に背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「佳愛?」

後ろを振り返るとそこには、妹ではなく游がたっていた。

「どうでしょうか?私の真似、似てました?」

「..のか?」

「ん?笑少々聞きずらいのでもう一度お願いできます?」

「お前がやったのかって聞いてんだよ..」

「何を言ってらっしゃるんですか私は、あなたの憎しみの感情が増えていくのを楽しんでいるだけですよ?」

「憎しみ...?お前游じゃねーだろ。だれなんだよ。」

「游ですよ?この世界ではね?」

「とっとと正体明かせよ。」

正義は手に刀を取り鞘から鋭い刃を取り出し構える。

「おー。怖い怖い。まぁ、いいでしょう。

私はミカエリスの悪魔、階級第9位「ソンネイロン」人の憎しみとゆう感情が大好物です♡」

「悪魔?」

「そう悪魔です。まぁ、自己紹介はここまで。私も正体明かしたからには、貴方を生かすわけにはいかないので。」



正義には一瞬の出来事で何が起こったのかは分からなかった。目の前には刃が飛んできていた、俺には避けることも出来ない。真っ先に「死」と言う文字が浮かんだ。

(ギィィィン!!)

死んだそう思い目を瞑ったのだが生きてる。

目を開けるとそこには、俺の見たことのある学校制服を身につけた女の子が敵の攻撃を受け止めていた。

「兄さんなにしてんの!?早く次の攻撃が来るから離れて!」

「佳愛!?」

「兄さん早く走って家の外に!」

「なんでさっき..!?って言ってる場合じゃねー早く逃ねぇと」

「また厄介な、方が来ましたね。ちょっと私も本気をだしますか。」

「何が起こってんのか全くわかんねぇ、、異次元すぎるって。」

「兄さん早く逃げるよ!」

「ワケわかんないけどいくぞ!」

(ベチャッ)

「なんか飛んでk..」

正義の足元に飛んできたのは人の腕だった。

妹の方を見ると片方の腕がスッパりと切られており断面から大量の血液が流れ出ていた。

「佳愛!」

「兄さん、大丈夫だから!早く兄さんだけでも」

「嫌だ、俺にも戦える仮に幻覚だとしても1度お前が死んだ姿を見た。苦しかった。だから絶対死なせないんだ。」

正義は刀を持って敵の方へ歩いてゆく。

「兄さんだめだよ!!」

「黙れ」

「兄...さん?」

正義の人格は別の人のように変わっていた。手に持っていた刀の形状も変化し始めていた。

「おや?憑依ですか。珍しい刀だけの憑依ですね。妖刀ですか。」

「天羽々斬」

一閃

勝負が着いたのは一瞬だった。

無残に相手の片腕だけが残りあとは跡形もなく消えていた。

「憑依「治癒」佳愛、痛むかもしれないけど少し我慢してくれ。佳愛の切断されたうでを断面同士を合わせ、そこにてをかざす。」

「凄い..痛みが無くなってく..腕が元に..」

「よかった!!成功だ!」

「兄さんありがとう!兄さんはやっぱり凄いや..やっぱり1人で請け負うのは厳しいや...私何ヶ月か前からこんなことしてるんだ。」

「え..そうだったの!?知らなかった初耳なんだけど..でもまぁ、今度からは兄ちゃんも一緒だ!2人で頑張るしかないな!」

「「「私達もいるから!!」」」

「嘘だろおい汗」



〜END〜

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