第29話 自我を失った不死鳥
「
私はあの不死鳥に攻撃されたら確実に死ぬと分かった以上、身体が震えて動けなかった。
「嫌だよ…。私は死にたくないよ…。」
私はこれで死ぬのは本当に嫌だと感じた。
「これでお前の仲間の1人を殺害したぞ。最も身体と頭部が離れ離れになった状態で生きているがな。」
「あんた、こんな事をするのはどれだけ外道なのか解っているの?アンタが多くの少女を殺して苦しめた事は変わりない。」
私は勝ち目がない以上、僅かな確率で生きているかもしれない
「私はアンタが怖くて身体が動けない。そして私の目の前には
私は微かな希望を抱きながら時間稼ぎする以外にこの難局を乗り切る方法がなかった。
「無駄無駄。この女が殺された以上、君も死ぬ運命になってしまうんだよ。そして
確かに彼の言う通り、
けど、時間稼ぎ位は上手く出来る筈だ。
確かにあの不死鳥に
だとしたら、この難局を超えるには精神面で強くなる以外に抜け切れる方法はない。
けど、精神面で強ければ私は確実に彼を倒せる…。
だから…、
「私はアンタには絶対、負けない。『ヴァドーナヤ・ヴァルナ』。」
「何。私をこんな水の能力に負けるとはどういう事だ。」
私はこの圧力に負けないように頑張り、少しでも時間稼ぎすれば
「確かに水は火を助長させる能力かもしれない。でもそれは、水に不純林物が入っていないから。不純物の割合が高くなれば火を消す事が出来る。消防車に下水の水を使うのは不純物が多く含まれていて、不純物には酸素が少なくなっているからだよ。」
私はこの不純物の水を上手く使えばフェニックスが倒せると思った。
「波動だけじゃ駄目な理由が分かっている以上、濁った水で、更に攻めれば良い。『ムトヌィ・パートク』。」
私はこの能力を利用して藍那と再開するまで少しでも時間稼ぎする様に心掛けた。
彼を倒せなくても時間稼ぎ位は出来ると…。
「うわぁ。何だ。この水は急に水の影響が弱体化してゆく。」
「弱体化。だって、火は下水に弱いだろ?濁流は不純物が多く入った水で、酸素濃度が低い。火は酸素濃度が低い水に弱いのは当然だよね。」
私は、不純物の水をあの不死鳥にばら撒ければ、彼の暴走を止められると思った。
「くぅ~。力が出ない。けど、私はこのままでは負けない。」
私は間違いなく彼が火力を上げてくる事を分かっているからその分だけ『ムトヌィ・パートク』を増量すれば良いだけだと感じた。
「舐めるな。この不死鳥は火を増やせるんだよ。くぅ~。何か身体が焼けるし、自我が本当に失いそうだ。」
自我を失う?
拙い、彼は本当に自我を失いそうだ。
そうなってしまえば、私でも彼を止める事が出来なくなる。
私は間違いなく自我を失った不死鳥がこれから世界を破滅に追い込む可能性が十分にあると感じた。
「
「
「うぅん。私だけじゃないよ。
「
「大丈夫だよ。
「うん。
恐らく
けど、私と彼女は
「あの、不死鳥は強そうに見えるけど、『プロビデンスの王』を長時間使用すると彼自身の身体もボロボロになる。つまり、自分の命と引き換えに強大な能力を得る事が出来る代物だと思えば良いよ。」
「そうだね。なら、まずは胸の部分に向けて攻撃しようね。」
「そうだね。
私はこれからあの『プロビデンスの王』を警戒しながら自我を亡くした不死鳥に止めを刺そうとした。
「行くよ。『アドナ・インスリート・ヅスプィシュカ』。」
「私も負けていられない。『ムトヌィ・パートク』。」
すると雷撃と濁流を受けた自我を無くしかけた不死鳥は見事に弱まり、彼自身が既に死んでいる証拠だった。
「
「了解。」
「『ペレロム・ゼムニ』。」
「ぎゃぉ~。」
私はこれで『プロビデンスの王』や『マジカルガールパッチ』などを巡る戦いはこれで終わったと思った。
******
そして『プロビデンスの王』の戦いを終えてから30分経ち…、
「
「
「そうだな。それでも私は凄く良かった。」
「
「うん。」
こうして
*********
それからロシアに戻った私達は…、
「ただいま、時彦さん。」
「話は聞いた。どうやら、亡くなった
時彦さんの話を聞いて私は一安心した。
彼女の身体は元に戻らなくてもこれで無事に過ごせるから…。
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