第27話 迫りくるディストピア。

 私の前の前には飛んでもない光景を目の当たりにした。


「これがコスモ・フェニックス…なのか…。」


 こんなに巨大化し、黄金のように輝く鳥を見た私はもはや彼の原型すら留めていないと感じた。


藍那あいな。奴は何かを使ってくるから気をつけろ。」


礼音あやねちゃん。」


 そうだ。

 礼音あやねの言う通り、彼の『コスモ・フェニックス』で怖気おじけづいてはいけないと私は感じた。

 ここで怖気づいたら私は確実に彼に殺されるのは間違いないからまずは、恐怖を振り払うしかないんだと感じた。


「ありがとう。礼音あやね。私はあの『コスモ・フェニックス』になった彼を止める事は到底厳しいかもしれない。けど、私はそれでも彼を止める方法があると思う。それを探そうな。」


「あぁ、灵猫ルンマオ藍那あいなと共に行動しろ。」


「分かった。貴様は単独で動くわけか。」


「当然だ。アンタと藍那あいななら確実に彼を止められると思うからな…。」


 礼音あやねちゃんがそこまで彼を止めたい気持ちが分かった以上、私もこれからあの『コスモ・フェニックス』を止めないと私達の命がないなと感じた。


「ふふふ。フフフフフッ。この『コスモ・フェニックス』の恐ろしさを知らぬだろうが。」


「何を言っているの。ザッカー・クック殿。」


 私は急に恐怖心を抱いた以上、彼が何をしてくるのか分からなかった為、これから彼が何を仕出かすのか恐怖を覚えた。


「では行くぞ。『Flames of 破滅のdestruction.』」


「ヤバい。あれを喰らったら確実に私達は死ぬぞ。」


「私達が死ぬ…。つまり、ほぼ一撃必殺という事か。」


「あぁ、そうだ。あれに食らったら私達の命は確実にないと思った方が良い。」


「分かった…。」


 私はあの炎の光線を知った以上、恐らく彼はまず、シリコンバレーその者を破壊すると私は感じた。


「ヤバい。あの壁が見事に壊れて、彼が外の世界に出てしまったよ。」


「まずい。私達は彼を外の世界に逃してしまった以上、彼らを止めなければまず、生きられなくなるぞ。」


「どういう事…!?」


「どういう事、よりあの『コスモ・フェニックス』は地球を火星1つを破壊する威力を持つから私達が止めなければ確実に多くの命が絶えるだけでなく地球すらも消える可能性があるぞ。」


「そうか。でも、このシリコンバレーにいつまでも残ったら間違いなく私は殺されると思うからここから去る必要があると思うよ。」


「あぁ、そうだな。恐らくここに残れば建物が崩壊して死ぬ可能性があるからな。」


 私は一刻も早くこの世界から脱出する為、これから出口を探そうとした。


 その頃、私と林美リンメイは、ようやくAI監視ロボットが殆ど全滅する事に成功して、少しだけ余裕が持てた。


「はぁ…、はぁ…。林美ちゃん。これでAI監視ロボットが全滅したと思う?」


「解らんな。だが、少梅シャオメイ。AI監視ロボットより余程不穏な雰囲気を感じる。」


林美リンメイちゃん。その不穏な雰囲気とは何なの?」


「それは解らんな。」


 林美リンメイちゃんが不穏な雰囲気を持っているのはどうしてなのか解らなかったが、藍那達が向かったレイスブック社に方面でなのか爆音だけは聞こえた。

 そして、私はある物を見て…、


「何だ。あれは…。」


 私はあの姿は到底、普通の生き物とは思えなかった。

 あの、鳥はどう見ても普通の鳥じゃない。

 あんな巨大で黄金のフェニックスがこの世の生き物だと思うのが不自然な位だ。

 だから、私達はレイスブック社に突入した藍那、礼音、そして灵猫が確実に死んでいると諦めかけた。

 すると…、


「さぁ、このシリコンバレーを全て破壊してこの街を素敵なディストピアへ誘えば良い。」


…彼は一体、何言っているの?


 あのフェニックスは私達と同じ人間の言葉を喋る事に違和感があった私達は一体、レイスブック米本社に一体、何が起きているのかと鳥肌が立った。

 レイスブック米本社であの位の事故が起きれば確実に藍那あいな達が生存率はほぼ0%…。

 私と林美リンメイは彼女達の生存が期待できず、加えて強大な能力を持っていた所為か、絶望感を抱くしかなかった。


「あんた、何をしようとしているのよ。」


「あぁ、君達は誰だよ。」


「私の名前は温少梅ウェン・シャオメイ。そして私の仲間である原林美ユアン・リンメイ。貴方はまさかザッカー・クック氏なのか?」


 私はあの『コスモ・フェニックス』の正体がザッカー・クック氏なのは間違なかった。

 だって、レイスブック米本社で『プロビデンスの王』を所持できるのは基本的に彼しかないからね…。

 だから、藍那あいな達の生存が絶望的でも私達は彼を何としても倒さねばならなかった。

********

…その頃。俺は彼女達の生存が非常に不安だった。


 俺はアメリカで指名手配になった以上、下手にアメリカに戻れば逆に処刑される。

 だから、彼女達の助けに行きたくても助けに行かれなかった。

 故に、インターネットで『プロビデンスの王』の王について調べようとしていた。


…『プロビデンスの王』。即ちレイスブック社の役員のみが使用出来るとんでもない体内チップだ。これをどちらかが使用して戦った場合、必ずどちらかが死ぬ事は分かっている。だから、この『プロビデンスの王』は確実に解明せねばならない。


 俺はロシア語で体内チップの情報を探りながら調べている最中だった。

 すると、EG2というサイトからRBC(ロシア放送)のサイトからある報道がなされていた。


「現在、アメリカのカリフォルニア州、シリコンバレーで突如、この世のものとは思えない生物が現れました。」


…これはどういう事だ。


 あれは間違いなく『プロビデンスの王』を使用した人間じゃないとあの様な姿になれない。

 俺は彼女達がもし、あのような生物と闘っているなら彼女達の生存率は紛れもなく0%に非常に近い状態だと思い絶望するしかなかった。

 そして俺は、アメリカから重要な情報を奪ったのでアメリカに戻れば殺されてしまう。

 俺は、あの化け物の正体がザッカー・クック氏なのは間違いないと思いつつ彼女達の無事を祈った。

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